なんやかんやで疲れた
食べきった達成感とスマホを無くして探した疲労感を味わった1日だった。まだまだ食べられるぞという若さ、なくさないように鈴でもスマホにつけようかなという思い、普通に何事もなく食べられたのでアクシデントがあってよかったなという気持ちでいます。
年々、食べられなくなったと思うことがある。大盛りが有名なラーメン屋で「こんなにも頂けるのですか!?」と喜んでいたが、最近同じ量を見たとき「あれ、思っていた以上に多いな。食べきれるかな?」と思うことがあった。最近、多いなと思うことが多くなってきた気がする。今、自分がどのぐらい食べられるのか、今後の為に知っておきたい。
人間には年を重ねることで成長する部分もあるが、退化する部分もあると聞く。その一つが食欲だ。だんだんと食べられなくなると聞いた。じゃあ、ラーメンを食べたあとに寿司を食べるとかもできなくなるってことか。嫌じゃん。
しかし、現時点でも以前みたいに1キロの食べ物を食べることができなくなっている可能性がある。知りたい。自分の限界を知りたいのだ。
チャレンジメニューをみたとき「普通にならこういうのをやるのがいいんだろうな」と思った。2キロなんて多い日の洗濯物ぐらいある。
あとで店員さんに聞いたところ、このチャレンジメニューに挑戦する人は結構いるらしいが、ほとんどの人が失敗しているらしい。さすがチャレンジメニュー。
1キロ食べるつもりで来たが、本当に食べられるのか。700グラムで精一杯じゃないのか。
センベロでお酒を飲めるメニューもあるが、今日は肉だ。おれは肉を食べたいのだ。
スープを飲みつつ、ステーキの到着を待つ。今の自分に果たしてやれるのか。そう思いながら待っているとふと、頭に思い浮かぶ。今日、家の鍵を閉め忘れてきたかもしれないということを。
大きい肉なので時間がかかるかと思ったら、松屋で牛丼を頼んだときぐらいのスピードでやってきた。すぐにステーキを食べたい人にもおすすめのお店。
肉屋で売っている肉の塊をそのまま焼いたような大きさのポークステーキ。見た瞬間「無理なやつだな」と思った。やれるだけやってみよう。
世の中にこんな柔らかいお肉があるのか。そして、噛む度にあふれる肉汁のうまさ、だが油っこくなくどんどん食べられる。今まで食べたステーキの中でもかなり上位のうまさな気がする。おれ、ポークステーキが好きです!
胃が小さくなっている気がしたのだが、そんなことはないのかもしれない。あんなに大きく見えたキロマンジャロも砂場で作った山ぐらいの小ささに見える。そこで気づく。
死闘を書こうと思っていた。でも、そこには死闘はなく、あるのは普通の食事だった。いや、このポークステーキがおいしすぎるのが悪い。
うまい、うまいと食べ進める。一緒に食べに来た友人に「今、どのぐらい満腹ですか?」と聞かれたが「3割」と余裕で答える。そう言って次のお肉を口に入れた瞬間だった。
急だ。大切な人との出会いぐらい急にやってきた。ちゃんと説明すると、お腹はいっぱいではないのだが、なんか入っていかない状態である。友人にも伝えたら「それが満腹っていうんですよ」と言われた。初めて満腹を覚えた人みたいに言わないでほしい。
やれる、おれはやれるんだという強い気持ちで、最後のひとくちを運ぶ。長かった戦いよ、さらば。
食べきれないと思っていたが、まだまだ食べられる。おれはまだまだ食べられるんだ。そう思い、安心した気持ちでお店を出た。ありがとう、ポークステーキ。おれに自信をつけさせてくれて。
良かった。落ちていたと思った食欲はまだ衰えてなかったのだ。そうか、まだまだワシもやれるもんじゃなとアイスを食べながら帰っていた。途中トイレに寄り、駅へと向かった。そこで気づく、スマホがどこにもないじゃない。
何時ぐらいに家へ着くかなと思い、スマホで調べようとしたところポケットにスマホが入ってない。
お店を出て、アイスを買ってトイレを探すのにスマホを探したのは覚えている。
そこからどうだ、スマホを触ったか? 途中、レンタルできる電動キックボードを見たとき、予約しようとしてスマホを触った? どうだ、ねえどうなの?
パニックである。パニック過ぎて友人に「パニックです」と言った。
いや、おかしい。え、カバンの中に入れたかと思い、カバンの中を探したがどこにも見当たらない。
友人に鳴らしてもらったが全然聞こえない。もしかしてお前、どこかに落としてきたのか。
もしかしたら先ほどトイレに寄った公園にあるかもしれない。そう思って、友人に公園の場所を調べてもらうことにした。
友人「自分で調べたらいいじゃないですか」
江ノ島「いや、スマホないんすよ」
友人「あ、そうか」
この状況で煽られているのか。公園へ向かう。
あと、スマホをなくしたショックからかお腹がめちゃくちゃ痛いです。
公園へ早歩きで向かう。向かう途中、色々な話をしたが、追い詰められていたのか何も覚えてない。
だが、途中「あ、道を間違えてました」と言われたとき、追い詰められ過ぎて「なんで!」と大きめの声と言ったのは覚えている。ごめんな。
先ほどの公園が見えてきた。もう色々と限界である。歩くごとにタイムリミットがせまる。トイレに間に合ってくれ、そしてスマホよあってくれ。
食べきった達成感とスマホを無くして探した疲労感を味わった1日だった。まだまだ食べられるぞという若さ、なくさないように鈴でもスマホにつけようかなという思い、普通に何事もなく食べられたのでアクシデントがあってよかったなという気持ちでいます。
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