すごい発想にありがとう
それがこちらの投稿だ。
炊飯器にお米といっしょに餅を入れて炊いてしまうという大胆な方法である。
私は料理があまり得意でなく、その不得手さというのは「食材の手配」にまで及ぶ。
そもそも料理が得意ではない、好きではない人というのは、総じて「手配」からして苦手な方が多いのではないか。
それはつまり、「もち米など買わない」ということだ。
おこわが食べたいと思っても、家にもち米がないし、買う気もない、それが料理下手の生きざまだ。
ところで、「クッキングもち」という餅を買いました
不思議だが、もち米を買わないいっぽうで、おもしろがってこんなものはつい買ってしまうのもまた料理をやる気のない人間のありさまである。
小さなさいころ型にカットされた餅だ。
餅を商うことは餅の形を工夫することそのものだということについては以前こちらの記事ででお伝えした。餅の形というのは餅業界で常々大変なことになっている。
今回入手した「クッキングもち」は、料理への使いやすさに特化した商品のようだ。
パッケージによると、お好み焼き、もんじゃ焼き、ピザ、オムレツなどに便利とある。
餅好きとして、「ここに餅を入れたいな」と思うメニューが手堅く並んでおり餅に対するすけべ心を見抜かれているようで照れる。
おわかりだろうか
つまり、この記事で語りたい物語はこうだ。
(1)おこわが食べたいけれど家にもち米などない
(2)にもかかわらず「クッキングもち」という独特の商品は買ってしまった
(3)細かく切って餅をご飯と一緒に炊くとおこわができる
この(1)~(3)の、完全なる当事者、主人公が私なんである。となればもう、
(4)餅を使ったおこわを炊こう
この(4)を発動させるしかないのだ。
動き出す物語、きみとぼくとで世界を救おう。
本当にできた
Xに掲載されたレシピによると、お米1.5合~2合に餅を1枚(いわゆる切り餅ひとつのことだろう)入れるといいようだ。
関東でよく売られる角型の切り餅はおおむねひとつ50gだそうだ。「クッキングもち」は、60gが2袋入っているから、10gの誤差はあるがこれひと袋にご飯2合でちょうど良いのではないか。
いつもうちで作る、ふつうのお米の炊き込みご飯に餅を入れてみよう。
なるほど、炊きあがりに表面に餅が溶けてまくをはった。こうなるのか。
混ぜて餅を全体になじませることでご飯がむっちりもっちりしていった。
たまに餅の部分がにーっと伸びるのが混ぜていておもしろい。
食べると、私はからくりを知ってしまっているからどうしても「餅をまぜて炊いたご飯」という気分が抜けなかったが、家族は素直におこわだと思ったようだ。おおお。
もうひと袋でおはぎも作る
おこわができてはっとしたのは、ただのお米に餅を混ぜて炊いて丸めてあんこでつつんだら、おはぎができるんじゃないか、ということだ。
立ち上がり粛々とやる。こういうときの手は早い。
できた。
普段おはぎを手作りすることはなく、食べるのはスーパーの総菜コーナーで売ってるようなやつが多い。
その手のおはぎは手づくり感はあるものの、それなりにご飯の部分をつぶしてある。ならって、炊きあがったあとに少し搗いても良かったのだけど、早く食べたくて一切搗かずにそのまま丸めた。
そうしたら、これが絶妙に親戚の家っぽいおはぎの味になったのだ。
ご飯粒が感じられつつももち米のむっちりした食感がある。もち米100%じゃなくて、うるち米(普通のお米)をわりと多めに混ぜて作るあのおはぎの感じだ。
えっ、好きな食感ではないか。すごい。
最終的に、思考が一回転しました
おこわとおはぎを作って食べた。餅によるおこわ炊飯術のおもしろく、越後製菓の「クッキングもち」は便利だった。
深く感じ入るとともに、私は強情をはらず、もち米を買い置いてもいいのではないかとも思うに至った、なんだか思考が一回転したいちにちでもあった。
こうして人生は続く。