味わう前にすでに満足メーターを振り切る
この工場についていろいろ書くべき情報はあるのだが、まずは飲み物の紹介を先にしたいと思うのだ。
この日は3つのドリンクが披露されていた。
レシピ開発をしたJUNERAYさんに、ジンジャーソーダってジンジャーエールって違うの?と聞くと、甘さ控えめに作ってあるのだそうだ。”Spring”は花を使ったフラワリーな、”Autumn”はスパイシーな味らしい。
ジンジャーエールのこと、ウコンの季節とかフラワリーかどうかみたいな観点で見たこと、いままでの人生で一度もなかったな。
僕はクラフトコーラ、古賀さんは秋ウコンのジンジャーソーダを選択。
さて味は……と思ってグラスに口を近づけると、味より先にすっごいいい匂いに包まれ、満足ゲージが100%を振り切って思わず一度グラスを離してしまった。
味もおいしかった。酸味があって、いろんなスパイスの味がした。どのくらい良かったかというと、これを受け取ってから工場の説明を受けて施設見学をして歓談してお土産をもらって出る直前までの約1時間、飲み切るのがもったいなくてずっとグラスを持ったまま少しずつ飲み残しておいたくらいである。(氷で薄くなったので得策ではなかった)
蒸留家が作ったボトリング工場
さてそろそろ、さっきすっ飛ばしてしまった説明に戻ろう。この施設は「CAN-PANY」という名前のボトリング工場だ。以前この記事でJUNERAYさんが一緒にコラボドリンク開発を行った、mitosaya薬草園蒸留所が運営している。(蒸留所…蒸留酒を作る施設)
実はデイリーポータルZも江口さんとは何かとご縁があり、わかりやすいところでは10年前に渋谷ヒカリエでやっていた出張編集部(懐かしい!)、あの時ヒカリエに呼んでくれたのが、江口さんである。
このCAN-PANYはmitosayaが自社のノンアルコール飲料にくわえ、委託製造やコラボレーションまで含めたいろんな飲み物を作っていくための生産拠点なのだそうだ。
そうやって新しい飲み物をどんどん開発していくにあたり、以前コラボドリンクを作った実績のあったJUNERAYさんがレシピ開発担当として抜擢されたというわけだ。
丸見えの工場
で、おもしろかったのが工場の内装。建物に入ってすぐの光景が、こちら。
じつはここが、工場である。
画面の奥、工場のど真ん中には巨大な冷蔵庫が置かれていて
その向こうがレシピ開発の部屋、手前が生産のためのスペースとなっている。なんでこんなにデカい冷蔵庫が必要なのかというと、
飲み物に炭酸を入れる際、低温にしないと二酸化炭素が溶け込まないため、タンクごと冷蔵庫に入れて製造する必要があるのだそうだ。
もうひとつのみどころは、手前にあるボトリングマシーン。
冷蔵庫内のタンクから直接この機械につながっている。これを使って、1分間に10本くらいのペースで充填できるらしい。
で、その様子も壁が透明なので全部見える。ちなみになんなら工場内のみならず
「何も隠すところがない、丸見えっていうのがコンセプトなんです。」と江口さんは語る。
余談だが当サイトのPodcast「旅のラジオ」をやってくれている岡田悠さんもたまたま同じタイミングで来ていて、さいきん始めた透明書店という本屋さんのコンセプトが全く同じだというので江口さんと盛り上がっていた。江口さん自身も元々ユトレヒトという本屋さんを立ち上げた人である。「一緒に透明飲料を作りましょう!」と意気投合する二人。全然違う種類の知人ふたりの人生が急激に収束するのを見た。
さて、ご紹介したCAN-PANY、ボトリング工場の手前部分にはDrink Barというしゃれのきいた名前のバーがあり、ふらっと立ち寄って飲み物を飲んだり買ったりできる場所になるそうだ。もちろんJUNERAYさんが開発したジンジャーソーダもあります。こちらは5/9(火)にオープン予定。
CAN-PANY
https://can-pany.com/
東京都江東区三好2-6-10 1F (google map)
営業時間:CAN-PANY 9:00-17:00 / Drink Bar 12:00〜16:00
※イベント開催時は別
定休日:土・日・月・祝日
GW明けの開店ということで、それまではJUNERAYさんの記事を読んで期待を膨らませよう。
JUNERAYの記事いちらん