小屋っぽいバス停
沖縄っぽい形状とはなにか。早速見て頂こう。まずは小屋っぽいやつ。

こちらは西原町にある「西原入り口」バス停。赤瓦でどことなく、守礼門のような佇まいとなっている。

屋根の上にはもちろんシーサー。ただのバス停なのだが、沖縄っぽさが凝縮されている。
「玉城(たまき)」バス停
こちらも赤瓦+シーサーだけど、柱が1本のタイプ。よく見ると椅子も丸太を模しており。東屋的なものと沖縄的なものが融合したデザイン。力強い。
「親慶原(おやけばる)」バス停
こちらは柱が2本バージョン。屋根は赤瓦ではなく茅葺き屋根っぽい。
「斎場御嶽入口」バス停
こちらは世界遺産、斎場御嶽のバス停。有名な観光地なのでバスを利用する人も多いのか待合所も大きく、ちょっとした屋敷みたいになっている。
コンクリート作りのバス停
続いてはコンクリ作りのバス停。
沖縄は台風が多いので家もコンクリートで作られた住宅が多いが、バス停だって同じである。
「琉大入口」バス停
高速道路にあるバス停。どんな暴風雨にもビクともしなさそうな頑丈な箱の上にずっしりとした赤瓦がのっている。

側面が花ブロック(穴あきブロック)になっているのも沖縄っぽい。
「今帰仁城入口」バス停
世界遺産・今帰仁城跡のバス停。
屋根は綺麗な赤瓦で世界遺産の名に恥じぬような凛とした佇まい。
「玉城」バス停
南城市玉城城跡の下の方にあるバス停。
中央にある写真は玉城城跡の自然の岩をくりぬいて作られた太陽の門。
壁には石積みの石垣のような模様があったり側面は花ブロック、屋根は赤瓦とシーサーで沖縄オンパレードである。
「新原(みーばる)ビーチ」バス停
がんばったら住めそうなほど家っぽい。

こちらも側面の壁の一部は花ブロックになっている。壁で覆い尽くされているより、光も風も入る花ブロックがいい感じである。
花ブロックの方向からバスが来るので、バスが見えるという利点もあるのだろう。
ちょっと変わった沖縄っぽさ
最後は上の2つには該当しないがちょっと沖縄っぽいバス停を見ていこうと思う。

こちらのバス停は一見普通のバス停に見えるのだけど、カラーリングとちょっと特徴的な屋根から多分首里城などを意識したデザインになっているのだと思われる。

建物の中のバス停も同じ屋根になっていてちょっと可愛い。

こちらは割と最近できたタイプのバス停。見た目は普通なのだが
よく見ると天井には月桃をあしらったイラストが描かれている。数ある沖縄っぽい植物の中でなぜ月桃?…それはわからないが、ちょっと涼しげである。

こちらは南部の百名(ひゃくな)のバス停。壁を掘り込んだような作りになっており、壁には多分地元の海を表現したモザイク画みたいなものが飾られている。

最後に中城村の伊集(いじゅ)のバス停を見て頂こう。一見コンクリでできたただの古いパス亭のように見えるのだが、実は沖縄っぽさが隠れている。
それはバス停の向きである。
車の進行方向からすると奇妙な方向に向いており、これだと近づいてくるバスが見えない。これは、沖縄が戦後アメリカ軍の統治下にあった影響で車が右側通行の時代があり、その時代の名残らしい。かつて右側通行の時代に、その進行方向に沿って作られたバス停がそのまま残っているのである。
沖縄のバス停バリエーションは豊富
沖縄っぽいバス停を集めてみたのだが、他にも道を走っていると「ユニークだな」と思うバス停をけっこう見つけることができる。これだけバリエーションがあるのは沖縄だけなのか他県もそうなのかはちょっと分からないのだけど、なんだかちょっとワクワクしてしまう。
一見ふつうのバス停でも、難読地名だったりするのもおもしろい。
「勢理客(じっちゃく)」
「保栄茂(びん)」
自家用車全盛の車社会の沖縄では、なかなかバスに乗ったりバス停をじっくり眺めたりする機会がなく(バスがよく利用されているのは那覇の中心部とその周辺の通勤通学ルートぐらい)、写真を撮ることもなかなかない。そうこうしているうちにコンクリートなどの老朽化により、取り壊されたり改修されたりしているので、ユニークなバス停を見つけたら今のうちにちゃんと写真を撮りためておくことが大事だなあと改めて思った。
またいいものが揃ったらこちらで紹介できればと思う。
編集部からのみどころを読む
編集部からのみどころ
赤瓦にシーサーがいる、コンクリでできた壁には風遠しの穴あきブロックがある、いかにも沖縄らしいバス停が集まりました。
本文最後に書いてある、バス停が奇妙な方向に向いていてバスが見えない理由がすごい。沖縄がアメリカ軍の統治下にあった影響で車が右側通行の時代の名残だということでした。こういう情報は人に言いたくなりますね。(橋田)