特集 2024年7月31日

価格設定も営業時間もどうかしてる酒場「大塚大酒場」

先日ふらりと入った酒場が、家に帰ってきたあとから考えるにつれ、値段設定も営業時間もどうかしてたんです。あれって幻だったのかな? もう一度確認しに行ってみよう。

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

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あの店、すごかったんじゃないか?

先日、「大塚駅付近でどうしても午前中から酒を飲まなければいけない」という状況が発生しました。

一般的な感覚からすると「一体どういう状況なんだ」って話だとは思うんですが、僕の人生にはそういうこと、わりとよくあるんです。こういうとき、ちょっと渋めで、いい酒が揃っていて……なんていう贅沢は言ってられませんよね。ただただ飲めれば御の字。すると運良く見つかったのが、24時間営業の「大塚大酒場」という店だったんです。

お店の場所は、

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再開発ですっかり様変わりした北口の
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駅の目の前

そういう経緯だったのでその日は、あ〜この時間に飲める店があって良かった、という気持ちが先行し、何気なく漫然と、ぼーっと飲んでしまったのですが、あとから思い返すに、なんだかあの店、普通じゃなかったんですよね。具体的に言うと、料理がありえないほどに安くて、値段設定がバグってるとしか思えなかった。加えて、ゆるすぎる店の雰囲気が僕好みすぎた。

家に帰ってから思い返していたら、もう一度飲みに行きたくてどうしょうもなくなってきてしまいました。よし、今日行こう! 今行こう!

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「大塚大酒場」
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日本大酒場シリーズ

そもそも「大酒場」という、今までありそうでなかったネーミングが良くないですか? 「おおさかば」なのか「だいさかば」なのかはわかりませんが、文字通り「大きく出たな」って感じで。個人的には「おおさかば」と呼びたい気分かな。

また、お店のロゴに「日本大酒場シリーズ」とあり、その「シリーズ」ってのもなんなんだ。一応調べてみたところ、どうやら系列店と思われる店が、池袋、巣鴨、西葛西にあるようで、その意味なのかなとは思いつつ、詳細はまだ不明ですが。

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店内は広々

地下へ降りて店内へと進むと、驚くほどに広々とした空間。テーブル席も座敷席も潤沢にあります。宴会にも良さそう。

さて、まずはお酒を頼みましょう。ドリンクメニューも基本的にリーズナブルで、参考までに例をあげると「サントリー生ビール中ジョッキ」が税込み439円、「ウーロンハイ」が329円といった感じ。

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僕は大好きなホッピーセットからいかせてもらいます

セットで439円はかなりお得。あと、ものすご〜く些細ながらも嬉しいポイントとして、メニューのホッピーの写真が、数年前にリニューアルされてしまった前の“なで肩ボトル”なのが熱いです。

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お通し(329円)

お通しはあり。なんだろうこれは。餃子かワンタンの皮をスナック風に揚げたものかな。妙にうまいな。

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ホッピーセット到着

ではでは、お先に失礼します〜。

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109円メニューの豊富さ

さてここから、より具体的に大塚大酒場の底知れぬ魅力をお伝えしていければと思います。まず店員さんは、主に中国から来られていると思われる方々が中心で、メニューのメインは中華料理。なかにはかなり本格的なものもあります。そこにちらほらと、日本の居酒屋風メニューが混ざっているという感じかな。

でまた、注文が入っていないときなどは、店員さんどうしがフランクに中国語で雑談をしていたりして、そのゆるい雰囲気がすごく心地いいんですよね。

それから、なによりもインパクトがあるのが、税込みでなんと「109円」のメニューがやたらとあること。

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こことか
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こことか
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こことか

物価高の昨今、どこの飲食店も値上げを余儀なくされ、もちろんそれは当然のことで、すっかり慣れきってしまったところもある消費者の我々。そこにきて、価格設定がバグっているとしか思えないこの109円メニューの豊富さ。久しぶりに有無を言わせず「安さは正義」と書かれたハンマーで頭をガツンと殴られたような気がして、それが嬉しく、かつなんだか懐かしいような感覚になってしまいます。10年とか20年前って、もっとこういう攻めた店多かったよな〜、とか。

また、それ以外のメニューもこれまた安い。

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やっぱり価格設定おかしい
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こういう本格中華は、通常1000円超えてくるでしょう
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唐突な和風メニュー
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「醤油ラーメン」は399円

ちなみにこの価格帯だから料理ひとつのポーションが小さめなのかな? と思いきや、まったくそんなことはなく、

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「トンペイ焼き」(399円)

 

 前回頼んだとんぺい焼きも、この値段で容赦ない盛りだったので、その精神は他の料理にも共通だと思われます。

⏩ 109円メニューだけで満漢全席感

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