かわいいけど高級品
我が家には2歳と4歳の娘がいる。
女の子2人なので、家にはリカちゃんやディズニープリンセス、プリキュアなど、かわいい系のおもちゃがこれでもかとあふれている。
最近は姉妹でごっこ遊びができるようになって、遊びの幅も広がってきた。
そこで購入を検討し始めたのがシルバニアファミリーだ。
そう、赤地に白ドットのワンピースを着たかわいいうさぎちゃんをラブリーなおうちで遊ばせる、あのシルバニアファミリーである。

ごっこ遊びは想像力やコミュニケーション能力、社会性が身につく素晴らしい遊びだとテレビで有識者っぽい人が言っていた。姉妹2人で楽しめるなら、そしてその間数分でもわたしの手が空くならぜひ買ってあげたい!
そんな想いでシルバニアファミリーの商品棚を見たら、かわいい見た目とは裏腹にあまりかわいくないお値段で無言になった。
お人形や家単体はそれ相応の値段なのだが、セットで買うと高額になる。小さなサイズの家とうさぎちゃんのお人形1体が入っているスターターセットのような商品もあったが、ほかのお人形や家具など買い足していくとそれなりにお金がかかるという課金システムだ。
親になって初めてわかった。
シルバニアファミリーがある家は金持ちだ。

スッと買ってあげられる価格ではない。でも、娘たちには遊ばせてあげたい。なんとかシルバニアファミリーを手に入れる方法はないだろうか。
そこで思いついたのが、シルバニアファミリーを“自分で作る”という選択肢。
メーカーもびっくりの対応策である。
材料は、わたしたちの味方100円ショップで
DIYといえば、はじめの設計が重要だ。
設計が固まれば、あとはそれに沿って作っていくだけでシルバニアファミリーができあがるという寸法だ。

「これは設計図ではない」という声が聞こえてきそうだが、わたしが設計図だと思って書いたので設計図で間違いない。
赤い屋根の大きなおうちに小さな家具、それにかわいいうさぎちゃんとその仲間。どこからどう見てもシルバニアファミリーだ。
おもちゃ売り場のシルバニアファミリーで娘が遊んでいる様子を観察すると、ドアの開け閉めや階段の上り下り、お人形をすべり台ですべらせるのが特に楽しいようだ。作るのは難しそうだが、ドア、階段、すべり台はマストアイテムになった。
材料費は極力抑えたい。100円ショップで揃えられるだろうか。

子どもが遊ぶおもちゃなのである程度強度を保ちつつ、見た目もシルバニアファミリーに近づけたい。素材選びに時間がかかったが、家と家具は木材、お人形は羊毛フェルトで作ることにした。
まずはお人形から
大物になりそうな家は後回しにして、まずはお人形を作ってみよう。
今回はシルバニアファミリーのメインキャラクターである“フレア”といううさぎちゃんと、たぶんその弟である“ココ”という小さなうさぎちゃんの2体を作る予定だ。
シルバニアファミリーに関する知識量が少ないので、関係性が曖昧である。

羊毛フェルトはこれまで何回かやってみたいと思いトライしたが、いずれも途中で飽きてしまい、完成に至った実績がない。針とマットもその都度買っているため、家のあちらこちらに眠っている。
頼むから今このタイミングでは出てこないでくれ。

引きで見るとこんな状況だ。

工作は好きだが手先が不器用なので、何度も針を指に刺す。
以前仕事でお客さんに渡す資料をホッチキスで留めていた際、なにをどう誤ったか自分の指をホッチキスで留めたことがある。ガッシャンときっちり留めたが、羊毛フェルト用の針はあれより痛い。みんな気をつけて。

体を張りながら数日に分けて作業を続け、フレアの全パーツが完成した。

手足などの小さなパーツは、大きなパーツに比べて作るのが難しかった。小さく作ろうと羊毛フェルトを少量取るといくら針を刺しても一向にまとまらず、かといって増量するとパーツがどんどん大きくなってしまう。
その結果が、この手足の長さだ。


フレアと同じ作り方でココも完成した。


ただ、羊毛フェルトの量が少なかったのか目が取れやすく、ここまでで5回くらいどっかいった。

紆余曲折しながらも、なんとか服まで着せることができた。
つっこみどころはたくさんあるが、娘たちはかわいいかわいい言って大切に手に取ってくれた。心優しい子に育って母はうれしい。
