朝と夜のナッツ&フルーツ
これがその「朝と夜のナッツ&フルーツ」だ。
大袋に、朝が4袋、夜が3袋入っている。3泊4日のスケジュールなのが伝わるセットである。
神が光とやみを分けたように、ナッツとフルーツも、いま、朝と夜に分けられた。天地創造だ。
小袋には、朝用、夜用ときっぱりとは書かれず、「朝食べたい」「夜食べたい」 とある。どう朝なのか、夜なのかの本質は、「食べたさ」だったのだな。
皿にあけてみて、いわんとしていることはなるほどすぐに伝わった。
朝はドライフルーツにベリーが旺盛にセレクトされ、分かりやすくフレッシュだ。くるみはサラダに入れることが多いし、朝としての納得感が、たしかにある。
いっぽう、夜はドライフルーツがいちじくに代わる。なるほど、いちじくのドライフルーツにはワインと合わせるイメージがある。
ピスタチオも朝から食べたことはこれまで多分ない。酒場のナッツだ。
アーモンドだけが、朝と夜を通じ登用されていた。朝晩に限らず終日を守備範囲としているナッツということらしい。
どこのシフトにも入れる、バイトだったら助かるベテランだ。
夜を朝にする
さて、こうやって「朝食べる用でーす!」「こっちは夜用でーす!」と言われると、天邪鬼になりたい気持ちにかられるのは人間のさがだろう。
実はこの商品を買った際、同時にこんなものを見つけた。
ヨーグルトのお酒はリキュールではよく見かけるが、缶のサワーで、しかもこんなにヨーグルトを全面におしだしたパッケージのものはそれほど見かけない気がする。
中央だけ切りぬけば、ほとんどヨーグルトそのものだ。これをぜひ、今晩、朝用のナッツ&フルーツと一緒にいただきたい。
夜が来た。
ああ……これは朝だ。
ヨーグルトサワーはお菓子のヨーグレットの味。朝の味というよりもどちらかというと遠足の味かもしれない。しっかりヨーグルトヨーグルトしており、濃度的には商品名どおり濃厚だ。
飲みつつくるみをかじりながら「朝からちょっと重たいな」と思い「いや、いまは夜だ!」と打ち消した。
冗談でやってるつもりが、ちゃんと朝か夜かわからなくなっている。
ちゃんと夜が朝化した……。
お腹を濃厚なヨーグルトとナッツとドライフルーツで満たし、酔うというよりも本当だったらさあ今日がはじまるぞ! という気分だ。
本来はりきるところだが、あとは寝るのだから自律神経がばぐる。
満腹をかかえて寝ることにもなり、持て余したエネルギーのやりどころが若干不安な夜だった。
朝を夜にする
では、夜用のナッツ&フルーツを朝に食べるのはどうだろう。
パッケージにハイボールによく合うとある。ノンアルコールのハイボール風飲料を買ってきた。
以前ライターのスズキナオさんに教えてもらって以来たまに買う、本気でハイボールの味がするノンアルコールだ。
ノンアルコールにもかかわらず、お酒がかもす「まずみ」を忠実に再現したことでかなりしっかりお酒気分を味わわせてくれる、すごい飲み物なのだ。
ためしに、いつもの朝食の手前に置いてみる。
だめだ!!
一瞬でNGが出てしまった。これはだめだ。
朝なのに夜がはみだしている。夜に帰って!
プシュッとあけたとたんのハイボールのかおりはもちろんなのだけど、思った以上にピスタチオとあとマカデミアナッツが本当にちゃんと夜っぽい。
完全にバーやスナックの気配だ。わたしんちの朝なのに。
マカデミアナッツというとハワイのおみやげのチョコレートに入っているイメージだったが、ハワイであると同時に夜の予感もするものだったんだな。
今日の仕事に差し支えるような気がして一切酔わないにもかかわらず気が気ではない。
私は中高生の子どもふたりと同居しているため、悪影響や不安を与えてしまってはいけないと思い隠れるように飲んだのも、なんだか、朝にかくれて夜を行う気分だ。
まぎれもなく、ここには夜があった。
ナッツとドライフルーツに、朝と夜は宿り得る
ナッツとフルーツが、その種類により人に朝をもたらし、夜をもたらすことが分かった。
そういうものとして供されたからそう思うのはもちろんだけど、それにしても思った以上の仕事ぶりだと思う。
食べ物による朝らしさや夜らしさというのはそもそもある。それこそヨーグルトには圧倒的な朝らしさがあるし、焼き鳥とかもつ煮込みなんかは夜っぽい(というか、居酒屋っぽい?)。
そんな朝と夜の雰囲気が、ナッツのような私に無自覚なところにも発生していることは驚きであった。
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