蟹の爪が乗っている、とは
それはいったいどういうことか。いやもうそのまま、こういうことだ。
![IMG_9607.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/5117/0831/3252/IMG_9607.jpg)
混んだ時間をさけようと、11時台に利用したエクセルシオールカフェはランチ利用らしきお客で混みはじめていた。続々と人がやってきては帰っていく。
![IMG_9615.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/8517/0831/3292/IMG_9615.jpg)
カウンターでオーダーすると、針金の先に札を挟むタイプのスタンドをトレイに立てて渡してくれた。札には番号が書いてあり、出来次第席まで運んでもらえるという。
待ち時間も少なく「蟹のトマトクリームパスタ」は運ばれてきた。
![IMG_9601.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/4417/0831/3224/IMG_9601.jpg)
メニュー写真で確認していたから分かっていたけど、ほんとうに蟹の爪が乗っている。
![IMG_9627.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/7217/0831/3076/IMG_9627.jpg)
豪華というよりおもしろい
単純にすごくおいしそう。と、同時に、とがる爪、つやめく殻を目の前にしてちょっと思ったのは、料理における蟹の爪ってどういうものなんだっけ……? ということだった。
これがスライスされたトリュフとか、散らされたキャビアであれば、即「豪華~!」という感情が引っ張り出されるはずなのだけど、蟹の爪! となると私のようにグルメと縁遠き者は一瞬、どう感嘆していいかわからないのだ。
![IMG_9606.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/9517/0831/3219/IMG_9606.jpg)
もちろん蟹料理はなかなか食べられるものではないから嬉しいことには間違いなく、けれどなんだかちょっと、豪華さにひれふすよりも「おもしろいな」と感じる気持ちが勝ってしまう。
今年食べたものの中でいちばんおいしい
でもって、食べればこれがむっちゃうまいのだから結果にっこりであった。
へたすると、短いながら2024年に入って食べたものでいちばんかもしれない。
![IMG_9604.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/8417/0831/3214/IMG_9604.jpg)
ソースは蟹みそのエキスとトマト、生クリームが使われているそうだ。抗えない魚介のうまみにクリーミーが合わさり、パスタにからみついて口まで難なくやってくる。
ちらされた蟹のほぐし身はじゅわっと肉感的で、食べ進んだところでしっかりめにパスタソースに混ぜ込むといっそう味わいが際立った。
はっとして見渡せばここはコーヒーチェーンで、隣の席のお客はホットコーヒーを飲みながらカヌレを食べている。
なんで私は蟹の爪を吸ってるんだ。
![IMG_9614.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/5317/0831/3299/IMG_9614.jpg)
爪部長、来年はどうする
この「蟹のトマトクリームパスタ」は、2022年の冬季限定メニューとして登場し、人気にこたえてこの2023~2024年冬にも再登場したのだそうだ。
気になるのは、再登場にあたり蟹の爪の有無についてそれなりに内部で意見が戦わされたのではないか……という点だ。だってやっぱ、蟹の爪をたくさん仕入れるってそれなりに大変なんじゃないかと思うのだ。
![IMG_9611.JPG](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/7217/0831/4302/IMG_9611.jpg)
この翌日も私はエクセルシオールカフェをおとずれたが、14時の時点で「蟹のトマトクリームパスタ」は売り切れだった。きっと今日の分の蟹の爪がなくなったんだろう。
おそらくエクセルシオールカフェ内部には蟹の爪の仕入れに関して自信を持つ、購買部の通称「爪部長」がいる。
ベテランである爪部長は辣腕をふるうが、それでもちゃんと毎週爪が入って来るか現場の若い社員たちはどうしても気を揉むわけだ。いっそ今期は爪はよしましょうと、若手を慮った中堅社員たちから上がる声も強まりをみせる。
それでもやっぱりエクセルシオールカフェは今年も果敢に爪に挑んだ。部長!
ぜんぶ妄想ではあるが、来冬はどうなるか。爪部長と部下たちの動きに注目したい。