特集 2025年5月14日

函館のミスドは地元パン屋のおかげで安い

函館には日本一安いと言われるミスタードーナツがある

函館といえば、世界三大夜景のひとつとも称される函館山からの夜景や五稜郭など、多くの名所を抱える観光都市だ。

そんな函館に来たらぜひ立ち寄ってほしいお店がある。ミスタードーナツだ。そう、あのミスタードーナツ。言わずと知れた全国チェーンだが、なんと函館のミスタードーナツは他のお店に比べてドーナツが安いのだ。

1992年東京生まれ。普段は商品についてくるオマケとかを考えている会社員。好きな食べ物はちくわです。最近子どもが生まれたので「人間ってすごい」と本気で感じています。(動画インタビュー)

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定番ドーナツが安い!

函館市内には現在4店舗のミスタードーナツがあるが、いずれの店舗でもお手頃価格でドーナツを楽しむことができる。

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五稜郭駅近くの亀田本町ショップに来ました!

店内が撮影禁止だったので今回はテイクアウトでドーナツを購入したが、ミスドはコーヒー・カフェオレが飲み放題なのでイートインすると永遠に居てしまう。旅先で立ち寄るならテイクアウトが正解かもしれない。ミスドのイートインは観光をさせてくれない。

見せてやるよ…函館市のミスタードーナツの本気を!

さっそく函館価格を確認していこう。標準価格よりも安価に販売されているのは定番商品のうちの一部の商品だ。特に安さが際立っているのがいぶし銀の大定番、オールドファッションである。

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オールドファッションは標準価格172円に対して函館価格118円(以降全て、ミスド商品は税込テイクアウト価格で記載)

標準価格に比べて30%以上も安い。都内で3個買う値段で、函館では4個買ってもお釣りがくる。毎日が特売デーだ。これは嬉しい。

チョコファッションは函館価格で129円、オールドファッションハニーも函館価格で140円(標準価格はいずれも183円)とオールドファッションシリーズはいずれも安価なので、函館ミスタードーナツにきたらオールドファッションと覚えておいてほしい。

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フレンチクルーラーも負けてはいない。

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フレンチクルーラーは標準価格172円に対して函館価格129円!
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仲間のエンゼルフレンチは標準価格183円に対して函館価格140円!

フレンチクルーラーは標準価格と比べて43円も安い。こちらもかなりお得だ。ダウンタウンの浜ちゃんじゃなくても涙を流してしまう。

Googleの口コミをみると1年くらい前にはオールドファッションが86円、フレンチクルーラーが97円とさらに安い価格で提供されていて驚くが、近年の物価高による値上がりは致し方ない。そもそも通常のミスドのドーナツだってコスパが良いので、そこからさらに安いとなると函館ミスドを運営する企業の努力は計り知れないだろう。

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チョコレートも標準価格172円に対して函館価格129円!

期間限定商品やポンデリングシリーズ、パイ系など標準価格と変わらない商品もあるが、定番商品の多くが安い函館のミスド恐るべきである。函館山に上って夜景を見ている場合ではない、函館に来たらドーナツを食べよう。

代表的な商品を表にまとめておきました。
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安さの秘密は地元パン屋のおかげ

さて、気になるのはなぜ函館のミスドはこんなにも安い価格でドーナツが提供できるのか、である。

実は函館のミスドは4店舗とも、昭和4年に函館で営業を始めたパン屋「キングベーク」によって運営されている。キングベーク二代目社長の石館とみはミスタードーナツの運営会社であるダスキンの創業者、鈴木清一と異業種交流会をきっかけに親交を深め、1978年にミスタードーナツ北海道第一号店となる五稜郭店をオープンする。

その際テスト的に他よりも安価な価格で商品提供を開始したが、テスト期間後も地元の方に安価にドーナツを楽しんでもらいたいという思いからキングベークがダスキンに直談判、それが実り今でも他の店舗に比べて安価に商品を提供できているのだ。なんて良い話だ。映画化して「全函が泣いた」とキャッチコピーを付けたい。

真ん中上の写真がやり手社長の石館とみ(ピープス函館,函館をめぐる冒険, CEメディアハウス,2016)

さらにキングベークはそれだけではない。なんとダスキンとの合弁会社「エバーフレッシュ函館」を設立し国内や東南アジアなど1,300店舗以上のミスタードーナツで使用されるパイの全てを製造している。

やはりこういう背景があって低価格が実現できているのだろう。 現在も低価格を継続するための企業努力は間違いなくしているはずだが、努力と成功の長年の積み重ねがあってこその低価格なのだ。

このパン屋が日本中のミスドのパイを作ることになるとは…(引用は同上)

⏩ キングベーク、ただ者ではないパン屋だった

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