金属探知機で調べたい
以前、三土さんが当サイトで金属探知機で路面電車の遺構をさがしていたことがあった。
その時も、実際に東京都に「線路が残ってる」と案内されたところも船路橋という橋であった。(船路橋のレールはすでに撤去され、橋は架け替えられている)
進開橋や月島橋を金属探知機でじっくり調べてみたい気もするけれど、交通量の多い車道で金属探知機をグリグリするのは難しいだろうな……。
さて、白鳥橋の遺構は、今後工事を進めるにあたり、残念ながら廃棄されてしまう予定だ。東京都としては、引き取り手がいるのであれば譲りますということらしいが、運搬費用などは引き取り手が負担しなければいけないので、なかなかむつかしいところはあるだろう。
実は、橋のアスファルトの下から路面電車の遺構が出てきたのはこれがはじめてではなく、今から4年ほど前にも御茶ノ水のお茶の水橋のアスファルトを引っ剥がしたら、路面電車の遺構が出てきたことはあった。
この遺構は、すでにカッターで石が刻んであったり、一部掘り返してあるなど、保存状態があまりよくなかったのだが、70年以上まえの路面電車の遺構(当時は都電ではなかった)が出てきたとあって、このときの見学会も大盛況ではあった。
ここで気になるのは、なぜ橋の上から都電の敷石とレールが出てくるのか? ということだ。その点を東京都の方に話を聞いてみたけれど、なぜ橋の上だけレールと敷石が残っていたのかはわからない……とのことだった。
都電が廃止された当時、大量に出た都電の車両や敷石、レール、架線につかわれた銅線などの廃棄物の処分に大変難儀したという話がある。
ここからは、まったくぼくの想像と仮説になるけれど、橋の上の敷石やレールは、普通の地面の上とは違って、重機でガリッと掘り起こすわけにいかない。橋(橋桁?)にダメージを与えないように掘り起こすのに気をつかわなければいけないのではないか?
そう考えると、処分に困る廃棄物(敷石やレール)をわざわざ掘り起こすよりも、そのままアスファルトで埋めてしまって使う方が、効率的ではないか。
だから、橋の上は敷石やレールや残りやすい……。と、考えると、都電が廃止されるよりも前に作られて、都電のレールがあった橋は、もしかしたら、敷石やレールが今も埋まっている可能性があるのではないか?
東京都でも、どの橋はレールや敷石を引っ剥がしたのか、引っ剥がさなかったのかを把握しているわけではないだろうし、そういった資料があるわけでもないようだ。今回のこの白鳥橋の遺構も、アスファルトを引っ剥がすまで遺構があると思ってなかったらしい。
そこで、かつて存在した都電41系統をすべて調べ、路面電車が走っていた橋をすべてピックアップしてみた。その一覧がこちら。
上記の表は、かつての都電の路線を現代のグーグルマップでたどり、私が目視で「橋だな」と認定したものを入れているのだけれど、抜けがあったり、陸橋を入れたりしているので、正確なデータではないことをお断りしておきたい。橋が架けられた年は「全国Q地図」の橋梁マップで調べたが、わからないものに関しては「?」としてある。
橋の数で言えば、約64本の橋に都電のレールが敷いてあったということになるけれど、そのなかで、都電が廃止されるより前に架けられて今でも使われている橋は20数本ほどある。
日本橋だとか勝鬨橋といった、ビッグネームな橋も含まれるけれど、はたして、そんな橋に路面電車の線路が埋まってるようなことはあるだろうか?
おそらく、そういった改修工事が頻繁に行われている橋には遺構は残ってないと思うけれど、たとえば、月島橋(中央区)にかんしていえば、1971年に架橋された橋だが、上を走ってたと思われる都電23系統は1972年に廃止となっている。
これは、遺構が橋の中に残っているのでは? と思いたくなるが、都電23系統が廃止された1972年当時は、橋の上を通らないルートに短縮されていたという可能性もある。なぜなら、たった1年のために橋の上にわざわざ線路を敷かないように思うからだ。
いっぽうで、29・38系統が走っていた進開橋(江東区)は、1966年に架橋されて、路面電車は1972年に廃止されている。
架橋から廃止まで5年以上の猶予があるうえに、路線が短縮されていた形跡もないので、もしかしたら、もしかするかもしれない……。
以前、三土さんが当サイトで金属探知機で路面電車の遺構をさがしていたことがあった。
その時も、実際に東京都に「線路が残ってる」と案内されたところも船路橋という橋であった。(船路橋のレールはすでに撤去され、橋は架け替えられている)
進開橋や月島橋を金属探知機でじっくり調べてみたい気もするけれど、交通量の多い車道で金属探知機をグリグリするのは難しいだろうな……。
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