検証結果:筆者個人のおすすめは、毛玉取り機+安全カミソリ。
もちろん生地との相性や、それぞれの道具を使う技術によって結果は変わるはずだ。
筆者のUNIQLOのセーターについては、文明の利器で目立つ毛玉を取り除いたあと、気になる部分の毛羽立ちを安全カミソリで刈り取るのが良さそうである。
セーターの毛玉でお困りの方、ご参考になれば幸いである。
冬のセーター、気がつくと毛玉がすごいことになっている。
「毛玉の取り方」で検索し、出てきた方法の中から5つを選んで試してみた。
寒さが本格的になり始め、最近はセーターを着込んでいる。
とても気に入っているのだが、とある問題をそろそろ無視できなくなってきた。
毛玉っていったいどこからくるんだ。どんなに気をつけて手洗いをしても、いつの間にかわいている。夏場のコバエの次によくわく。
毎年悩む、毛玉どうやって処理するか問題。
多くの人が同じ問題を抱えているはずなのに、全員に周知されている最適解がないのはなぜなのか。そろそろ決着をつけるべきではないのか。
インターネットの情報をかき集め、有力と思えた5種を試すことにした。
今回検証するのは、先ほどご覧いただいたUNIQLO Uのニット。ウール90%、カシミア10%だ。
UNIQLOの公式HP、商品のお手入れ方法についての項目によると、ニットのお手入れ方法についてはこのように記載されている。
強い摩擦が発生する際や、カバンなどを肩にかけたり、リュックを背負う際には、毛羽立ちや毛玉が発生しますので、ご注意ください。
毛玉が発生した時は、小さなハサミや毛玉取り器で丁寧に取り除いてください。
前提として、ニットの表面に摩擦が生じる→毛羽立つ→さらに摩擦が加わる→雪だるまや綿あめのように丸められて毛玉になる、が毛玉発生のメカニズムだそうだ(つまり毛玉を100%避けて生きるためには、ニットを着たら微動だにしないようにするしかない)。
専用洗剤でのていねいな洗濯や、ニット対応の洋服ブラシでお手入れをすることである程度予防できるらしいが、長年着ていればいつかは毛玉ができる。そこでUNIQLOが公式に勧める毛玉取り法は、「小さなハサミ」や「毛玉取り器」だ。
大小はともかくとして、ハサミならばおおむねどこの家庭にもある。まずはここから試してみよう。
……。
めちゃくちゃ面倒くさい。
セーターが宇宙だとして、毛玉は星の数ほどある。ハサミで1つ1つ切るのは確実な対処だが、すでに全体に"まわ"っている毛玉を取り除くには時間がかかりすぎる。
一歩間違えたら布まで切ってしまうのではという緊張感がすごい。単純に毛玉とのサイズが見合ってない。
服の手入れをしようとして穴を開けてしまったら春まで落ち込むため、この日は8玉を切って中断した(毛玉の単位を"玉"とすることにした)。
手軽さ | ★★★★★ |
毛玉とれてる感 | ★★☆☆☆ |
スピード | ★☆☆☆☆ |
筆者の所感によるチャート
続いて、こちらもUNIQLO推奨の毛玉取り器。「器」というからにはアナログの毛玉取りが存在しているのか…?と調べたが、検索結果はほとんど電動のものだった。
うっすらと毛羽立ちは残るが、おおむね綺麗になる。生地の巻き込みが気になる方は、おしゃれ着モードを搭載した上位機種を購入するのがいいだろう。
ちなみに電動の毛玉取り機は100円ショップでも売られているらしいが、使用している知人に訊いたところ「取れる毛玉と取れない毛玉がある」とのことだった。
また、「毛玉取り機を使う前に、ローラー式の粘着テープ(通称:コロコロ)をかけておくと、毛玉が浮いてよく取れる」との情報も得た。
手軽さ | ★★★☆☆ |
毛玉とれてる感 | ★★★★☆ |
スピード | ★★★★★ |
手軽に毛玉が取れてうれしいが、執拗にかけると服本体を削りすぎてしまうとのこと。毛玉はかつてのニット生地なのだから、よく考えたら当然である。毛玉を取り続けたらいつか服自体がなくなってしまうのだろうか。
ここからはUNIQLOのおすすめとは関係なく、ネットの海で得た知見を筆者が試していくコーナーとなる。
毛玉を取る方法は、眉毛を剃るようにセーターの上を軽く撫でるだけ。生地を傷めないコツは、「ニットの編み目に沿って刃をすべらせること」と「極力優しく動かし、取れない場合は粘着テープで毛玉を浮かせること」だそうだ。
毛玉も取れるし、毛玉に進化する前のモヤっとした毛羽立ちも取れる。服自体が綺麗になった感がある。
難点としては、刃自体が小さいため、セーター全体の毛玉を取ろうとすると時間がかかること。
心配していた「生地を切ってしまうのでは」という問題は、生地を自分の皮膚を思って安全カミソリを扱うことで事なきを得た。さすが安全を謳っているだけのことはある。
手軽さ | ★★★★☆ |
毛玉とれてる感 | ★★★★★ |
スピード | ★★☆☆☆ |
とはいえ刃物なため、取り扱いにはくれぐれもご注意いただきたい。
まったく取れない。スポンジで衣類を撫でただけの謎の人になってしまった。
調べてみたところ、ザラザラの面が強いタイプのスポンジでないと取れないらしい。100円ショップで5個入りのスポンジじゃダメだったか。
毛玉は取れるが、毛羽立ちは増してしまったように思う。このフヤフヤの毛羽立ちたちが毛玉の赤ちゃんだとしたら、スポンジは赤ちゃんを量産してしまっていないか。(改めて調べたところ、やはり毛玉を絡め取って剥がすのは良くないという説があるらしい。)
綺麗に刈り取れる感は安全カミソリには及ばないし、筆者個人としてもあまりおすすめしない。
手軽さ | ★★★★☆ |
毛玉とれてる感 | ★☆☆☆☆ |
スピード | ★★☆☆☆ |
繊維がこまかくちぎれる感触、ちょっとゾワっとしてしまう。
たいへん恥ずかしい話だが、洋服ブラシというものをほとんど使ったことがない。高校時代のブレザーのホコリをとるのに、短い毛のエチケットブラシを持っていたくらいだ。
洋服ブラシの役割として、大きく「ホコリを取ること」と「繊維の流れを整える」ことがあるらしい。
繊維の流れってなんだ、気の流れみたいな話か、と今だにいぶかしんでいるが、調べていたら「毛玉取り専用ブラシ」なるものを発見したため、こちらを使ってみることにした。
そして毛玉はとれない。なぜ?筆者の技術の問題だろうか。
どうやら服との相性があるらしい。カシミアは柔らかい素材のため、通常のブラッシングでも柔らかいブラシを使うのが一般的だそうだ。
けっこう玄人向けのアイテムなのかもしれない。
手軽さ | ★★☆☆☆ |
毛玉とれてる感 | ★★★☆☆ |
スピード | ★★★☆☆ |
筆者の技術不足で使いこなしてやれず申し訳ない。そっとクローゼットの隅に立てかけた。
もちろん生地との相性や、それぞれの道具を使う技術によって結果は変わるはずだ。
筆者のUNIQLOのセーターについては、文明の利器で目立つ毛玉を取り除いたあと、気になる部分の毛羽立ちを安全カミソリで刈り取るのが良さそうである。
セーターの毛玉でお困りの方、ご参考になれば幸いである。
おすすめは毛玉とり器と安全カミソリの組み合わせ!
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