廃棄予定のガチャマシーンがちょうど見つかるという奇跡
今回、カバーさせていただくT・斎藤さんの元記事では、お子さんのために購入したオモチャのガチャガチャマシーンを使い、カプセルの中に好きなおつまみを色々と入れ、「次は何が出るかな」と家飲みを楽しんでいる。
“オモチャのガチャガチャマシーン”とはいえ、機能的には本物とそん色なく、プラスチックのコインを投入すると直径5cmほどのカプセルが出てくる仕組みで、3000円ほどで購入したと文中にある。案外安いな。
記事をカバーさせていただくにあたり、私もそういったものを購入する必要があるな、と思っていたのだが、なんと、私がたまに店番をしている大阪のミニコミ専門書店「シカク」に廃棄予定のガチャガチャマシーンがあるということがわかったのだ。
100円硬貨を入れるとカプセルが出てくる本物のガチャガチャマシーン。たまにカプセルがうまく出てこないことがあったり、硬貨がたまる部分のカバーが閉じなくなったりと数カ所に不具合があるらしく、近々捨てるつもりだったとか。とはいえ、「まあまあちゃんと動く」とのこと。酒のつまみを入れさせてもらうのにこんなにちょうどいいガチャガチャマシーンがあるだろうか。
これ幸い、と、このガチャガチャマシーンを使わせてもらい、さらに休業日のシカクを会場としてお借りしてガチャガチャマシーン飲み会を開催することになった。ご協力ありがとうございます!
※ちなみに今回使用したガチャガチャマシーンは普段シカクで稼働してるガチャガチャマシーンとは別のもので、おつまみを入れたカプセルも使用後に廃棄しました。なのでシカクのガチャガチャマシーンで買い物する人は心配しないでください。
ガチャガチャマシーンの中身を用意する
飲み会参加メンバーとして、私のいつもの飲み仲間、シカク代表のたけしげみゆきさん、シカク常連客のヤマコさん、はやとさんに集まってもらった。私も含め、計4人の飲み会だ。
事前にみんなに主旨を説明してあり、ガチャガチャに入れたいおつまみを好きに用意してもらうように伝えてある。各自、色々と持ってきてくれているみたいだ。
私も事前にスーパーで買い出しを済ませ、ガチャガチャ飲みと相性のよさそうなつまみを色々用意してきた。
例えば「焼肉さん太郎」であれば、そのままカプセルに詰めるだけ。
「焼きタラコ」のようにそのままカプセルに入れられないものは、厳重にラップにくるんだ上でカプセルに詰める。
こうやってガチャガチャの中身を用意していくのが、すでに楽しい。なんせ今までガチャガチャを回したことはあっても、中身を作った経験はない。自分なりの当たりもあれば外れもあり、なんか「イヒヒ!」って気持ちになる。
できあがったカプセルをマシーンに入れる。せっかくなので台紙も用意してみた。
これで「酒のつまみ」のガチャガチャマシーンができあがった!あとは飲むだけだ。
神の意志によって選ばれるつまみ
さて、ジャンケンで決めた順番で実際にガチャガチャを回していこう。まずはヤマコさんから。
ヤマコ:自分で買ってきたシーチキンフレークが出ました!
スズキ:おつまみとして最高じゃないですか!
ヤマコ:うーん、いきなりシーチキンかぁ。ちょっと気分じゃないです。まだ早い。
スズキ:T・斎藤さんの元記事に「普段なら絶対このタイミングでは食べないもの」が出てくるって書いてありました。
はやと:何これ!やだ!何これ!スライム?
スズキ:あ、僕が入れたブルーベリーですね。
はやと:えー!つまみじゃないじゃないですか!何これ!スライム?
スズキ:いや、だからスライムじゃないですよ!怖がらなくて大丈夫です。
はやと:何これ!ゴムで縛ってあって、怖い!
スズキ:いや、ちょっと汁気が多いので、漏れないように厳重にと
たけしげ:一発目がこれっていうのはすごいですね
まったく思うままにならない。それが面白い
スズキ:どうですか?ブルーベリー
はやと:ブルーベリーですよ。本当に
ヤマコ:ブルーベリー、飲み物がチューハイだったらそこに入れる手もありましたね。
たけしげ:なるほど、そういうガチャをやっても面白いかもしれないですね。お酒に入れられるものばかりを用意しておいて。
スズキ:それも面白いですね。いや、1回まわしただけですでに楽しいなー。
たけしげ:想像以上に楽しいです。かなりワクワクしますね!
はやと:もう、何が出るか怖いですよー!
ヤマコ:でもそんなに変なものは入ってないんじゃないですか?僕は好きなものしか入れてないですよ。
ヤマコ:お!これはなんだろう?納豆?
たけしげ:あ!それ、沖縄みやげの「焼き大豆」ですよ!カレー味で美味しいおつまみなんです!
ヤマコ:嬉しい!食べてみたかったんですよ!
たけしげ:やった!当たりや!マグロや!
ヤマコ:しょうゆとわさび付き、フルセットじゃないですか!
はやと:普通に居酒屋のメニューじゃないですか!いいなー!
はやと:パインかよ……
スズキ:ははは
たけしげ:ブルーベリーの次がパイナップル!フルーティー!
スズキ:はやとさんが飲んでるのメロンサワーだし
ヤマコ:ナオさんの序盤のあんころ餅もなかなかですね。
たけしげ:同じ場なのに食べてるものが全然違う
ヤマコ:マグロからあんころ餅まで。いいなーマグロ
たけしげ:ちょっと食べます?
スズキ:そうだ。何も一人で食べることないんですよ!みんなで交換し合っていきましょう
回すたびに笑えるのがガチャガチャ飲みだ
さて、こんな風にガチャガチャを回しながら飲み続けたのだが、ずっと楽しいのである。
自制しないと誰に何が出たかを順番に全部書きたくなってしまいそうなので、印象的だった場面をかいつまんでお伝えしようと思う。
スズキ:なんだこれ、重い。なんだろう。
たけしげ:これ、私が昨日作って食べたのの残りです
はやと:ははは!手料理?
たけしげ:手料理です。
スズキ:面白い。手料理って本物のガチャには絶対に入ってないですもんね。違法って感じがする。これは、料理名はなんなんですか?
たけしげ:和風ジャーマンポテトですね。
スズキ:なるほど、ダシの味だけどジャーマンポテトの具材で、旨いな
ヤマコ:おっ!これは重いぞ。なんだ?
たけしげ:私の手料理です!おめでとうございます!
ナオ:ははは。また手料理!笑えますね。手料理をよく入れましたね。度胸がすごい
たけしげ:いや、美味しいんですよ
ヤマコ:いや、これは当たりですよ。嬉しいです
スズキ:やべー!自分で入れたやつだ。「ケーパース」。
はやと:なんですかそれ?
ヤマコ:サーモンのマリネとかについてくるやつですよね。植物じゃないですか?
スズキ:あー!あれか。ちょうどカプセルに入りそうだなと思って選んだんですよ!あー酸っぱい!美味しいけど、こんなにたくさん食べるものじゃないかも。200粒ぐらいある。
はやと:うわ!プチトマトだよー!
たけしげ:いいじゃないですか!
スズキ:味こそないが
はやと:僕こんなのばっかりじゃないですか!?パインとか
スズキ:素材ね。料理じゃなくて。
たけしげ:あ、これ、さっき食べたやつや。マグロに続いてツーペアです。誰かトレードしませんか?
スズキ:あ!じゃあ次に僕が何を出しても絶対トレードすることにしませんか?
ヤマコ:なんか悪い顔してますね。
ヤマコ:これは僕が入れた「カズチー」です。僕的には大当たりですよ!くんせい数の子がチーズに入ってるっていう、パリッコさんの記事で「ベッド・イン」のちゃんまいさんがプッシュしてたんです!
たけしげ:やったー!めっちゃおいしいこれ
スズキ:なんか悔しいな
スズキ:すごい怖い?なんですか?これ、ミイラみたいに厳重にくるまれてますよ。
ヤマコ:おめでとうございます!僕の鮒ずしです
スズキ:わー!鮒ずし!本当に情けないんですけど、僕、たぶん苦手なんですよ……
ヤマコ:滋賀の大津の朝市で買った、高級なものなんですよ。
スズキ:うちの父が大好きでよく食べてて、そこからくる匂いだけでちょっとダメなんですよ。
スズキ:いや、ガチャで出たのも何かの縁か。食べてみよう。
はやと:あれ、泣いてますか?
スズキ:あーだめだ。僕にはまだ早いです。あーこの香り
ヤマコ:日本酒とあわせると最高です。ラズウェル細木先生はこれのお茶漬けをお酒の締めに食べはるそうですよ
スズキ:そうなんですね……
ヤマコ:テンション下がってるじゃないですか
ついに終わりが見えてきた
スズキ:もうあと2周もないぐらいですね。
たけしげ:だいぶお腹いっぱいなので、軽めのものが出て欲しいところです。
ヤマコ:これ、僕が入れました!肉スルメですよ!並んで買うぐらいの、レアなおつまみなんですよ!
はやと:ビーフジャーキー的なやつ?
ヤマコ:神戸の長田のローカルフードで、そっちの方では角打ちで出たりするみたいです。
たけしげ:めっちゃおいしい!
スズキ:検索してみたら牛肉のカッパっていう部位みたいです
ヤマコ:これはおすすめです。たけしげさん、引きが強いなあ
はやと:ここでの駄菓子系、結構嬉しいです。
スズキ:思ったんですけど、ひょっとして中身が重いカプセルが先に出るのかな?最後に軽いのばっかり残ってませんか?
たけしげ:確かに。かき回されてるうちに重いのが下に行くのかな
スズキ:だとしたら、最後はきっと僕が入れたものが出るんじゃないか
たけしげ:出た!ミンティアだ
スズキ:やっぱりそうだ!
ヤマコ:お口直しのミンティア!
たけしげ:焼肉屋さんの帰りみたいですね。最後にちょうどいいです。
ヤマコ:テーブルに空のカプセルがいっぱいあるのがいいですね
たけしげ:今日は豪遊したなー!って
ヤマコ:増税関係ない勢い
はやと:僕、人生でこんなに連続でガチャガチャ回したことないです
スズキ:どうですか?楽しかったですか?
ヤマコ:めちゃめちゃいい企画でしたよ
たけしげ:楽しかったです!他の人が回してるのを見てるだけで楽しい。闇鍋にちかい感じもあって。飲み会のかたわらにこのマシーンがいつもあったらいいのに
スズキ:重い物が先に出がちっていうのは調整しなきゃいけないですね。
たけしげ:一個一個のカプセルの中身を調節した方がいいですね。
ヤマコ:あまりやり過ぎないで、一人4周ぐらいがちょうどいいのかもしれないです
はやと:っていうかー、ここにガチャガチャマシンがちょうどあったのがすごい
スズキ:本当に。シカクのおかげです。こんな恵まれた環境ないですよね。でも、結局、自分が食べたいのは一個も当たらなかった気がするなー。
はやと:普段食べないものばっかりでしたよ。ブルーベリーとかパインとか。
たけしげ:居酒屋で頼まないものですもんね。しかも最初にそれって
スズキ:居酒屋で「えーと、とりあえず生中と、ブルーベリーお願いします!」ってね。で、その次が「パインいただけますか?」
たけしげ:「ややこしい客来ちゃったなー!」って
T・斎藤さんが元記事に書いている通り、「これはひょっとして流行るんじゃないだろうか?」と思う。
ガチャガチャマシーンを用意する手間、カプセルにおつまみを入れる手間、というハードルはあるんだけど、それを乗り越えさえすればすごく楽しい。
今回は惣菜だとか刺身だとか、扱いが難しいものも多数入っていたけど、柿ピーとチーズとスルメと、みたいに、乾きものを中心にすれば立ち飲み屋のかたわらにあってもなんら不思議じゃない。お客さんも盛り上がりそうな気がする。
実際、シカク代表たけしげさんは、シカクで不定期に行われている飲み会イベントに「今度導入してみようかな、ちょっと検討してみます」と言っていた。これをきっかけに「ガチャガチャ飲み」の楽しさが広まったら嬉しい。