特集 2022年10月11日

ハラペーニョサブスク生活

ハラペーニョが豊作なので食べまくっています。

知ろう!フレッシュ唐辛子」という記事の取材で、ハラペーニョという肉厚の唐辛子を知った。私がギリギリ耐えられる辛さ、パリッとした歯ごたえ、爽やかな青臭さ、この組み合わせが最高なのだ。

こいつを畑で育てれば食べ放題になるのではと植えてみたところ、見事にハラペーニョサブスク生活となった。やっぱりハラペーニョはうまい。ちょっと豊作すぎたけど。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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ハラペーニョの種を植える

目指せハラペーニョ食べ放題生活!ということで、三月末に取り寄せた種を畑に蒔いた。唐辛子は肥料がたくさん必要ということだったので、米糠や牛糞などを多めに入れてみる。

ハラペーニョはメキシコのサルサソースに欠かせない唐辛子だそうで、インド産を沖縄の業者が仕入れたものだ。たぶんインド料理にも沖縄料理にも合うのだろう。

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取り寄せたハラペーニョの種。
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ピーマンの種とよく似ている。

アブラナ科の野菜だと一週間くらいで芽を出してくれるのだが、南国育ちのハラペーニョには埼玉の早春は寒すぎたようで、なかなか顔を出してくれない。

これは失敗の予感がする。やっぱりポットに植えて暖かいところで苗を育てるべきだったかと後悔しだした4月末になって、ようやく芽を出してくれた。

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ようやく芽が出た!

ハラペーニョの苗も植えた

5月中旬、種から育てているハラペーニョはまだ10センチほどのミニサイズ。このままではハラペーニョを食べるベストシーズンの夏が終わってしまうのではと不安になっていたところ、旅先でたまたま入った大型園芸店で、ハラペーニョタイプと書かれた苗を見つけた。

ハラペーニョと断言せずにタイプと濁している点が若干気になったが、第二期追加メンバーとして二鉢を畑に加えた。このてこ入れに第一期のオリジナルメンバーも奮起して、ワンパクでもいいからたくましく育ってほしい。

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ハラペーニョではなくハラペーニョタイプ。インスパイア系なのだろうか。
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これで夏はハラペーニョ三昧だ。

ハラペーニョの花が咲いた

六月中旬、早くも第二期ハラペーニョに花が咲いた。通称ハナペーニョ。うつむき気味の白い可憐な花である。

まさかこのかわいい花が、あんなに辛い実(といっても唐辛子の中では程よい辛さ)をつけるなんてねえ。

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新メンバーとして加入して、一か月ですっかり大きくなったハラペーニョ二期生。左奥のヒョロヒョロしたのが種から育てている一期生。
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恥ずかしそうに下を向くハナペーニョ。
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アゴクイをして顔を確認。おまえ実はナス科なんだってな。
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ハラペーニョが実った!

そして7月中旬、とうとうハラペーニョを収穫する時を迎えた。もちろん苗から育てている二期生の成果である。一見すると細長いピーマン、張りのあるシシトウだが、その実態はピリリと辛いトウガラシ。このパツンパツンな果肉の膨らみっぷりが堪らない。

ちなみにピーマンもシシトウもトウガラシもナス科トウガラシ属トウガラシの同じ仲間で、品種改良によってトウガラシから枝分かれをしたらしい。植物って不思議。間違えて収穫しないように、畑を共同管理している母に釘を刺しておかねば。

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まだ初期だからか、収穫が早いからか、土の栄養不足か、ちょっと細いかな。

唐辛子は中にあるフカフカしたワタ部分(胎座)が辛いそうだ。私は辛さに対する抵抗が人並みなので、ティースプーンで取り除いてから調理する安全策をとる。

ちなみに手袋をしてからワタの処理をしないと、目を触ったりトイレに行ったときなどに、とても嫌な汗をかくことになる。

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怖いから試さないけど白いワタが辛いらしい。ついでに種もとってしまうが、こっちはそれほど辛くないらしい。
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記念すべき最初のハラペーニョ料理は、待ち望んでいたチーズベーコン巻き。
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これがうまいんですよ。

やっぱりハラペーニョはうまい。パリッとしてヒリっときてスッとする。辛いんだけどその辛さはすぐに消える潔い辛さ。

私は基本的に辛い物を好んで食べることはあまりないのだが、ハラペーニョに限っては程よく辛いからこそピーマンやシシトウでは代用の効かない個性の輝きが恋しくなる。

畑に行くたびに収穫があるので、ありがたく様々な料理で食べていこう。

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オリーブオイルでニンニクとハラペーニョを炒める。
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前からやってみたかったアーリオ・オーリオ・ハラペーニョ。ちょっと刺激がヤワな胃袋には強すぎたけど、この爽やかな辛さが堪らない。
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続いてはベーコン、トマト、ハラペーニョを炒める。
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パスタではなくごはんと卵を加えて、カラフルハラペーニョチャーハンとかどうだろう。
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さらに黒胡椒をガリガリ削って完成。ガッポガッポいけるやつだ。最高。
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ハラペーニョが実りまくる

そして8月中旬、これまでは一回に数個ずつの収穫だったハラペーニョだが、この頃になると種から育てた一期生も酷暑を追い風にして実をつけるようになり、数日ごとに張りのあるうまそうな実を二桁単位で収穫できるようになった。しかもサイズがでかい。

もうハラペーニョが食べられるありがたみはすっかり薄れたが、意外とある使い道や固体差による辛さの違いなど、その奥深さに感心する日々。ありがたや。

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ずいぶんと盛況ですね。
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このぷっくりしたスタイルこそ私の求めていたハラペーニョ。
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こんなにたくさんはいらないんだけどね。
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タバスコとピーマンの二刀流としてフレッシュハラペーニョをピザトーストにドーンと乗せてやるぜ。
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ピーマンの肉詰めがあるならハラペーニョに肉を詰めてもいいじゃないか。これすごくうまいんですよ。
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ワタを取ったり取らなかったりしたハラペーニョにチーズを乗っけて炭火で炙ったりしちゃう。辛いのと超辛いのが混ざって楽しい。
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肉厚の唐辛子だから天婦羅もうまいけど、他の天婦羅の味がわからなくなる可能性あり。
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パスタのトマトソースに少し加えればタバスコいらずだ。
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カレーうどんには一味唐辛子の華やかな辛さの方が合うかもしれない。
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コーレーグスが減っていたので、泡盛と一緒に足しておこう。こんな使い方じゃ全然減らないけど。
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せっかくなので麺を打って沖縄そば。途中でコーレーグスを入れて味変するのが楽しい。
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麺を打って蒸して茹でて焼いて作る焼きそばに輝く辛味のエメラルド。
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魚介スープのラーメンに乗せたナメロウ(魚を味噌とタマネギなどと叩いた房総地方の漁師料理)に加えるのも良し。
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蕎麦の薬味のどうだろうと試したが、さすがに刺激がストレートすぎて合わない。
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ならば「もみじおろし(赤唐辛子入り大根おろし)」ならぬ「みどりおろし」でどうだ。
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チンアナゴみたいですね。
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この食べ方だと大根とハラペーニョの辛さが混ざることで、辛味大根の延長線という感じで蕎麦に合う。
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そういえばサルサソースに合う唐辛子だったと思い出し、ようやくサルサソースを作る。。たくさん入れると辛いのでピーマンも入れた。
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さらにピクルスもたくさん作った。
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サルサソースとピクルスといえば、タコスならぬタコライスならぬタコラーメン!
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ハラペーニョの存在感が最高。やっぱり育ててよかった。

それにしてもトマトやキュウリなどが食べきれない程に実るのは夏野菜あるあるだが、まさかハラペーニョまでもそうなるとは。一度に食べられる量が限られているので、すぐにオーバーフローしてしまうのだ。

さすがに全部は食べきれないので、誰か友達と会うたびに渡していたのだが、辛い物が苦手な人もいるのでハラペーニョハラスメントだったのではとハラハラしている。

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そしてまだまだハラペーニョは実り続けているのだった。

とりあえあず食べきれない分は冷凍保存しつつ、これからは赤く完熟させたハラペーニョの味を堪能したいと思う。

ちなみにフレッシュのハラペーニョを食べてみたいという方は、その素晴らしさを教えてくれた村山さんの店「PEPPERS.JP」で通販をやっていますよ。


ということでハラペーニョサブスク生活は楽しかった。まだ終わっていないけど。完熟したハラペーニョを燻製にしてチポトレを作っても楽しそうだ。食べ方がまったくわからないからこそ作らねば。

今回はタコラーメンにしたけど、タコスをプレスするための機械を買うだけ買って使っていないので、そろそろ試してみようかなと思っている。来年は何を育てようかな。

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