横浜で生まれ、横浜で育ち、ずっと過ごした。横浜のこともだいぶ知っていると思っていた。まだまだこの街は知らない面を持っている。
まずはきた東口から出て、歩道橋は渡らずに進む。
だいたい5分くらいで別の駅が見えてきた。
その名も神奈川駅! 京急電鉄の確定しか止まらない、小さな駅だ。
東京都の「東京駅」、京都府の「京都駅」などその都道府県の名を冠した駅は大きい傾向にあるのに、神奈川県の神奈川駅はこんな感じ。
たぶん、地元住民でも降りたことある人自体少ないと思う。私もはじめて近くまで行った。
目的の神社の最寄り駅は神奈川駅で、ここからは3分程度歩いた先にある。
横浜駅からは徒歩10分くらいで、大綱金刀比羅神社に到着
ここが洞窟のある神社、大綱金刀比羅神社だ。横浜駅の近くにこんな神社があったとは盲点だった……!
鳥居をくぐると青ののぼりがお出迎え。
神社ののぼり、普段は稲荷神社の赤ののぼりを圧倒的に目にする機会が多いと思う。こういうの。
なので、大綱金刀比羅神社のようにたくさんの紺ののぼりが翻る光景は新鮮に感じた。
のぼりも新しくきれいなものばかりだったし、地元の方々に愛されている神社なんだろうと思う。
階段を上がって左側に御社殿がある。御社殿の脇には、気になりすぎる天狗の彫刻があった。
一度見たら忘れないインパクト。歯までがっつり造形されているな……。
こちらでは大木に天狗の面容を施し、天狗を祀っているのだ。この地には、裏山にあった大木の松の木で大天狗が休んだという天狗伝説も残っている(天狗の腰掛松)。
天狗を祀っているのもそうだし、御灯明があったり、授与品に梵字の札があったところにも神仏習合を感じた。寺っぽさ。
社殿の前に何もない空間があるのが気になるけど、もともとここに本殿と拝殿があったそうだ。昭和60年に裏山が崩壊して本殿と拝殿を失ってから、神楽殿だった建物が現在の仮社殿となっている。
全く横浜駅チカで見られる光景に見えなくておもしろい。右側の池の中の洞窟には弁財天が祀られている。
晴れの日は池の飛び石をつたって洞窟の中まで近づくことができるぞ。
中にも入ることができるけど、水位が高くて怖気づいてしまった。足元まで鯉がきている。弁天池にはたくさんの鯉がいて、参拝客に愛想を振りまいていた。
ちなみにこの大綱金刀比羅神社、現在はこじんまりとしたお社だが、神社を創建したのは源頼朝だそうだ。歴史が古い……!
参拝した日には普段からこの神社が好きでよく参拝されるという方ともお話ができていい日だった。わかる。私も近所に住んでいたら通っていたかもしれない。
横浜市民も、それ以外の方も是非一度行ってみてほしい。知らない横浜が見られるから。