うまいごはん屋、エクセルシオールカフェ
パスタもシチューもどちらも900円台だ。内容を考えると安いわけだけど、コーヒーをつけると会計としては1300円を超えてくるのだから豪華なコーヒーチェーン体験だと思う。
こうして経験してしまったからには、エクセルシオールカフェのことをこれから私はうまいごはん屋だとして目することになるだろう。
見る目がかわるとはまさにこのことだ。
今回取材にあたり「パスタメニューに蟹の爪が乗ってるやつがあるんっすよ!!」とウェブマスターの林さんに伝えたところ、林さんがもうひとつ「これもすごい」と教えてくれたのが、「モッツァレラチーズのビーフシチューライス」だった。
エクセルシオールカフェはメニューに「エクセごはん」と呼ばれるジャンルを設けている。
カフェでもしっかりご飯が食べたいという声にこたえたラインだそうだ(つまり内部には「爪部長」に加えて「ごはん部長」もいるということになろう)。
ご飯はいつだって食べたいからこれは本当にたすかる試みだが、「さあ、ごはんをやるぞ!」となって、そこにごちそうとして名高いビーフシチューをぶつけてくるのがおそれいる。
値段は950円。「蟹のトマトクリームパスタ」に続いて豪華メニューにチャレンジしても1000円を超えずにやるのがすごい。
正直を申し上げると私はビーフシチューに近しくない人生を歩んできた。子どもの頃に食べた記憶も、大人になって家で作ることも、外食で選ぶことも、ない。
それくらいビーフシチュー経験値が低い人間がビーフシチューを食べるとどうなるかというと、
「なんかクリスマスっぽい口になる」
のだ。
すごくちゃんと作ってあるビーフシチューなんだと思う。それで、私の体内のごちそうの記憶がかきあつめられ、「クリスマスだ!」という反応が出たんだろう。
スプーンですくうとしっかり肉々しくカットされた牛肉がごろごろ入っており、甘くて酸味もあるソースでしっかり煮込まれている(甘みの由来はイチジクだそうだ)。
威力を発揮するのはご飯とシチューの間にはさまれたモッツァレラチーズで、みょんみょん延びてまろやかにシチューにからんだ。
感想としては「まんが日本昔ばなし」のCV:常田富士男で
「うんめえ~」
でしかなかった。
この日は店を出てもそのまましばらく「まんが日本昔ばなし」みたいな口調が抜けずに困った。「エクセル~、シオール、カフェに~、いって~、来たんじゃ~」
こちらのビーフシチューも冬季限定のメニューだそうだ。
口がクリスマスになったのも、あながち見当違いでもないわけだ。
パスタもシチューもどちらも900円台だ。内容を考えると安いわけだけど、コーヒーをつけると会計としては1300円を超えてくるのだから豪華なコーヒーチェーン体験だと思う。
こうして経験してしまったからには、エクセルシオールカフェのことをこれから私はうまいごはん屋だとして目することになるだろう。
見る目がかわるとはまさにこのことだ。
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