特集 2023年6月21日

岡山の泊まれる四つ手網小屋で、獲れた魚介を料理して食べたい

まったく知らない魚が網に掛かった

バーベキューの合間に網を上げてみると、目が怪しく光る魚が網の中を泳いでいた。明らかにこれまでの魚よりも大きい。

スズキかと思ったのだが、それにしてはシルエットが細すぎる気がする。南米に住むアロワナという熱帯魚、あるいはターポンあたりが近いかな。でもまさかねえ。

067.jpg
見たことのない魚が掛かった!

魚の全長よりも直径が小さい網でどうにかすくい上げられた謎の生物は、明らかに私が見たことのある魚類ではなかった。平べったくて鱗が大きく、東京湾当たりではまず見かけない顔立ちをしている。

でもこのギラギラした独特の質感は、最近どこかで見たような記憶がある。あ、もしかして買い出しをしたスーパーで骨切りされて売られていたヒラという魚では。

スマホでヒラを調べてみると、まさにこの魚が表示された。岡山ではよく食べられている魚のようだ。やったぜ、ご当地食材をゲットだ。

068.jpg
よくぞ網に入ってくれました。
069.jpg
小骨が多いらしいので骨切りをしてみた。
070.jpg
塩をした半身を炭火にドーン。食べてみるとホロホロとした知らない触感で驚く。これはうまい魚だ。
071.jpg
残った半身は冷蔵庫でしばらく寝かせてから、細切りの刺身でいただく。
072.jpg
これがブリンブリンでうまかった。独特の甘味があるんですよ。小骨も柔らかいので気にならない。
073.jpg
白子も茹でていただいた。贅沢をしているなあ。
いったん広告です

夜の四つ手網はボーナスタイム

立派なヒラが入ったことで、もうかなり満足したのだが、児島湾が本気を出すのはここからだった。

ドカっと大漁という訳ではないけれど、網を上げれば様々な獲物が顔を見せてくれて、頭の中のアミモン(網で捕れるモンスター)図鑑が埋まっていく。ものすごくゲーム性の高い遊びである。

これをスマホのアプリにしてほしい。いやいっそオンラインクレーンゲームのように自宅から四つ手網を遠隔操作をさせてくれないか。でもやっぱりリアルだからこそ空気感を含めてここまで気持ちが高揚するのだろう。

もし私が岡山に住んでいたら、山形県民が芋煮会をするくらいの頻度で四つ手網を上げに来るな。

074.jpg
そろそろベイカが獲れて欲しい。捕まえて食べる界隈のガチ勢なのでヘッドライトを持参しています。
075.jpg
あ、獲れた!
076.jpg
ベイカは俗称ではなく標準和名で、瀬戸内海などの塩分濃度が低い海に生息する珍しいイカらしい。
077.jpg
鮮度抜群のベイカの刺身。甘くてうまい。
078.jpg
胴体と足はサッと茹でていただく。柔らかくて最高。このように人生で一度しか食べられないであろう料理が次々登場していく。
079.jpg
こちらベイカの甲になります。サイズの割にしっかりしている。
080.jpg
これはサッパかな。岡山名物のママカリだ。東京湾で釣れてもあまり嬉しくないが、岡山で獲れるとすごく興奮する。
081.jpg
レモン果汁で軽く締めていただく。
082.jpg
これはコノシロですかね。出生魚だからこのサイズだとコハダかな。これもレモンで締めておきましょう。
083.jpg
本日最大サイズ(差し入れを除く)のエビを2匹ゲット。シバエビかな。
084.jpg
そして超大物の魚が掛かった!
085.jpg
ボラきたー!汚い海のボラはおいしくないけど、児島湾のボラならおいしいはず。
086.jpg
みんなが作ってくれたカニ鍋にボラの切り身を入れてみよう。
087.jpg
ブリンブリンで超うまい。臭みがゼロ。四つ手鍋にはボラだ。
088.jpg
煮込めば煮込むほどカニの出汁が効いてくる育つ鍋に、岡山県産小麦を使ったうどんを投入。
089.jpg
夜中の炭水化物、最高だよね。
090.jpg
備え付けのホットプレートも大活躍。たとえ魚が獲れなくても、土砂降りだったとしても楽しめるメンバーだと思う。

⏩ 次ページに続きます

<もどる ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ