ラジオ体操発祥の地が3カ所
まずはグーグルマップを見てほしい。「ラジオ体操 発祥」で調べるとこんなのが出てくる。
その地点をつなぐと三角形になる。オカルト好きなので、これはなにかあるぞと思ってしまう。だいたいフリーメイソンが関わってくるのを知っている。
そこで現地に行って調べたい。果たして、ラジオ体操はどこから生まれたのか。秘密結社に気をつけろ!(オカルトの記事じゃないので安心してください。)
文京区にあるラジオ体操の発祥地
まずは文京区にあるラジオ体操発祥の地。東京メトロ丸ノ内線新大塚駅から徒歩4分のところにある文京区立大塚公園だ。
何か発祥の地だとわかるものがあるのか。公園内を散策すると面白いものが色々とある。
16~17世紀のイタリア地中海に面した地域に建てられた別荘によく作られていたそうだ。この公園では昭和3年に作られ、老朽化が進んでいたが平成元年に復元したそうだ。
大塚公園では、この露壇を用いたおしゃれな建築物が多く見られ、子どもたちが遊ぶだけではなく、ちょっとした歴史の建造物に触れることができる。
銅像の下には建てられた経緯が書かれている。
「文京区のラジオ体操は、昭和4年1月15日。大原仲町(現大塚4丁目2番)本伝寺境内に町内有志が集ったのを始まりとする。
その後、隣接各町会の有志が合流し、三月二七日、会場を当地に移し大塚公園ラジオ体操界と称した。ラジオ体操六十年にあたり、これを記念とする」
この文章から推測するとあれだな、これ公式じゃないな。
文京区として初めてラジオ体操をやったのがこの土地で、それが長く続いたから銅像を建てた、みたいな経緯。
また、夏休みの期間にラジオ体操をやっているが、今年は中止をしているそうだ。残念ではあるが、せっかく来たのでラジオ体操をしたい。
老若男女を問わず誰でもできることにポイントを置いたラジオ体操第1は簡単ではあるが、運動不足の大人がやるとかなり運動をした感じがする。
こりにこっていた背中やら肩がほぐされて、タコぐらいやわらかくなった。おれは今、タコだ。毎日やったらきっと体はやわらかくなるし、モテモテになるし、大金持ちになると思う。
足立区にあるラジオ体操の発祥地
続いては足立区にある発祥の地。北千住駅から歩いて7分ぐらいのところにある。「ラジオ体操発祥之地」へ向かった。「発祥地之地」というのが発祥感ある。発祥感。
ホームページで調べたら「ご祭神 素盞鳴尊(すさのおのみこと)」と書いてあった。ヤマタノオロチを倒した神様だ。ドラクエⅢでヤマタノオロチって出てくるなと思った。
そして、発祥地の石碑である。手水舎の近くに設置されている。手を洗う場所の近く。きれいな手で発祥地を見ることができますね。
「三十周年」と書いてある。もしかしたら、この土地でラジオ体操が生まれて三十周年かもしれない。
発祥の真偽も気になるが、とりあえずラジオ体操をしよう。先ほどはラジオ体操第1だったが、ここではラジオ体操第2をやる。おれはやると言ったらやる男だ。
ラジオ体操第2は「働き盛りの人が職場で行うことを目的とした体操」で、テンポが早く、ストレッチというよりもトレーニングのような運動である。終わったあと、汗が止まらない。夏、始まったなという気持ちになった。
休憩したあと、発祥地の話を聞こうと社務所へ行ってみた。お昼寝しているところ申し訳なかったが、お守りを買うのと一緒にお話を伺った。
要約すると、昭和27年、近くにある小学校の校外活動のひとつとして夏休みの間、こちらの神社の境内を貸して出してラジオ体操をやっていたが、夏休みが終わっても予想以上に人が集まったので年中無休でラジオ体操をやることになったそうだ。
そして、それが30年間も続いた記念に「年中無休のラジオ体操を足立区で最初に始めた場所」として石碑が建てられた。なので、ラジオ体操会が生まれた発祥地ではないようだ。この世の中、行かないとわからないことだらけですね。
秋葉原にあるラジオ体操の発祥地
最後の発祥地は秋葉原駅と浅草橋駅の間にある佐久間公園。ここにもラジオ体操発祥の地があるが、その前に公園の入り口に目をひくものが建っている。
1902年に開校した佐久間小学校。1931年に国鉄(今のJR)の高架線工事のために和泉町に移転をし、その跡地に作られた公園である。
この石碑にはラジオ体操の誕生の歴史が書かれている。
要約すると「万世橋警察署の面高(おもだか)巡査が町内会の人たちと共に全国に先駆けて「早起きラジオ体操会」を始めたゆかりの地である。ラジオ体操五十年に当たりこれを顕彰する」と書いてある。
全国に先駆けて?ということはここが夏休みのラジオ体操を最初にやった場所か。見つけたぞ!
その後、おじさんが帰るまでなか卯で親子丼を食べながら時間をつぶして、また公園に戻ってきた。そう、体操をするために。
3カ所目なのでラジオ体操第3をやろうと思う。聞き慣れないと思うが、作られたのは1939年、大日本国民体操と呼ばれたダイナミックな動きが特徴の体操である。
かつてはラジオ体操の放送でもやれられていたが、あまりのダイナミックな動きに音声だけで動きを伝えるのが困難なためにあまり普及せず、短期間で放送が終了してしまった。抱きしめてあげたくなる、なんだか悲しい体操だ。
2015年、龍谷大学の安西将也・井上辰樹両教授によって当時の音声と頼りに復刻されて、話題になった。テレビで見た記憶がある。
これ、なんでギャグっぽく見えるのかなと思ったら、たぶんジャンプだ。ジャンプの勢いがちゃんとした体操をギャグっぽく見せている。あと、太っているからだと思う。
結局どこなのか? わからないので聞いてみる
一応、石碑には「全国に先駆けて」と書いてあるが、本当に合っているのか。不安になってきたので佐久間公園の石碑に書いてあった「全国ラジオ体操連盟」に聞いてみることにした。
「ラジオ体操は、1928年(昭和3年)に当時の逓信省簡易保険局(ていしんしょうかんいほけんきょく、現在のかんぽ生命保険)が、国民の健康長寿を願い、「国民保健体操」として制定したのが始まりです。日本放送協会(NHK)や文部省等の協力を得て、1928年11月にラジオ放送が開始されました。
全国各地の神社境内や町内の公園・道路などで集団でラジオ体操を行う人たちが増え、それが現在もある「ラジオ体操会」に続いています。
「夏休みラジオ体操会」としては1932年(昭和7年)に、東京万世橋署の警官が、夏休みに子ども達を当時の佐久間小学校(現在の佐久間公園)に集めてラジオ体操を行うようになったのがきっかけです。
ラジオ体操制定50周年事業として、1978年(昭和53年)に佐久間公園に「ラジオ体操会発祥の地」の記念碑を郵政省が設立し、ラジオ体操「会」発祥の地としての記念碑となっています。」
やはりここが発祥の地である。今でこそ夏休みと言えばラジオ体操というイメージだが、そのきっかけは佐久間公園で生まれたようだ。
ではなぜ、他の場所にも似たようなものがあるのだろうか。
「他の公園や広場については記録がありませんので、詳細は不明ですが、1928年にラジオ体操が広まった際、大塚公園などのラジオ体操が実践されている広場に記念碑等を設置することとなり、全国12か所に「ラジオ体操記念碑」等が設置されました。
大塚公園のラジオ体操会は発足が1928年と聞いていますので、それと関係があるかもしれません。」
すごい、つながった。そうか、各地に発祥の地があるのは広まった際に同時期ぐらいに作られたからだ。一応、公式としては佐久間公園が発祥の地として認められている。
ここから先は余談です
ちなみに佐久間公園から歩いて30分ぐらいのところに松葉公園という公園がある。
ラジオ体操は大阪から始まった説
この撮影のときに間に合わなかったが、後日ラジオ体操の歴史がわかる本が届いた。
これによると「ラジオ体操は東京中央放送局(現・NHK)によって1928年に11月1日午前7時に放送が開始されており、このラジオ体操の開始を起源とするのが一般的であるが、大阪中央放送局(現・NHK大阪放送局)が1928年の8月1日から日曜日をのぞいてラジオ体操の放送を1カ月続けており、こちらを日本のラジオ体操の起源と言ってもいいのではないか」と書かれている。
なのでラジオ体操が最初に放送された場所は大阪と言ってもいいかもしれない。とても真面目な記事を書いた気持ちです。