桜を自分で育てたい
自分で育てた桜でお花見したいと、心のどこかで思っている。何年も育ててきた桜が春になって立派に咲くなんて、かなり感動するだろう。でも育てるのって大変そう。基本的には、3日以内に完結することしかやりたくないのだ。
……庭師になればいいのだろうか。
よし、なろう!庭師に!!格好だけ!!
庭師の格好で桜の前に立てば、自分が育てた気持ちでお花見できるに違いない。
庭師の格好
庭師の格好といえば、地下足袋、半纏、頭に手拭いを巻いているイメージである。

地下足袋は近所に売ってなかったので、Amazonで注文。他の服は古着屋で用意することにした。
半纏にはそれぞれの会社の名前や家紋が書いてあるようだ。後ろに丸いマークが入っているのがかっこいい!!
庭師にならない限り入手困難なので、こちらは自作しよう。

半纏は売ってなかったので、羽織で代用することにした。

色々調べたら、「庭」とわかりやすく書いてあるものがあったので 、それを真似しよう。


これを着ていて、庭師じゃないなんてあり得ないだろう。あとは地下足袋が届くのを待つだけだ。

桜を見に行こう
アイテムが揃ったので、全てを身につけて桜を見に行こう。


1年間、この日をずっと待っていた。大変なこともあったけど、こうして立派に咲いてくれた。感無量である。
自分が育てたと思うと、我が子の晴れ舞台を見にきた気持ちだ。
みんなが桜を見にきてくれているのが嬉しい。老若男女が、わざわざ家からシートを持ってきてくれるなんて……。

みんな写真撮ってくれてる……!!
今までは、桜の写真を撮っている人を、「絶対後で見返さないし、フォルダを圧迫するだけ」と冷静な気持ちで見ていた。でも、今は出来るだけ撮って欲しいと思える。みんな、写真撮ってくれてありがとう……!!桜が人気で本当に嬉しいよ!!
身内にアイドルがいる人ってこういう気持ちなのだろうか。
真のお花見

自分が育てたサイドに立つと、本当に何時間でも見ていられる。見ているだけで楽しいのだ。これが真のお花見か……!!
庭師の格好をしていると、シートは敷かなくていいや、直に座ろう!というワイルドな気持ちにもなった。その方がたぶん粋だし、土の状態も分かるし。
苦労したことなどを具体的に思い出したいが、庭師の知識がゼロなので、何も思いつかない。でも、達成感だけある。一切苦労せず、達成感だけを味わえるライフハックだ。

ずっと見ていたら、1箇所折れているところを発見した。


丹精込めて育ててきたのに……。しばらく呆然と立ち尽くす私。折れた部分の桜がしおれていて、 さらに悲しい気持ちになった。
でも植物はいずれ枯れてしまう。諸行無常を実感しつつ、刹那的な美しさを今ちゃんと味わおうと思った。