コンビニに置いてほしいもの1位「野菜がごろごろ入ったゼリー」
具がごろごろ入っているゼリーとは、これのことだ。
むかしから漠然と好きだったものの、思いを強く意識したのは1年ちょっと前、新型コロナに罹患したときだ。
弱っていたときに食料支援の段ボールのなかに入っていたゼリーを口にしたところ、「これなら大丈夫、いける!」と胃腸が青信号で受け入れてくれて、完食できたのである。
元気がないときでも食べられるものってありがたい。
以来、元気の有無に関係なく頻繁に食べるようになって、夏が訪れたときに再び思った。
暑いときでも、するっと食べられるものってありがたい……。
だけど欲とは、雪だるまのようにまるまる増えていくのが常なのだ。もうひとこえ欲を言いたくなってしまった。
もっと甘くないゼリーを食べてみたい!
で、作ってみたのがこちらである。
この世界にはすでに「ゼリー寄せ」 や「煮こごり」という料理があるので、それを作ればいいんじゃないかとも思った。
だけど、いつかコンビニで販売してほしいという願いを込めて、果物ゼリーのような見た目にした。
……というわけで、どこぞかのメーカーさん、甘くない野菜ゼリーをぜひ、新しい仲間に加えていただけないでしょうか。
出汁からとった
なお、自分でいちから作るとなると結構手間ひまかかるものでした。
ふだん、家事に対して「お湯をわかせたらえらい」「炊飯器のボタンを押せたらえらい」という価値基準で生きているので、昆布とかつおから出汁を取ることができたこの日の私は、自己採点250点です。
さて。まずはトマトゼリーから作ってみたいのだが、せっかくなんでトマトの湯むきもしてみよう。
めんどくさがりながらも、湯むきを完遂したので追加で100点。
なかなかのきらきらっぷりだ。
「ゼリーって宝石みたい」と過去に思ったことが何度かあったけど、これにも割と宝石っぽさを感じる。
豚の皮(ゼラチンの原材料)でも、昆布とかつおのエキスでも、雑然とした我がキッチンでも宝石は作れるのだ。
そう考えると夢がひろがる。
食べてみると、おお、理想どおりの甘くなさ!
出汁味のゼリーにトマトの酸味が加わるともう、後味はさっぱりするしかなくなるらしい。味が口のなかに長期滞在しないで、あっという間に去っていく。
「清涼感」という言葉を食べものにすると、こうなりますという見本みたいな味がするじゃないか。
外はまだまだ思いっきり暑いのに、気持ちがとても涼やかだ。