特集 2019年3月11日

実在した幻の「毎朝新聞」を読んでみたい

毎朝新聞は徳島に存在した

よく、映画やドラマ、マンガの中の架空の新聞社として「毎朝新聞」というのが出てくる。

おそらく、毎日新聞と朝日新聞を合体させて創り出された想像上の新聞のことで「現実に存在しない」ということが重要である。実在しない新聞社だからこそ、さまざまな作品で使われている。

しかし、毎朝新聞は徳島に実在していた。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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日本でいちばん有名な架空の新聞

毎朝新聞は、具体的にどんなところに出てくるのだろうか。

ドラえもんなんかにもちょくちょく出とるだろ。とおもって家にあるてんとう虫コミックス版ドラえもん全45巻をざっとみてみたところ、明確に出ていたのは1つしかなかった。

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「週刊特ダネ」と「毎朝新聞」は架空っぽいけど、「日の丸不動産」は実在しそう。(藤子・F・不二雄『ドラえもん 23巻』小学館・131ページ「異説クラブメンバーズバッジ」より)

のび太たちが作った地底人の国をスネ夫がマスコミにバラそうとするシーンで取材にやってくる新聞社の名前が「毎朝新聞」だ。

毎朝新聞について調べていると『古畑任三郎』の劇中で登場したという情報も出てくる。

これは、『古畑任三郎』第2シーズンで放送された、唐沢寿明演ずるクイズ王と古畑任三郎が対決するエピソードで、毎朝新聞が「ドラマや映画でよく使われる架空の新聞社である」というお約束自体が謎解きのキーとして使われたものだ。

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ドラマの中の毎朝新聞(『古畑任三郎』VSクイズ王より)

他にも『ゴジラ』(1954年)や、『サザエさん』などでも登場しているらしい(各自ご確認ください)。

このように毎朝新聞は、架空の新聞社の中では、複数の作品をまたいで登場しており、かなりのシェアを誇る大新聞社といえる。

ところがである。

この「実際には存在しない」というお約束をぶち破る事実が判明する。どうやら徳島には毎朝新聞という新聞が実在するらしいのだ。

Wikipediaの『毎朝新聞』の項目にはこう書かれている。

徳島県徳島市に所在する毎朝新聞社(まいちょうしんぶんしゃ)が発行している新聞。現在は廃刊。

 

これは気になる。

実在する毎朝新聞。現在は廃刊されているというが、いつまで発行していたのか? フィクションの世界では朝日、読売、毎日に匹敵するほどの大新聞社だが、実際の毎朝新聞はどんな内容だったのか。この目でみたい、読みたい。

地方で発行していた新聞は、その県の図書館に行けば、大抵は保存してあったりするものだ。

というわけで、徳島に向かった。

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徳島にやってきた(サイバーパンクすぎる阿波おどり)
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地元の人も知らない「毎朝新聞」

毎朝新聞を求め、まずは駅前すぐ近くにあった徳島市立図書館に向かう。

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ショッピングセンターの中にある徳島市立図書館

図書館に行けば、たいていの新聞はある。とくに、地元で発行している新聞は、とりそろえているはずだ。

徳島市立図書館の司書のお姉さんに毎朝新聞があるか聞いてみる。

「まいちょうしんぶん、はい、ございますよ」と、快活に答える司書のお姉さんは、現在発行されている新聞が開架されている新聞コーナーにぼくを案内すると「こちらにあるとおもいます」という。

廃刊されたんじゃなかったのかと思いつつ「毎朝新聞って今でも発行されているのですか?」と聞くと「え、毎日新聞じゃないんですか?」と、かんちがいしていたらしい。

もう一度「毎朝新聞」だと念を押すと、調べ直してくれ、市立図書館には保存されてないが、徳島県立図書館には保存されているものがあるということがわかった。

ちなみに、司書のお姉さんに「毎朝新聞」を読んだことありますか? と聞いたところ、記憶にないですね……とのことだった。だいじょうぶか、毎朝新聞。だいじょうぶじゃないから廃刊になってしまったのかもしれないけれども。

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ついに幻の毎朝新聞と対面

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広くてでかくてきれいでおしゃれだけど山奥にある県立図書館

徳島県立図書館は、市内から少し離れた山の中にある。

司書のおじさんに、毎朝新聞を読みたいというと、主な新聞は、デジタルデータ化されているので、閲覧の申込書を書けと言われる。

さすが県立図書館、毎朝新聞みたいな廃刊された新聞もデジタルデータで保存してるのかと申込書を書いていると、データのリストに毎朝新聞が無いという。

今一度「毎朝新聞」ですよ。と念を押すと、やっぱりここの司書のおじさんも毎日新聞とかんちがいしていた。

はたして、毎朝新聞はデータ化されておらず、1978年3月から2008年3月まで、半年分ごとに冊子状に製本された状態で保存されていた。

とりあえず、1978年の最初の半年分と、2007年〜2008年の半年分、つまり最初と最後のの2冊を借りて読んでみた。

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1978年3月1日の毎朝新聞

保存されている毎朝新聞の一番最初のものは1978年3月1日付。この頃の毎朝新聞は、ブランケット判の4ページで、1面が政治、社会面、2面、3面の見開きが趣味、娯楽情報、4面がラテ欄という構成になっている。

1面トップは、中学校の指名入札に関する疑惑についてと、徳島県議会の揉め事について報道しているが、ここで注目したいのはその横にある「朝刊紙発刊について」という記事だ。

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夕刊紙から朝刊紙に心機一転したらしい

もともと「毎夕新聞」という夕刊紙だった新聞が、朝刊のみの朝刊紙として、題名も「毎朝新聞」と改題してこの日(1978年3月1日)からスタートしますよ。というお知らせである。

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いろいろあったんだろうなぁ〜

内容としては「これからがんばります」という決意表明だが、何があったのかはよくわからないけれど「努力は必ず報われる」「ほのぼのとした希望が湧き上がる」「厳しい試練が前途に待ち受ける」「後には引けません!」 などと全体的に悲壮感がただよっており、ちょっと感動的ですらある。

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抜けきらない夕刊紙のクセ

1面で悲壮感ただよう感動的な決意表明をする毎朝新聞だが、2、3面の見開きをみてみると「大人のお色気発散 志摩いづみ」(ママ)、「ポルノ閲覧室 締まり悪く“砂漠”に」、「案外地味な“夜の生活” 徳島ホスちゃんの情事」などと、ふざけた見出しの記事が満載されている。

朝刊紙になったとはいうものの、中身はまだ夕刊紙のクセがまったく抜けてない。

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むかしはホステスのことを「ホスちゃん」と言っていたのか
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ホステスの情事についての記事の横に、生活感あふれるほうれん草の記事が。食欲と性欲、人間の生きる力、パワーを感じる

徳島のホステスの性生活についての詳細な記事の横には旬のほうれん草についてである。暮しの手帖と日刊ゲンダイが同居している。

この夕刊紙のクセはその後もしばらく続く。

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タイトルだけでお腹いっぱいになるな

見出しの「タジタジ」とか「ナニするの」みたいな言い回しの古さも味わい深いが、リード文がすごい。ちょっと抜き出すと。

「この不況下、小遣いを減らされ青息吐息のトウちゃん族をシリ目に女どもときたらアレコレ、口実を作ってはヒル日中から婦人科通い……」

エンジン全開だ。

時代錯誤な内容はさて置き、文章のリズム感がすごい。トランポリンの上に乗ってるような弾けた文章だ。しかし、悲しいかな、記事の内容は下ネタである。

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事件が細かすぎる

ところで、毎朝新聞の徳島県内での位置づけはどんな物だったのだろうか。

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ピカピカの新社屋、今はもうないが

1978年5月9日の紙面をみると、毎朝新聞が新社屋で業務を開始したという記事がある。これによると、自称「第二の県紙」と名乗っている。

徳島県の県紙(その県を代表する新聞)は、徳島新聞だ。それに続く第二の県紙である。

県紙というのは、たいていその県で広く読まれている新聞だが、実際、毎朝新聞がどれほど読まれていたのかはよくわからない。

しかし、載ってる記事をよく読むと、県紙なのかな? と思ってしまうものもちょくちょくある。

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ほのぼのがすぎるぞ

フェップナーさん家族ってだれだろう。というか、この記事はようするに、外国人観光客が、ラジオ体操に飛び入り参加した……というだけの記事じゃないか。新聞の記事なの? という疑問と同時にほのぼのがすぎるぞ。というおもいがわく。

いや、こういう記事も、網羅するというところが第二の県紙たる所以ではないだろうか。徳島新聞の取りこぼした特ダネをあまねく載せる。そういうことだ。そうだ、たぶんそうだ。

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盗みに失敗。

事件が細かいな。とおもって内容をよく読んでみると、盗もうとしたラジオカセットレコーダーは14万円もするらしい。14万円のラジカセ。1台でそれぐらいしてたのだろうか?

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脱力する4コマ漫画がすごい

1984年あたりの紙面をみていると、4コマ漫画が掲載されているのを発見した。1978年の紙面にはなかったのに、なんの風の吹き回しか、突如4コマ漫画の連載がスタートしている。タイトルは「とくさん」。作者はちかいずみ賢一。

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思いやり、重い槍。こういうギャグ、きいたことある!

思いやりと重い槍。どこかでみたことある定番のダジャレだが、こうやって4コマ漫画で見せられると、なにもそこまで。という気持ちになってしまう。

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なぜ?

風呂敷包みを見つけるとくさん。中身の想像がいきなり1億円である。それは置いておくにしても、実際に入っていた中身がコブラ。「面白い」のまえに「なぜ」が先立ってしまう独特の雰囲気があり、たまらない。

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飛行と非行をかけたギャグ

非行と飛行をかけたギャグである。オチのコマの唐突さがすごい。リリエンタールみたいなことをしてまで飛行と非行のダジャレをやりたいのか。「いかんのかなあ??」のセリフもよい。

この4コマ漫画、数ヶ月で連載終了となってしまっている。

作者の、ちかいずみ賢一氏は今どこでなにをしているのだろうか。ネットで検索しても、そのような漫画家はヒットしない。ちかいずみ氏の消息は不明である。

※毎朝新聞で連載されていた「とくさん」は、池田町(現・三好市)の広報誌に連載されていた「いけだくん」を名前だけ変えたもので、ちかいずみ賢一氏は、現在も三好市の広報誌「市報みよし」で4コマ漫画「みよしくん」を連載中です。という情報が寄せられました。ありがとうございます!(2019年3月11日追記)

ブランケット判1枚の2ページに変化

毎朝新聞は、上で述べたように1978年からブランケット判4ページの新聞だったが、1984年から、ブランケット判2ページに減ページしてしまう。

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1984年8月1日、ページ数減りました

2ページということは、表と裏しか無い1枚の新聞紙ということになる。

明治時代や戦争中の新聞は、2ページの新聞もけっこうあったとはずだが、最近の新聞で2ページはなかなかない。

この時期になると、大人向けの娯楽情報はずいぶん減ってきている。

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ミニスカートが流行っているという記事も男目線

とはいえ、ミニスカートが流行しているという記事では「目の保養」とか「男にうれしい春」といった、今ならポリコレ棒で袋叩きにされかねない感じの夕刊紙っぽい地がうっかり出てきてしまうこともあったようだ。

晩年は不思議な記事が多い

徳島県立図書館に保存されている、いちばん最新の毎朝新聞は、2008年3月31日付のものだ。その頃の毎朝新聞を見てみると、なぜこの話題が? という記事がポツポツある。

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急に東京の地下鉄路線紹介

なんの前触れもなく、急に東京の地下鉄を紹介する記事が載っていたりする。

地下鉄の駅数、乗り入れ路線をひたすら列挙するだけの記事だ。なぜこの記事がここに載ってるのか、まったく意図がわからない。

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日本の人口を報じる記事

人口統計が発表されたことを報じる記事なのだが、記事はいいとして、埋草に使われている写真がすごい。画角を本文のサイズに無理やりあわせているので、若干歪んでいるし、画質が荒い。いいのだろうか?

このように、このころの毎朝新聞には、ちょっと不思議な記事が多い。

昔のエロい記事のほうが、まだ人の血が通っている感じがしたのだが、どうしちゃったのか。

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新聞の発行を休むとかアリなんだ

2007年12月18日の紙面には、前日の新聞を休みましたという記事が載っている。製作機が不調で新聞が印刷できなかったようだ。だいじょうぶか。

ちょっとエッチでおちゃめだった毎朝新聞、ページ数が減るうちにだんだん真顔になってしまい、最近に至っては、ようすがおかしい記事が載るし、機械も不調だという。

1978年の再出発から、いろんな記事を追って読んでいるうちに、かなり感情移入してしまっており、もはや毎朝新聞のことが心配になってきている。

そして、最後の新聞。2008年3月31日付け。

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徳島県立図書館にある、最後の毎朝新聞

特に変わった様子もなく、普通の内容だ。

しかし、これ以降、徳島県立図書館には、毎朝新聞は保存されていない。図書館でも、なぜここで保存が終わっているのかは不明だという。

毎朝新聞はいったいどうなったのか。

現地に見に行く

毎朝新聞は、2008年3月31日で廃刊になったのか。どうなのか。

新聞に書かれていた毎朝新聞社の電話番号に電話をかけてみたものの、現在使われておりません。と案内されてしまった。

せっかく現地の徳島市にきているので、毎朝新聞の本社があったとされる徳島市内の場所に行ってみた。

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毎朝新聞があったとされる場所付近

毎朝新聞があったとされる場所には民家が建っていた。

住民の方に話を聞いてみたところ、引っ越してくる前には、新聞社があった。ということは伝え聞いているけれど、それ以上のことはわからないという。

毎朝新聞社のあった頃から住んでいた別の住人の方も、毎朝新聞があったのは知っているけれど、まったく付き合いがなかったので、具体的にいつまでそこに新聞社があったのかは覚えてないという。

最後の手段として、当時の毎朝新聞に広告を出稿していた中華料理屋に電話して、話をきいてみた。

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中華料理屋さんの広告

中華料理屋のおばちゃんによると。

●たしかにそんな新聞があったのは覚えているけれど、読んだことはない。

●広告を出稿していたことは覚えてない。

●おそらく、子供が同級生で知り合いだったので、それで出稿していたのではないか?

●今はもう連絡先がわからない。

●いつまで発行していたのかもわからない。

以上である。

毎朝新聞については、ほぼなにも覚えてない。とのことであったが、子供同士が同級生ということは、家族経営に近い、ごく小さい規模の新聞社だったのだろうか?

実は国会図書館にも保存されていた

わざわざ徳島まででかけていったおかげで、毎朝新聞の本物を読むことができた。ただ、さらに詳しい調査を続けたかったものの、時間切れで東京に帰ってきた。

帰京してからネットで情報を収集していると、実は国立国会図書館にも毎朝新聞が収蔵されているという情報をつかんだ。

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国会図書館にも毎朝新聞はあった

わざわざ徳島まで出かけていったのに……となったが、国会図書館にあるものは比較的最近のものしかなく、1978年ごろのものはやはり徳島県立図書館にしかないようだ。

そのかわり、国会図書館の毎朝新聞は、2008年8月14日までのものがあるという。ということは、毎朝新聞は2008年3月31日で廃刊になったわけではなかった。

早速、国会図書館に出かけて2008年8月14日の新聞をコピーしてみて、驚愕の事実が判明する。

新聞の判型が、タブロイド判になっていたのだ。

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タブロイド判になっていた毎朝新聞

タブロイド判とは、夕刊フジや日刊ゲンダイといったいわゆる夕刊紙と同じサイズということだ。ようするにブランケット判をそのまま半分に折って4ページの新聞にしているというわけだ。タブロイド判になったのは2008年5月8日から。

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やけに明るい挨拶

紙面がタブロイド判になったことを知らせる記事は、冒頭から「読者諸兄! 連休は如何に過ごされたでしょうか。5月8日、本日付紙面よりコンパクトにまとめた本紙をお届けします。」とみょうに明るく振る舞っている。

減ページ、減サイズでついにタブロイド判になった毎朝新聞。もう、エロい冗談なんかいう余裕はない、満身創痍だ。(ぼくにはそうみえる)

そして、国会図書館に収蔵されている最後の毎朝新聞、2008年8月14日付けの紙面はこちらだ。

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阿波おどりの特集

徳島県民のソウルフェスティバル、阿波おどりの特集が組まれており、新聞が廃刊になるようなそぶりはまったくない。

わたしたちが見かけた毎朝新聞は、これが最後である。その後の消息は杳として知れない。


情報求む

徳島に実在した「毎朝新聞」を追いかけたあらましは以上だ。

結局、毎朝新聞がいつまで発行されていたのかについては、いまだにわからない。2008年8月14日以降の毎朝新聞は、行方不明のままだ。

いったい、毎朝新聞はどこに行ってしまったのだろうか……。

※記事中で引用した新聞で、特筆されてないものはすべて『毎朝新聞』です。

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