2024年12月、すべてのはじまり
そもそもずっとみんなで遊ぶことを考えるのは好きだったのだ。過去の記事を読み返しても、自分のボードゲームに対する確かな憧れが滲み出ている。


自分の中に渦巻くボードゲーム作り欲、そして今回のお誘い。参加するなら今だ、と手を挙げた。ボードゲームにうなされる日々の幕開けだった。
2025年1月、はじめてのテストプレイ、そう簡単にはいかないぞ
渋谷のステーキ屋で開かれたデイリーポータルZの新年会、たまたま今回のブースの参加メンバーがテーブルに固まった。ほりさん、まいしろさん、りばすとさん、そして自分。
それぞれの進捗の話になったところ、ほりさんはもう作りたいものがばっちり固まっているらしい。というか、固まったからみんなに声をかけたらしい。そうだったのか、なんて用意周到な人なんだ。
自分もなんとなく頭に思い描くゲームがあったので身振り手振り伝えると、面白そう!と背中を押していただけたので準備を本格的に進めることにする。よーし、やるかー!

1月末。ちょうど大人数でボードゲームをする機会があったので、そこでテストプレイをさせてもらえることになった。あー緊張する!
あのー、自分の作ったゲームを試してもらうのってすごく緊張するイベントですね。みんなが盛り上がっている中、そわそわと「こんなことを考えているのですが…」と未完成なものを差し出すことの緊張感といったら。

かいつまむと「イラストのカードに描かれたシーンやモノからこじつけてしりとりをするゲーム」。6人ほど場に招いて遊んだところ、確かに盛り上がるタイミングもあったけれど、結構プレイヤーの力量(センス)任せな部分があるな〜という課題が見えてきた。
それに、時計回りで順に答えていくのだけど、それなりにしりとりの回答が難しくて自分の番でアワアワする、まわりの待ち時間がどうしても発生する…というもたつきもどうにかしたいところ。

たぶんゲームのシステムをいじったりすればどうにかなるとは思う。
思うが…なんとなく、その調整に割く時間があるなら、全く違うゲームを改めて考えたいな、と感じたのがそのテストプレイの結果。
できれば何度も遊んで楽しめるようなものを作りたい!という自分の気持ちに気付かされたのだ。大丈夫、まだ時間はある。
このゲームも完全にボツにはせずいつかのために保留にしよう…
2月、多忙
デジタル数字をテーマにしたものが作りたいなぁと思った。「6」が反転すると「9」になったり、「2」をひっくり返すと「5」になったりするのってなんだかゲームになりそうだ。
例えば2人で向き合ったとして、6と9のカードがそれぞれで異なるカードに見えている状況っておもしろいな~と思い、それをテーマにしたものが作れないだろうかと考えてみる。
とはいえ年度末やら引越しやらでほぼ動けず、頭の中で考えるに留まる。1月は行く、2月は逃げる。果たして3月は…
3月、テストプレイの日々と雲行きのあやしさ
デジタル数字を使ったゲームの名前は「ゴ・ジュー・ジューゴ」。
結論から言うと、このゲームの設計にかなりの時間を費やした挙句、最終的には頓挫することになる。
※もしゲームが気になる!という方は、記事の最終ページに詳細説明を書いたのでよかったらお読みください。

会う人会う人を巻き込んでテストプレイを行う。
ざっくり説明すると”1列に並んだ数字の合計を「5」「10」「15」にすることを目指す2人対戦のゲーム”である。

なかでも、ボードゲームを数多くプレイしてきた経験者の方々に集まっていただいた回の存在は大きく、課題や具体的な改善策をたくさん洗い出すことができた。

「デジタル数字に着目したのはおもしろいと思う、あまり他のボードゲームで見たことのないルール」という言葉を何人かに寄せていただいて励みになる。うんうんとひとりで悩みながらも進める原動力になる。

ただ、「あまり見ないシステム」というのは、裏を返すと"参考になるゲームが少ない”ということ。何か近いシステムのものが存在すれば、それを参考に、もしくはそこからの差別化を図りながら仕組みを考えることができるのだけど、その手繰り寄せる綱がないことの心細さよ。
(もちろん、自分が探せなかっただけで近いものはすでにあるのかもしれません ※ご存じの方いらっしゃったら優しく教えてください)

「そもそもこれを突き詰めることでゲームとして成り立つのだろうか」「ちゃんと面白いんだろうか」という、正解の見えない夜道を手探りでよたよたと歩く日々。これは深い沼にハマった、と気づく。もう足は7割くらい埋まっている。