短い記事 2021年12月13日

ケツメイシを煮出して飲む

中華食材店に「ケツメイシ」が売っていた。

ケツメイシって、あの?

なにやらお腹によいらしく、買って煮出して飲んでみた。

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。花を売った金で酒を買っている。

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先日中華食材店に行ったら、こんなものを発見した。

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ハブ。

インパクトが強くて思わず手に取ってしまった。ハブというと、危険な蛇しか知らない。これはおそらく蛇ではない。ではなにか。

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パッケージには「台湾コーヒーと言われている。とても飲みやすいお茶です。」とあるが、お茶にしては見た目が妙だ。茶色い米のような粒々がみっしりと入っている。

そして右上の赤い文字をご覧いただきたい。

(決明子茶)

カッコでくくられているくらいだから、これが「ハブ」の正体だろう。中国食材店にあったものだし、馴染みのないハーブか、漢方のようなものと推察する。なんと読むのか調べたところ、見覚えのある文字列がヒットした。

「ケツメイシ」。

ケツメイシって、あの?筆者はそのアーティスト名を聞くやいなや、さくら舞い散る…と代表曲が脳内再生される世代だ。すぐHMV&BOOKS onlineのケツメイシのバイオグラフィーを開いたところ、

"ユニット名の由来は、豆科の植物でその種子が生薬で便秘薬としての作用があり 中国で古来より下剤などに使用されている薬草「ケツメイシ」より引用して ”全てを出しつくす”という意味と、 ”見えない神秘的な”という意味 で命名された。"

との記載があった。そうだったのか。この茶色い粒々のお茶が元ネタだったとは。

さておき、薬草の「ケツメイシ」について少し調べてみた。

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これはエビスグサ(決明)の種子で、漢方薬としては、腸のはたらきを促したり、目をスッキリさせたりする作用があるそうだ。

「ハブ」という名前で一般流通しているが、「ハブ草」とは実は別種らしい。ややこしいやつめ。
水で煮出すとお茶として楽しめるそうだから、早速飲んでみることにした。

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そのまま匂いをかぐと、うすいコーヒーの香りに近い。かなりスモーキーだが木炭から出る煙というより、タバコの煙のような印象だ。遠くにかりんとうのような甘さも感じる。

 

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ケツメイシ10gに対して、水を1リットル。沸騰したお湯にティーバッグに詰めたケツメイシを入れ、すぐ弱火にして5分ほど煮出す。  

 

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5分後、しっかりと色が出た。香りはほとんど麦茶だ。

 

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きれいな琥珀色のお茶になった。

味わってみると、クセはまったくない。麦茶より飲みやすいくらいだ。最後に一瞬だけコーヒーのような香ばしさが口の中に残るが、苦味もない。

なにか特徴を挙げるとするなら、飲んだ後にふわっと黒糖のような香りがすることと、どこか遠くに漢方っぽい薬臭さを感じる。だが気になるほどではなく、全体的に素朴で懐かしい味わいだ。おいしいじゃないか、ケツメイシ。

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ケツメイシを紹介するwebサイトによっては、10分以上煮出すと記載のあるものもあった。せっかくだからもう少し煮出してみよう。

 

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見た目にはあまり変化がない。味はいかがか。

あ!ちょっと苦くなっている。うっっっすいコーヒーくらいの苦味だ。さてはケツメイシ、煮出せば煮出すほどコーヒーに近づいていくな。
「煮出しすぎると成分が壊れて効果がなくなる」と紹介している方がいらしたため、今日はこのへんにしておいてやろう。

お腹を壊す可能性があるそうだから、飲みすぎには要注意だが、見かけたら買って味わってみてはいかがだろうか。

 

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