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ひらめきの月曜日
 
何もつけずに食べる麺はとてもおいしい
なにもつけずに、そのまま!

ついに言った! 言ってやった! という気持ちだ。

何もつけずに食べる麺が好き。実はずっと言い出せずに心にしまっていた。

うどんも、スパゲティも、そうめんも、そばも、そのまま食べるとおいしいのだ。実は今までずっと、こっそりソースをかける前のスパゲティをつまみ、つゆにつけるふりをしてそうめんをそのまますすったりしていた。

何もつけない麺、名づけて「そのまま麺」。そのおいしさをこっそりご紹介します。

(text by 古賀及子



つまり、麺の茹で具合を確かめるときのおいしさです

麺をゆでるとき、その茹で加減を食べて確かめる方は多いと思う。ちゅるっと1本つまんで口へ。

あら、おいしいわ。

茹で加減のことをすっかり忘れておいしさにうっとり。さらに、ゆであがったけれどソースやつゆの用意ができてない状態で待ちきれなくてついなにもつけずにそのまま食べてみたら美味しかった、そのまま麺の魅力に気付いたのはそんなときだ。


何もつけずに食べるべく、麺各種を揃えました

フェチ食としてのご提案

とはいえ、麺というのはやはりつゆにつけたりかけたりして食べるものである。その歴史ある麺の食べ方の完成形にたてつこうというほどの大胆さはない。

今回はちょっと後ろめたい秘密の食べ方としてご提案させていただければと思うのです。

これまでデイリーポータルZでは、ライター高瀬さんが伸びきってふやけた麺のおいしさを、同じく安藤さんが湿ったお菓子に対する愛好を紹介してきた。

その2本に続く変わった食の趣味3部作の最後として飾りたいと思う。よくそういう食べ方を「悪食(あくじき)」といったりするが、ちょっと聞こえが悪いのであえて「フェチ食(ふぇちじき)」といってはどうだろう。ゴロが悪くて言いづらいけど、そこはひとつ。


麺各種をばらばらにならないように糸でまとめて 時間差で一緒にゆでちゃいます

そのまま麺、その可能性をさぐる

こっそりお伝えする 「そのまま麺」の世界。実はプレゼンターの私もその可能性はまだ完全に把握していない。

というのも、1食まるまる何もつけずに麺を食べたことは、さすがにないからだ。

今日は勇気をもって1皿まるまる何もつけずに麺を食べたい。


豪華8点盛り、できました

用意したのは8種類の麺。少しずつゆでたが8種類全部を盛ったら結構なボリュームになった。よしよし。

そういえば、通の人はよくつゆをつけずに麺を食べるなんて聞く。そばだけじゃなく、ラーメンのつけ麺やうどんも、好きな人はつゆをつける前に麺だけすすって味を確かめるそうだ。

一瞬、あれ、もしかして私がやろうとしていることは通気取りってことか? と慌てたのだが、通の人が味を確かめるためにそのまま麺を食べるのに対し、こちらの基本的なスタンスは「待ちきれないつまみ食い」だからずいぶん違う。

おっと、麺が伸びる前にでは、いよいよ そのまま麺の味わいの世界をご紹介していきましょう。


ようこそ、そのまま麺の世界へ

どうしたどうした

突然部屋の明かりを消してすみません。

「ひみつの食べ方をこっそりお教えします」という雰囲気を出そうと思っての暗闇とろうそくの演出だったのだが、なんだか忍者屋敷に迷い込んだら麺だけ出されて食え! って言われてる、みたいな画になってしまった。


なんだろうこの写真は

せっかくだからこのまま試食は進めたが、戸を閉め切っているので部屋がむわっとするし、その上ろうそくの火は熱いしで何もいいことはない。

ムーディーともいえる雰囲気ではあるが、食べているのはなにもつけない麺なのだ。なんだそれ。一生に一度あるかないかの経験ができたと思って納得した。

納得したところで各麺の味です。なお、麺の写真は暗闇だと判別が難しかったため、後で改めて太陽の下撮影した分かりやすい写真ですのでご安心ください。クリックで別ウィンドウが開きます。

そのまま麺のあじわいご紹介

おいしかった、が。

8種類、食べた。おいしかった。「何もつけなくても十分おいしい」というより「何もつけない麺が、おいしい」。

今まで何も考えずに食べておいしいと思っていたのだが、じっくり味わっていよいよそのおいしさに気付かされた。


うまい

が、ひとつ重大なことが分かったのだ。なんと、

そのまま麺を食べても、一向に食欲が満たされない

のだ。驚きだったので太字にしてお知らせした。満腹にはなる。お腹がいっぱいという体感はあるのだが、脳が満足しない。

一皿食べたきったあと、なんだかポッカリ心に穴があいたような気持ちになった。この「心にポッカリ穴」という表現はよく見かけるが、実際に感じたのは生まれて初めてかもしれない。心の穴にすきま風が通ってスースー感じた。本当に。

食べ終わって何も乗っていないお皿を見て、信じられない気持ちでキョロキョロしていた。


つまみ食いにぴったり

はっきりとしたことが分かった。そのまま麺を食べるのはおいしい。とてもおいしいけれど、主食にはならない。なぜなら、なんか物足りないから。よく考えてみればそのままのことだけれど、今回初めて分かった。

麺はやはりつゆをかけたりつけたりしてこそ食事になるのだ。

そのまま麺はつまみ食いだからこそおいしいのかもしれない。茹で加減を見たり、待ちきれずに茹で上がりをちょっとつまんだりしてそのまま食べる麺が好きだ、ということがよく分かった。やっぱり、胸を張っては言えないこれはフェチ食だ。

シメに冷凍うどんにすだちとしょうゆをかけて食べた


 
 
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