
ポケモンスナップを研究し続ける学会をきみは知っているか?

20年前に発売されたゲーム、ポケモンスナップを今でも研究し続けているポケモンスナップ学会というものが存在している。
『スクエアヘッド理論』『仲間ニャース』『β世界線』など仮説や理論をたててポケモンスナップをやりつくしている。
同じゲームをやりつづけたからこそ新しい世界が見えてくる発見がたくさんあったのだ。同じゲームを研究しつづけてきた先になにが見えてきたのか、ポケモンスナップ学会にインタビューして聞いてみた。
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1999年に発売されたポケモンスナップというゲームを知っているだろうか?
野生のポケモンたちが動き回る島に行き、自由にポケモンの写真撮影ができる夢のようなゲームだ。今でもこのゲームを最高傑作としてあげる人もいるほど完成度が高い。
新作が開発中であることが発表されており、再び注目度も高まっている。


ポケモンスナップが発売されてから20年も経っている。時の流れが早すぎて自分で書いてて驚きである。
そんな小学生が大人になる長い年月が経っているゲームにも関わらず、今でも研究し続けている人たちがいるのである。
それがポケモンスナップ学会だ。


僕は↑のポケモンスナップ学会の解説動画が大好きで、初めて見たときに一瞬でファンになった。自分が子供の頃にやっていたゲームがここまで深堀りされていることに感動して大笑いした。
今日はそんなポケモンスナップ学会に「なぜ20年前のゲームを研究し続けているのか」「やり続けたことでどんな発見があったのか」ということを深堀りして聞いていきたいと思う。
ポケモンスナップを知らない人たちは「1つのゲームをこんなに探求している人たちがいるのか!!」とわなわな震えあがってほしい。

ポケモンスナップ学会副会長。イベントの運営や動画の解説など学会の業務を主に担っている。海外のポケモンスナップ仲間との連絡なども担当している。
Twitter: hidamare
YouTube: aKaFuKu Snap
ポケモンスナップ学会は白衣が正装だ。オーキド博士へのリスペクトなのである。副会長であるキイさんに至ってはインナーまでオーキド博士と同じカラーという徹底っぷりだ。
また、会長のKotoさんがパルシェンを横向きで持っているのは、その方がポケモンスナップ的に得点が高いからだそうだ。
この1枚の写真だけでガチ勢なのが伝わってくるだろう。しかし、こんなのはまだまだ浅瀬である。ここからずぶずぶと頭まで深みにハマっていってほしい。
※ 取材は窓を全開にして換気し、距離を保って行いました
そもそもポケモンスナップとは
本題に入る前にポケモンスナップとはどういうゲームなのか簡単におさらいしよう。
1999年3月21日に発売されたポケモンのゲーム。
野生のポケモンが住む『ポケモンアイランド』に行き、様々な動きや表情をするポケモンたちを撮影することができる自由度の高いゲーム。
撮影した写真をオーキド博士に見てもらい採点されるシステムが特徴的である。
また、当時は撮影したポケモンの写真をプリクラ風にプリントアウトすることもできた。


ポケモンの写真をどれだけうまく撮れるのか?というのがこのゲームの目的である。ただ、得点を気にせず動いているポケモンを見ているだけでも楽しむことができる。
ポケモンスナップ学会では主に「ポケモンごとの最高点 / 最低点の写真の撮り方」「どれだけゲームを最速でクリアできるのか」などを研究している。(詳細にはもっと細かく分かれる)
さて、基礎がわかったところでいよいよポケモンスナップ沼に足を踏み入れていこう。
『同じカセットを100本買う』『ポケモンスナップのために海外に行く』





--------------- カセットだけで3つもあるんですね

--------------- 100本!!なぜ……?



--------------- ネットで「ヤバい人(褒め言葉)」と言われるタイプの人だ…!!



--------------- スイスまでポケモンスナップ仲間に会いに!?

--------------- ヤバい人だ(褒め言葉)
なぜ懐かしいゲームを研究するようになったのか
--------------- 会長であるKotoさんはポケモンスナップをなぜ研究しようと思ったのでしょうか?

--------------- 始めは懐かしいゲームをただやってみただけだったんですね

その頃はニコニコ動画でゲーム実況が流行り始めていたときで、ポケモンスナップのもいくつか動画があったのですが「これなら自分の方が上手くできそうだ」と思い解説動画をあげることにしました(笑)
こちらはKotoさんが2010年にあげた解説動画
--------------- キイさんが始めたキッカケはなんだったのでしょうか?



--------------- そこからどのようにポケモンスナップ学会が発足したのでしょうか?





--------------- ポケモンスナップの研究は今でも続いているのでしょうか?




--------------- 同じゲームを続けてくると飽きてくるときもあると思うのですが、「ポケモンかわいい!癒やされる!」という感情はまだ今でもあるんでしょうか?





ポケモンスナップで判明した『スクエアヘッド理論』『仲間ニャース』『β世界線』

ちなみに研究内容が全然わからなくても構わない。画像だけ見て「よくわかんないけどすごい発見しているな!!」ということだけでも伝わってほしい。
--------------- ポケモンスナップを研究してきた中で、どういった発見があったのでしょうか?





研究①:スクエアヘッド理論

写真撮影するときの視野が四角ではないかという理論。視野が四角になっているため、端っこに写した方がポケモンが大きく撮影されたと見なされて得点があがる

--------------- うーん、説明を聞いてもなんとなくしか理解できませんでした……

研究②:仲間ニャース

プレイヤーからは見えてはいないが後ろに隠れたニャースがいると判定され得点があがる。詳しい撮り方は動画を参照→ポケモンスナップ ニャース編 【セットアップ】)




--------------- ??



--------------- ????


いない可能性が高いでしょう

--------------- なるほど、まったく違いがわかりません

--------------- やだ、カッコいい……!

研究③:β世界線


※ 世界線:ここでは「パラレルワールド」 に近い意味で使用します
研究③ 世界線:
まったく同じタイミングで写真を撮っているのにポケモンの挙動が違うときがある。このことから決められた世界線によってポケモンの動きが固定されているのでは?という理論




--------------- たしかにポッポの動きが違いますね!ただ、これがわかるとどのような意味があるのでしょうか?


--------------- SFの超大作の話を聞いてるようだ…
仮説、検証、実証を繰り返して新たな発見がある
--------------- これだけプレイしていればやり尽くされているような気もするのですが、どうやって新しい発見をしているのでしょうか?



--------------- 偶然の産物からの仮説と検証って、本当の研究と同じですね。『学会』って名前は大げさでもなんでもないですね…!



--------------- 新しいポケモンスナップの発売も予定されていますが、やはりこちらも研究していくのでしょうか?


--------------- 新作発売にも浮かれていない…!さすがすぎる……!!
名作は極めても、極めなくてもおもしろい
ここまで読めばポケモンスナップ学会にどっぷりハマったことだと思う。そんな人はぜひ↓のロースコア解説も見てほしい。
おもしろいゲーム全般に言えることだが、名作というのは初心者でも達人でも楽しめるものだということが改めてわかった。そして20年ぶりにポケモンスナップが名作だと思い知った。

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