突撃する側の人柄が大切
今回、「突撃!隣の晩ごはん」を、突撃される視点でみるシミュレーションをしてみた結果、ただの不法侵入してくる泥棒のようになってしまった。
あらためて「突撃!隣の晩ごはん」は、ヨネスケ氏の人柄や、スタッフの心配りの上に成り立っているがゆえの長寿企画であったことがわかったのである。
というかヨネスケさん、ならびに番組関係者のみなさま、この度はどうもすみませんでした。
「突撃!隣の晩ごはん」を久しぶりにみたら、想像以上に突撃していて驚いた。
突然の訪問に驚いた住民が「なんですかー!」と言っても、ヨネスケ氏はまったく意に介さず「隣の晩ごはーん!」の一点張りで、あたかも捜査令状を持った刑事のように夕飯のレポートを続けていたのである。
これって突撃する側はいいが、突撃される側からみると怖いんじゃないだろうか?
実際のところはどうなのか、やってきたので報告します。
「突撃!隣の晩ごはん」とは、日本テレビ系で放送されていたワイドショー番組「ルックルックこんにちは」内で1985年から放送を開始したコーナーである。
コーナー名の書かれた巨大なしゃもじを持ったレポーターのヨネスケ氏が、日本各地の一般家庭の夕飯時に予告なしで訪問。各家庭ごとの夕飯のおかずや、一家団欒の様子を放送するという微笑ましい大人気企画だ。
その人気ゆえ、「ルックルックこんにちは」終了後も、2011年まで後継の情報番組内でこのコーナーだけは引き続き放送されていたのである。
また、今でもBS放送、ネット番組等で不定期に放送中の長寿企画であり、ご存知の方も多いはずだ。
その「突撃!隣の晩ごはん」を突撃される視点でみたらどうなるのかを確認するのが今回の趣旨である。
まずは隣の晩ごはんに欠かせない巨大なしゃもじを作るため、ホームセンター内にあるDIY工房にやってきた。木工作業限定だが、資材を買いさえすれば場所代も道具類のレンタルも無料なのが嬉しい。
隣の晩ごはんを突撃される視点でみるためにはどうすればいいか?
今回は、知人に頼んでレポーター役の私がお宅へ訪問する様子を、室内から撮影してもらうことにした。
まずは突撃する視点の映像がコチラ。
「えー私は今、新潟県の新潟市に来ています」などと言いながら歩く。
突撃する視点でみればなんということのない画像だが、これを室内から撮影すると…
住宅街に迷い込んだ弁当売りのようである。
私が隣の晩ごはんを実践すると、ヨネスケというよりもジャック・ニコルソンが憑依しシャイニングのようになってしまった。
ということは、スタンリー・キューブリックが、「映画版 突撃!隣の晩ごはん」を撮ったらこのような映像になるのかもしれない。撮らないだろうけど。
さてつぎは、インターフォンの場合を見てみよう。
ごらんのように突撃する視点で見ればなんということもないが、これを突撃される視点でみると…
普通なら居留守を使いたいところだが、このしゃもじを見せられると…
理由はわからないが「突撃!」の文字や番組名を突き付けられると日本中から自分が注目されているような気がして家に上げてしまうケースが多いのだろう。
ただの飾りと思っていた大きなしゃもじの効果は意外にも大きく、長年使い続けている意味がわかったのである。
さあいよいよ、これが初公開「突撃!隣の晩ごはん」が家に入り込んでくる際の映像だ!
なお、今回、突撃される視点の映像の撮影のため、自分の中にあるヨネスケを憑依させ、どう他人の家に突撃するのか考えながら実践してみた。
いかがだっただろうか?
実際のヨネスケ氏がこのような行動をしているかどうかは自身の目で確かめていただくとして、私が実践した隣の晩ごはんは訪問販売のフット・イン・ザ・ドア・テクニックになってしまったのである。
つづいては玄関以外のシーンを、突撃される視点でみてみよう。
同じくこちらも自分の中のヨネスケを憑依させての実践である。
まずは突撃する視点からみる縁側でのペットとのふれあい風景。
これも一見微笑ましいが…
お茶の間から見るとホラー映画に近いものがある。
縁側からも平気で侵入する。このしゃもじさえあればなんでも許されると思っている節がある。
ということで隣の晩ごはんに突撃される側は、まあまあな地獄であった。
今回、「突撃!隣の晩ごはん」を、突撃される視点でみるシミュレーションをしてみた結果、ただの不法侵入してくる泥棒のようになってしまった。
あらためて「突撃!隣の晩ごはん」は、ヨネスケ氏の人柄や、スタッフの心配りの上に成り立っているがゆえの長寿企画であったことがわかったのである。
というかヨネスケさん、ならびに番組関係者のみなさま、この度はどうもすみませんでした。
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