特集 2024年11月12日

台湾の即身仏はゴールデン~霊雲寺哲学廟

見どころが多すぎる①開祖の即身仏「金身菩薩」

まず、何をもってしてもこのお寺の最大の見どころは、

開祖・一化智上人の「金身菩薩」

こちらは肉身菩薩、いわゆる「即身仏」。僧侶・行者が修行の末にミイラとなった存在です。

一化智上人は、晩年に簡素な食事生活を開始し、その後1998年に亡くなられたのだそう。身体は腐敗することなく、のちに金箔で処理され今の姿となったそうです。ガラスケース越しにいつでもお参りすることができます。

ちなみに日本では、明治政府が即身仏へと至る修行を禁じたので、こんなにも最近の即身仏はありません。

日本の即身仏と違い、黄金に輝いています・・・!

調べたところ、台湾の肉身菩薩は、金箔で処理をほどこすのが一般的のよう。一化智上人の唇には赤く色がさしてあり、独特の存在感があります。

なお台湾では、現在約8尊の肉身菩薩が存在しているみたいです。

たまたま行った廟で、肉身菩薩を拝めるとは・・・こんなことあるんですね・・・!持っててよかった、「ええいままよ!」のスピリッツ!

たくさんのお供え物があり、信仰をあつめていました。

この開祖はかなり苦労して霊雲寺を建立したそうで、この廟の中は開祖のオリジナリティと工夫であふれています。早速見ていきましょう。

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見どころが多すぎる②蒋介石の像

開祖の隣に目を移すと、

国民党の総統・蔣介石の像が。

蔣介石はかつて台湾の地で権威をふるった総統です。ステッキを持ってさわやかにたたずむ彼が廟の中にいます。

「台北の中正紀念堂にめちゃくちゃでかい蔣介石の像があるし、廟にあるのも普通なのかな~」と思ったのですが、(今回の旅行で撮影)

実は、民主化の波で、公園や学校にもあった蔣介石の像は「過去の独裁者」とみなされ次々と撤去されているそうです。その中で、霊雲寺は今でも像を設置していて、台湾でも珍しいのだとか。

霊雲寺のある亀山区では、蔣介石と同じ時期に大陸から台湾に来た中華系の人々(外省人)が多く、蔣介石の像は信仰を集めているようです、

(ちなみに霊雲寺がある桃園市には、撤去された蔣介石像が200体以上あつまる「慈湖紀念雕塑公園」があります。桃園市、興味ぶかいですね・・・)

それにしても、蔣介石と肩を並べるワイルドジャケットの方は誰でしょうか・・・?
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見どころが多すぎる③葉っぱ&スーツ

この廟の中には、ジャケットスーツの方のほかに、

葉っぱの方々もいます。

何やらジャングルなムードをかもしだしています。

どういうことなのか林さんに聞いてみると、

玄天上帝の教えが、現在・過去・未来に対応していることを示す工夫とのこと。

たしかに、昔の衣装の神様の像には伝統の重みを感じて心強い反面、「AIとかUberとかがある令和にはあんまり関係ない存在かもな~」と思っちゃいます。でも、「葉っぱからスーツまで幅広く対応!?」と思うと、急に身近に思えます。

右の筆を持った方は、天を象徴する天公(玉皇大帝)だそう。(左の人の合計六又の二刀流もみどころ)

天公はかなりポピュラーな神様ですが、

よく目にするのは、皇帝みたいなかっこうです
葉っぱの姿の天公は珍しすぎる・・・!

つまり、古代の天公ということでしょう。上司の昔の写真を見て、「へー、当時こういう服着てたんですね、めっちゃ意外です」といった心持ちです。

あ、そういえばさっきのワイルドジャケットの人も、外の黄金人民服の人も修行した現代人だったんですね。

ただ、顔つきはなんか違う。修行の結果、いろんな仕上がり方があるようです。
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見どころが多すぎる④筆を持ってる玄天上帝たち

すでにインパクトをめちゃくちゃいただいていますが、まだ本尊を見ていません。霊雲寺の本尊はこちら、

北の玄武の星座を象徴する玄天上帝です。

もちろん真ん中が玄天上帝ですが、まわりにたっくさんのありがたい方々がいます

赤銅色になっててよく見えないかもしれませんが、結構な人数が筆を持ってます。

これは霊雲寺オリジナルの「仏筆」というアイテムだそう。

なんか、みんなが持ってると、私も持ちたいなあと思っちゃいますね。たまごっちを欲したあの頃の気持ちを思い出しました。

林さんいわく、この玄天上帝をお参りすれば、ものごとを必要以上に恐れる気持ちがなくなるのだそうです。

その心の強さを表したのが、このライオン&トラのイラスト。

「リアルなライオンの絵があるなあ~」と思ってたら、「強さ」の象徴でした。「強さ」そのものとして壁に描かれていました。あふれるインパクト!ストレートに刺さる表現!

インパクトでいうと、本尊の前の天井から3Dの双龍が降りてきているのもすごかった

ド迫力のお像たちは、いろんな人に教義に興味をもってもらおう、わかってもらおうという工夫なんだなと思いました。

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目が据わっていたけど笑顔になれた

林さんの紹介で、霊雲寺を堪能できました。

そんなに大きいわけではないに、濃密な空間だった(紹介しきれていないものもある)

最初、孤独から表情がくもっていった私ですが、

笑顔になれました。レジャー中とは思えない目つきだったのに、目元がやわらかに

ひとえに霊雲寺のインパクト&管理人の林さんのやさしさのおかげです

 

タクシーも呼んでもらった

林さんから「どうやって帰るの?」と聞かれたので、「桃園空港発の15:30のフライトで帰ります」と答えると、「ここからバスで帰るの大変だから、タクシー呼んであげるよ」と電話してくれました。あ、あたたかい・・・!何から何までありがとうございます・・・!

もし、みなさんも台湾の桃園市に行く機会があればぜひお参りしてみてください。バスは乗り換えがめちゃくちゃ難しいので(私は当然のごとく失敗した)、タクシーがおすすめです。

あと、霊雲寺のポエ(占いで投げるための道具。よく見るのは手のひらサイズ)がジャンボ餃子くらいデカかった
記事で使わなかった写真
紹介できなかった写真がたんとあります

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