また来たらどころではなかった
下山時、どうしてももっと食べたくなって抹茶味を追加で2袋買ってしまった。
長い人生、そういうこともあります。
多分来るたびに買います。
ある日友人は言った。「高尾山のかりんとうは本当にうまい」と。
本当なのか。それって本当なのか。
友人は元々かりんとうにさほど興味のない人間であった。しかし高尾山のかりんとうのあまりのうまさに感動して以来、ほうぼうでかりんとうを見かける度に買ってしまうようになったという。
正直に言って私もかりんとうにはほぼ無縁の人間である。しかし、人の生き様を変えてしまうほどの甘味。試さねば嘘というものだろう。
件のかりんとうは高尾山が中腹、薬王院の境内で取り扱っているという。
高尾山口駅を出た時から人の流れが途切れることなくずっと続いている。
もしかしてみんなかりんとう目当てだったりするのだろうか。そうであってほしい。それくらい人気であってほしい。
めっちゃある、めっちゃあるよかりんとう!
黒糖はもちろん、栗味や梨味も分かるけど右端の「とうふ」ってなんだ。とうふ味のかりんとう......?
写真外にも抹茶味や、秋限定のさつまいも味もあった。かりんとうってこんなに色んな味を展開しているものなのか!
お店の人曰く抹茶がよく売れているらしい。楽しみすぎる。
せっかくなので頂上で食べよう。山の頂上ではすべての食べ物のうまさが10割増しになると研究により明らかになっているからだ。ソースは私の感想。
さあ、食べよう食べよう。
高尾山のかりんとう、どんなもんじゃい。どんなもんなんじゃい。
どうやら1袋ごとにこの「天狗の落とし文」というカードがランダムで1枚入っているらしい。
かりんとう、まさかのトレーディング要素である。コンプリート目指すしかないやつじゃん。
いざ、実食。
かりんとうには少し固くてやたら甘いイメージがあったのだが、このかりんとうは軽く、すごくさくさくしている。しかも甘すぎない。
わかるよ、すげーわかる。味が強すぎると飽きちゃったりするもんな。
これはまさに「やみつきになる」ってやつだ。
せっかくなので他の味も食べちゃう。
まずはランダム封入の「天狗の落とし文」の確認から。
さてさて、いかがなものですかな。
あのねえ、これはちょっとだめですね。おいしすぎる。おいしすぎるって。
抹茶の甘味と苦味がしっかりと出ており、その苦味とかりんとうの砂糖が恐ろしいバランスでマッチしている。甘いものを食べたあとにしょっぱいものが食べたくなるというが、これは一本でその循環が完結しているのだ。
考えてみればさっき黒糖味のかりんとうに対してお茶と合う!と言ったが、これはかりんとうとお茶が混ざった食べ物である。そりゃ合うよ!合うに決まってるじゃん!
とうふ味だからか袋が白く、中の「天狗の落とし文」が透けて見えてしまっている。ネタバレだ!
てっきりとうふの味がするのかなと思ったが、意外とうふ自体の風味はそこまで強くない。
一方で黒糖味にあったような甘さはより控え目になっており、さらに無限に食べられるようなサク軽に仕上がっている。
すごいわこれ、全部うまいわ。かりんとう、確かに好きになっちゃうわ。
下山時、どうしてももっと食べたくなって抹茶味を追加で2袋買ってしまった。
長い人生、そういうこともあります。
多分来るたびに買います。ここから
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