特集 2020年5月29日

思い出が美化されているのか確かめる

思い出というものがある。記憶のことだ。子供の頃に食べて美味しかったもの、昔住んでいた街のことなど、人にはいろいろな思い出(記憶)がある。いい思い出もあれば、悪い思い出もあるだろう。

この思い出、特にいい思い出は美化される傾向がある。思い出の美化だ。思い出補正と言ってもいいかもしれない。自分にいいように作り直されていたり、オーバーに記憶されていたりするのだ。それが自分にも起きているのか試してみたいと思う。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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思い出の美化

人は思い出(記憶)を美化する傾向がある。昔付き合っていた人が、本当よりすごくハンサムや美人になっていたり、昔あった面白い出来事が盛りに盛られて、本来の出来事が跡形もなくなっていたり、思い出にはそのようなことが起きる。 

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本当は家で水を飲んだだけなのに、
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オシャレなカフェでコーヒーを飲んだという思い出に!

多くの思い出には、写真もなければ、映像もない。今となっては確かめようがないことだらけだ。だから、美化されていても、それが美化されたという確証は得られない。美化されたものが本当だと記憶されているからだ。

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絵を描いてみました!

そこで自分の思い出が、記憶が、美化されているか確かめたいと思う。昔住んでいた街のこと、長く食べていない自分が好きな食べ物を絵に描いて、実際にその場所やお店に行き確かめるのだ。私は美大卒だし、わかりやすく美化されているか否かわかるのだ。

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北九州に来ました!

資さんうどんの美化

私は子供の頃、北九州に住んでいた。今も実家は北九州にあるけれど、もう長いこと帰っていない。2年ほどになるだろうか。そして、帰る度に食べていたものが、「資さんうどん」である。北九州を中心に展開しているうどん屋さんだ。 

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絵を描きました!

資さんうどんはとても美味しいという思い出がある。「肉&ゴボ天うどん」の大盛りが大好きでこれだけを食べ続けている。絵を見ていただくとわかるように、肉とゴボ天があり、蒲鉾には「資」と書かれている。子供の頃から食べてきた思い出の一杯だ。

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資さんうどん魚町店に来ました!

まずは小倉駅近くにある「資さんうどん魚町店」に来た。このお店には何度も来たことがある。小倉駅から目をつぶっても行けるようなお店だ。危ないからそんなことはしないけれど。颯爽と入店し、颯爽と「肉&ゴボ天うどん」大盛りを注文した。

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私の思い出の「肉&ゴボ天うどん」
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実際の「肉&ゴボ天うどん」

いきなりまさかが起きてしまった。現物の方が美化されているではないか。その表現が正しいかはわからないけれど、思い出の美化が起きず、現物が美化。その理由は「ネギ」だ。大切なネギが私の記憶からこぼれ落ちていたようだ。

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蒲鉾は絵の通り!

肉やゴボ天の配置の問題はあるけれど、やっぱりネギ。うどんにネギは大切なのに、なぜ私は忘れてしまっていたのだろう。資さんうどんに申し訳ない。ただそれ以外は記憶通り。絵の通り。絵がリアルだからこそ。蒲鉾の「資」なんてそのままではないか。

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最高に美味しいよ!

千鳥ヶ池の思い出

次はさらに久しぶりな場所。幼稚園の途中からと小学校2年生までの3年間くらいを過ごした街に行って、思い出が美化されているか確かめたい。それは福岡県古賀市で、引っ越してからも数回行った記憶はあるけれど、前回いつ行ったかはもう記憶にない。 

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千鳥駅に来ました!

私は古賀市という街が好きだ。山があって、海があって、池もある。私が住んでいた時は「市」ではなく、「町」だったと記憶している。千鳥駅も途中でできた気がする。特によく遊びに行ったのが「千鳥ヶ池」だった。

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よく遊んだ千鳥ヶ池

お椀状になっていて、階段があって降りると千鳥ヶ池がある。周りを歩けるようになっていて、池では鳥たちが優雅に泳いでいる。水面には雲が映る。小学校が終わり遊びに行くとなると千鳥ヶ池。とても美しい池だった。それは上記の絵からもわかるだろう。

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私が通っていた小学校から徒歩30秒にあります!

池をよく眺めた気がする。子供ながらに美しいと思ったのだ。もちろん眺めるだけではなく、ザリガニを捕まえたり、池の周りを走り回ったりもした。小学校の授業の一環で千鳥ヶ池の清掃活動とかもあった気がする。

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私の思い出の千鳥ヶ池
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実際の千鳥ヶ池

すごい、まんまではないか。私の絵のまんま。美化が起きていない。若干、鳥の数が絵の方が多い気もするけれど、現実の千鳥ヶ池も割と鳥はいた。曇り空で雲を映してはいないけれど、木々は反射しているし、基本的に美化は起きていないと言える。

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鳥もいます!

私の絵が、若干あれという意見もあるだろう。ただ私の頭にあった景色は間違いなく現実の千鳥ヶ池で、それを絵という形でアウトプットにするとそうなってしまっただけ。よって美化は起きてないのだ。私が誠実で間違いのない男であることが分かったと思う。

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懐かしいですな!

もう一度資さんうどん

資さんうどん魚町店で、私の思い出の一杯、「肉&ゴボ天うどん」大盛りを食べた。あれだけで思い出が美化されているのか判断していいのだろうか、という心配が生まれた。もう一度食べた方がいいのではないか、そんな気がしたのだ。 

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資さんうどん古賀店に来ました!

この店舗には初めて来たけれど、安心して欲しい。資さんうどんはどの店舗に行っても「肉&ゴボ天うどん」はあるのだ。大盛りもある。もちろん私はそれを頼んだ。思い出が美化されているのか確かめるためだ。

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私の思い出の「肉&ゴボ天うどん」
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実際の「肉&ゴボ天うどん」

やっぱり現実の「肉&ゴボ天うどん」の方が素晴らしい。決して私の「肉&ゴボ天うどん」の思い出が風化したわけではない。資さんうどんの「肉&ゴボ天うどん」がいつだって、思い出を上回る一品なのだ。一度も資さんうどんに裏切られたことがない。美味しいのだ。

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美味しい!!!

花見駅の思い出

古賀に住んでいる時に使っていた電車は2つ。千鳥駅から乗る鹿児島本線と、花見駅から乗る西鉄の宮地岳線だ。花見駅からすぐの場所には海があり、電車に乗るためではなく、海に行くために見かけることも多々あった。 

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その途中にあるお茶屋さん

花見駅に向かう途中に「ハンチャヤ」があった。子供の頃、よくここに駄菓子を買いに来た。半分がお茶屋でもう半分が駄菓子なのでハンチャヤ。子供たちが勝手にそう呼んでいたと思っていたけれど、看板にも「ハンチャヤ」と書かれていた。

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これが思い出の花見駅

花見駅は井上陽水の「東へ西へ」という曲にも登場する。そんなに大きな駅ではない。駅の裏には海があるのだけれど、その前に家々があり、さらに厚めの防風林があるので海は見えない。黄色い電車が走っている。

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この先に花見駅がある!

花見駅に行く道は狭かった。行き方によるのだろうけれど、私が通る道は狭かった。もう長いこと花見駅には行ってない。思い出の一場面であることは間違いないけれど、記憶を掘り起こして描いた。楽しみだ。

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私の思い出の花見駅
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実際の花見駅

なかった。花見駅がなかった。私の思い出の中には確かに花見駅はあるし、ここから黄色くて赤線が一本横に入っている車体に乗ったはずなのだけれど、なかった。美化されているか確かめる前になくなっていた。

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駅があったことは間違いない感じ!

あとで調べると2007年に廃線になったそうだ。2007年と言えば、私は上京して東京にいた。父も引越しで香川か、東京にいた時期のはず。北九州とのつながりが薄かった時代だ。だから廃線を知らなかったのだ。当時は昔住んでいた街にまだ興味がなかった頃だし。

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踏切も線路も撤去されている!

駅があったとして、その向こうには家々があり、奥に防風林が見えることに間違いはないようだ。駅舎の形等は確かめようがないけれど、あまり大きな駅ではなかった気がするので美化されていない、私は正しく記憶する素晴らしい人間と言えるのではないだろうか。

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ないんだよな、、、

花見海岸の思い出

当時住んでいた家から見ると、花見駅を越えた先に海岸があった。夏になると母と弟、私でよく海に泳ぎに出かけた。綺麗な海だった。海岸に沿って道があり、そこから1メートル少し下がったところに砂浜がある。波が絶え間なく行ったり来たりしている。海鳥もいた。 

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これが花見海岸です!

時間がある時は家から花見海岸に行き、砂浜を歩き、古賀駅の方に向かい、古賀駅前のサンリブで買い物をした。その近くに「おもちゃのハローマック」があって、ドラえもんのソーラーカーのプラモデルを買った気がする。

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防風林を抜けると花見海岸

花見海岸によくイカの船が落ちていて、貝殻と一緒に拾った。イカの船はイカの甲のことで、地主家では「イカの船」と呼んでいた。言葉で理解していたので、船は舟かもしれないし、フネかもしれない。美しき花見海岸でそれを拾ったりしたのだ。

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私の思い出の花見海岸
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実際の花見海岸

自分が怖い。絵のまんまではないか。鳥の有無はタイミングの問題なので、それ以外を見るとそのまんま。道と砂浜の段差的なやつの雰囲気とかまんまではないか。美化が一切起きていない。私の記憶は常に正しいのだ。

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綺麗だしね!

ただ子供の頃は視野が狭かったのかな、とは思う。絵を見ると千鳥ヶ池もそうだし、この花見海岸も奥側の描写がない。上から見下ろしている感じだ。花見海岸で言えば、奥に見える島などを描く気がない感じだ。

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丸のあたりが全部ない!

いや、記憶には島がある。考えられるのは私の絵を描く力ということになる。奥域のある絵が苦手なのかもしれない。それは思い出の美化とは関係ない画力の問題なので考えないようにしたい。ただ絵を描くためにiPadを無理して買った私の絵に対する情熱は評価して欲しい。

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防風林の厚みも記憶通りだった!

最後に資さんうどん

今回すでに2回、思い出が美化されているか検証した資さんうどん。しかし、もう一度、検証した方がいいのではないか、という気がする。決して食べたいからではない。美味しいから何度でも食べたいからではない。思い出が美化されているか確かめたいのだ。 

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資さんうどん志免町店

福岡空港の近くにある「資さんうどん志免町店」を訪れた。注文するのはもちろんそうだ。みさなん、ご一緒に。せーの、「肉&ゴボ天うどん」大盛り。3度目だから別のものを頼むとかはない。肉&ゴボ天うどんを頼むだの。思い出の美化は起きているのだろうか。

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私の思い出の肉&ゴボ天うどん
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現実の肉&ゴボ天うどん

やはりネギですな。ネギを思い出では忘れていた。それは1度目からわかっていたことだけど、3度も確かめれば間違いないだろう。今後はネギも思い出に刻み込みたいと思う。このネギくらい刻んでね。そして、本日3度目の肉&ゴボ天うどん。食べてみると、やはり美味しい。毎回、驚くくらい美味しいのだ。資さんうどん、大好きなのだ。

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常に美味しいという記憶を超える美味しさ!

私は正しい人間

思い出が美化されているか確かめた。今回訪れた場所は私の大切な思い出の地。その全てが美化されていなかった。つまり私は正確な人間なのだ。正しい人間なのだ。それを理解して欲しい。子供の頃、絵で賞を取ったこともある。ただそれは今の絵を見ると、親に上手いね、と褒められた思い出が美化された気もしないこともない。

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古賀町だった頃の名残!

 

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