つまり、麺の茹で具合を確かめるときのおいしさです
麺をゆでるとき、その茹で加減を食べて確かめる方は多いと思う。ちゅるっと1本つまんで口へ。
あら、おいしいわ。
茹で加減のことをすっかり忘れておいしさにうっとり。さらに、ゆであがったけれどソースやつゆの用意ができてない状態で待ちきれなくてついなにもつけずにそのまま食べてみたら美味しかった、そのまま麺の魅力に気付いたのはそんなときだ。
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フェチ食としてのご提案
とはいえ、麺というのはやはりつゆにつけたりかけたりして食べるものである。その歴史ある麺の食べ方の完成形にたてつこうというほどの大胆さはない。
今回はちょっと後ろめたい秘密の食べ方としてご提案させていただければと思うのです。
これまでデイリーポータルZでは、ライター高瀬さんが伸びきってふやけた麺のおいしさを、同じく安藤さんが湿ったお菓子に対する愛好を紹介してきた。先達の2本にこの記事も続きたい。
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「通」とは違う、ただの楽しみ
用意したのは8種類の麺。少しずつゆでたが8種類全部を盛ったら結構なボリュームになった。よしよし。
そういえば、通の人はよくつゆをつけずに麺を食べるなんて聞く。そばだけじゃなく、ラーメンのつけ麺やうどんも、好きな人はつゆをつける前に麺だけすすって味を確かめるそうだ。
一瞬、あれ、もしかして私がやろうとしていることは通気取りってことか? と慌てたのだが、通の人が味を確かめるためにそのまま麺を食べるのに対し、こちらの基本的なスタンスは「待ちきれないつまみ食い」だからずいぶん違う。
おっと、麺が伸びる前にでは、いよいよ そのまま麺の味わいの世界をご紹介していきましょう。
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どうしたどうした
突然部屋の明かりを消してすみません。
「ひみつの食べ方をこっそりお教えします」という雰囲気を出そうと思っての暗闇とろうそくの演出だったのだが、なんだか忍者屋敷に迷い込んだら麺だけ出されて食え! って言われてる、みたいな画になってしまった。
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せっかくだからこのまま試食は進めたが、戸を閉め切っているので部屋がむわっとするし、その上ろうそくの火は熱いしで何もいいことはなかった。
演出のことは忘れて、ふつうに食べ比べていきましょう。