特集 2020年1月6日

ホットサンドメーカーで1週間昼食焼き固め生活

最近「ホットサンドメーカー」にどハマりしています。パンを両面から挟むように焼けるフライパンで、熱々カリカリのホットサンドが家庭で気軽に作れるあれ。

が、別にホットサンドを頻繁に作って食べているということはなく、このホットサンドメーカーを調理器具とみなし、いろんな食材を焼いてみては晩酌のつまみにする、という楽しみかたをしています。

ある日、あまりにもハマりすぎた結果、思っちゃったんですよね。

「今日の昼メシ、これで焼き固めてぇ……」と。

デイリーポータルZでホットサンドメーカーといえばライター松本さんの「ホット挟まない」ですが、それに並ぶ「焼き固め」の可能性を探りました。

1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。(インタビュー動画)

前の記事:「皮だけおでん」を作ってみて得た4つの気づき

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ホットサンドメーカーにハマってます

きっかけは、Twitterのタイムラインで偶然目にした、リロ氏(@ly_rone)さんという方のツイートでした。


これはほんの一例で、とにかく自由な発想でホットサンドメーカーを使い倒している。そのどれもがたまらなく美味しそう。こんなの、真似して買わないわけないじゃないですか、ホットサンドメーカー。

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買いましたよ

リロ氏さんとまったく同じ製品。もはやただのファン。ちなみに、運良くタイムセールのタイミングで、1000円ほどで購入できました。

で、このホットサンドメーカーをどうやって使うかというと、基本的には、焼きたい食材を挟み、弱火で両面じっくり火を通すだけ。いきなり強火でいくと焦げますから、あせらずじっくりが吉。

「油がはねない」「パカっと開けて気軽に火の通り具合を確認できる」「しばらくほっとけば勝手に焼けている」「蒸し焼き状態で食材がふっくらジューシーに焼きあがる」「最後に強火でさっと焼き目をつけると、見た目もたまらない」などなど、利点を数えあげればきりがなく、次はどんな食材をどんな味つけで焼いてみるか、と考えるのも楽しい。可能性は無限大。

例えば「野菜の肉巻き」なんかは、

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見よう見まねで肉を巻いた野菜

を適当に並べて焼くだけで、

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この通り!

野菜の肉巻きなんて、なんか手間がかかりそうで今まで作ったことがなかったんですが、はっきりいって、めっちゃくちゃ絶品でした。

あと、鶏の手羽先や手羽元に塩胡椒をしてただ焼くのも定番でよくやってるんですが、

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鶏の脂が残った状態でマッシュルームを焼く

みたいなこともできる。とにかく、使っていて楽しい調理器具なんです。

理由などない。そうするしかなかった

でね、ある日、思っちゃったんですよ。

「今日の昼メシ、これで焼き固めてぇ……」と。

理由などない。焼き固めたいと思ったからそうするしかなかった。そうとしか説明できないのですが、僕の場合、一時的に何かにハマると、人の制止を振り切ってでもやりすぎないと懲りないのはいつものこと。

同時にデイリーポータルZのネタにも良さそうだと思い、さっそく担当編集の古賀さんに「次の企画、一週間昼ご飯を焼き固める方向でいきたいんですけど」と相談してみました。すると「ホットサンドメーカーだと、以前ライターの松本圭司さんが『ホット挟まない』というのを作られてましたね」とのご返答。

そうか! あったあった! あの名作。ダメじゃん! かぶりまくってんじゃん! さすがなんでもやってるデイリーポータルZ。しかたない、記事にはせず、昼ご飯は勝手に焼き固めるかぁ……。と思ったのもつかの間、「固まったお弁当は見たいのでぜひぜひ進行お願いします」と。

冷静にふりかえると、一体どういう仕事のやりとりなんだって感じですが、とにかく書いていいということなら、やらせてもらいたいです~!

というわけで以下、とある1週間の、僕のお昼ご飯の記録です。

月曜日「天丼弁当」

そもそものきっかけは、地元のスーパーで見かけたこのお弁当だったんです。

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天丼

ある日、僕は地元のマイナースーパー「カズン」(直訳すると「いとこ」)で買い物をしていました。最後にレジ近くの惣菜コーナーにさしかかり、とりどりの惣菜やお弁当を眺めていたところ、この天丼弁当が目に入った。次の瞬間、「美味しそう!」ではなく「焼き固めたい!」と思った。思ってしまった。

無論、人生で初めての感情です。が、ホットサンドメーカーにどハマり中の今、あまりにもぴったりと、あの艶めかしい鉄の四角形に収まりそうな予感がしたもので。

で、買って帰った。

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パカッ。素直に美味しそう……

しかしながらこれを、

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ホットサンドメーカーへ

わはは! そら見たことか! あまりにもジャストホットサンドメーカーサイズじゃないか!

この時点で大満足ですよ。もう、結果がどうなろうと知ったこっちゃないほどに。よし、ここからはおまけだ。焼き固めていこう。そして、大いに食べよう。

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基本、フライパン両面に薄く油を引いて弱火で加熱

最後に強火で焦げ目をつければ、

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こ~んがり!
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うわ、天ぷらの表面がジュージューいってる!
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お皿に盛ったらいざ実食

天丼弁当は、ホットサンドメーカーからお皿へ、スルッとすべり落ちました。端っこをつまんでみると、もはやひとつの個体。それを箸でちぎりながら食べ進めていきます。

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マイタケ天部分

ガブッ! モグモグモグ……。うん、うまい! 端的にいえば、天むすを焼きおにぎりにした感じ。天ぷらはサクサクで、そこにふわふわの炊きたてご飯ではなく、カリモチの焼きおにぎり食感が合わさる。知ってそうで知らない味わい。おもしろい美味しさ。

正直、今後天丼を毎回焼き固めるかといわれれば、そうはしません。けれども、買ってしばらく経って冷えきってしまった天丼を酒のつまみにしたい時なんかは、かなりあり。

というか、天ぷらが揚げたてのようなサクサク食感を取り戻しているので、天ぷらの再加熱にこそ有効な手段なのでは!?

月曜日の気づき:
ホットサンドメーカー、天ぷらの再加熱に最適
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火曜日「コロッケカレー」

今日のお昼は大好物のカレーです。カレーは昨日の夕食の残りです。美味しいですよね? 2日目のカレー。

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それを焼き固めると
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あ、焼きカレーだ!

まだ新しく、表面のコーティング効果が高いこともあってか、カレーの表面に香ばしく焦げ目がつき、それが気持ちいいくらいにペリリとはがれてくれました。
そして昨日の天ぷらに続き、コロッケがジュージューと揚げたてのよう。

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スルーン

味は、ちょっと小粋なカレー屋さんなんかにある焼きカレーそのもので、文句なく美味しいです。2日目のカレーに変化が欲しい向きにはもってこい。チーズなんかトッピングしても合うだろうな。

ただし、ご飯の底面までがカリッと香ばしく焼けている点は、一般的な焼きカレーと違うところ。

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おのずと“掘削食べ”スタイルになる

そうやって食べてみて気づいたのですが、かつての偉人が残した「カレーは飲み物」という言葉はまったくその通りで、カレーライスって、あまりにも美味しい、かつ食べやすいもんで、気づくとすごい勢いでバクバク、2分くらいで食べ終わっちゃってることが多いんですよね。それで、あぁ、もうちょっと味わって食べればよかった、と後悔する。あくまで僕の場合。

ところがこの焼き固めカレーは、ご飯がカリカリなぶん、必然的にゆっくりよく噛んで、味わいながら食べることになる。それがついついカレーを飲みこみがちな自分としてはありがたい。

いやぁ、やってみないとわからないことってありますねぇ。

火曜日の気づき:
カレーを焼き固めると、飲めない

水曜日「ナポリタン」

前日の夕食に妻がゆで、食べきれなかったぶんのゆでおきパスタが適量残っており、「ナポリンタンでも作って焼き固めるかぁ」と思い立ちました。

というわけでまずはナポリタンを作るわけなんですが、いったん普通のフライパンで、なんてしゃらくさいですよね。

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ホットサンドメーカー直でいってみる

まずは、油を塗ったホットサンドメーカーに、ソーセージと野菜(玉ネギがなかったのでキャベツ)を乗せ、両面を閉じて適当にシャカシャカと振ります。

およそ火が通ったら、

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ゆでおきパスタとケチャップ

またしても、両面を閉じてシャカシャカと振ります。

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できちゃった

もちろん、焼き固める前提がなければ普通にフライパンのほうが作りやすいかとは思いますが、例えばアウトドアで熱々のナポリタンが食べたい! なんてときには、かなり使える方法なのではないでしょうか。

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粉チーズをコショウを振って焼き固め
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完成~!

途中のナポリタンの段階ですでに一度完成していたような気もしますが、とにかく完成。

これが、パリパリもちもちでなかなか美味しい。
中華料理の有名店「梅蘭」名物の焼きそばって、カリカリに焼き上げた中華麺の中から具沢山の餡が包まれているスタイルじゃないですか。あれ、ホットサンドメーカーを使えばお手軽に再現できるんじゃないかな。

水曜日の気づき:
ホットサンドメーカーならナポリタンも作れる
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木曜日「ハンバーガー&ポテト」

冒頭で紹介したリロ氏さんの動画が、まさにハンバーガーを焼いているものでしたが、あれはどうしても真似してみたかった。というわけで今日はマックへ。

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「ポテトS」と「スパチキ」

スパチキは、スパイシーなソースが挟まったチキンバーガーで大変美味しく、200円とお手ごろなのもあって、最近マックへ行くとこればっかり買ってます。

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そんなスパチキにとろけるチーズをプラスし
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今日はバターで焼いていく
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ジャンク度MAXの仕上がり!

お皿に盛れば、

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次に流行るカフェ飯、もしくは「月餅」
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絶対うまい

これがですね、味のベースは完全にいつものマックなんですよ。けど、食感がパリパリとクリスピーで別物。結果、頭が一瞬混乱するんだけど、とにかくうまいことは間違いない。

これもあれだ、アウトドアで、それぞれに思い思いのハンバーガーを持ち寄って、あれこれ食べ比べたりしてみると楽しいかも。

ポテトも、ふにゃふにゃだったのが極限までカリカリになってて感謝です。

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下のバンズのカリッがまたいい
木曜日の気づき:
味はマックなのに食感が違うと脳がバグる

金曜日「ドリア風ラザニアご飯」

前日の夕食が妻作のラザニアでした。我が家のグラタンやラザニアは、たっぷりと作って翌日にも持ち越すことが多い。そういうとき、チンしてご飯の上に乗せ、ドリア風に食べるのが密かな楽しみだったりします。 

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ご飯、ラザニア、チーズ
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途中で思い立ち、パン粉もプラス
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焼き固め完了

うわ、これ、今週食べてきた中でも特にうまいかもしれません! まぁ、この組み合わせを考えれば当たり前のことかもしれませんが。

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全面カリッ! チーズとろ~!
金曜日の気づき:
ドリア風ご飯はホットサンドメーカーで焼くべき
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土曜日「シウマイ弁当」

実はこの生活を続けるうえで、どうしても焼き固めたいお弁当を思いついてしまいました。

それが、おなじみ崎陽軒の「シウマイ弁当」。あの愛すべきお弁当が、そのままホットサンドメーカーにスポッとはまっていたら、最高にかわいらしいんじゃないかしら。

というわけで買いに行ったのですが、もう買う時点で薄々気づいてましたよね。

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シウマイ弁当、結構でかい
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こんなにでかかったっけ!?

いや、うれしいことなんですけどね。

さすがにこのままでは詰めきれないので、適宜取り出して配置しなおし、

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こんな感じになりました
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それを焼き固める

一度バラしてしまったこともあり、「固まった」というほどではないけれど、全体にまんべんなく香ばしい焦げ目がつきました。

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いただきま~す!

うんうん、うまい。そして気づいたけど、シウマイ弁当っていつも新幹線などで食べるので、温めて食べたのは人生で初めてだ。あったかいシウマイ弁当、なんか新鮮。そして確かにうまい。焼きシウマイも焼き筍煮も焼きアンズも、それぞれにおもしろい。

けれども、もうひとつ決定的に気づかされたことがあります。それは、「シウマイ弁当の、冷えた状態での完成度の高さ」。

そもそも駅弁とは温めなおすことを前提としない食べ物。それゆえ、崎陽軒さんの企業努力により、冷たいままで食べても、いやむしろ、冷たいままで食べてこそ最高に美味しい状態として完成されている。

焼き固めてあらてめて気づく、シウマイ弁当の偉大さよ。

土曜日の気づき:
シウマイ弁当、思ってたよりでかい

日曜日「ハンバーグサンド」

さて、1週間昼食焼き固め生活の最終日。思っちゃったんですよね。「最後は何か変化球なものを焼き固めたい」と。そしていたった結論が「サンドイッチ」、つまり「普通にホットサンドを作る」というもの。ザ・本末転倒。

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そうそう、こうやって使うものだった

 ごめんよ、今まで一度も本領を発揮させてやれずにいて。

挟んだ具は、100円ローソンのチルドハンバーグ、キャベツ、ピクルス、スライスチーズ、ケチャップ、マスタード。

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へ~、これがホットサンドってやつか

さ~てどんなもんか、とかぶりついてみて腰を抜かしました。

これ、自分が今まで人生で作った料理の中で、一番うまいんじゃないの……?

パンはサクサク。ハンバーグふっくら。味は高級ハンバーガー。材料費は150円くらいのもんだと思いますが、これ、そのへんの店で売ってたら、680円までなら出すよ! という美味しさ。

いや~、ホットサンドってこんなにうまいんだ!

土曜日の気づき:
ホットサンドは美味しい

1週間の焼き固め実験の末に、「ホットサンドメーカーでホットサンドを作ると美味しい」という、検証の必要のない結果が導き出された今回の企画。

ただ、シウマイ弁当もそうだった。一度焼き固めてみることで、素の状態の素晴らしさにあらためて気づき、感謝の気持ちが湧いてくる。そんな経験、人生にあってもいいんじゃないでしょうか。

これからは、引き続きホットサンドメーカー晩酌を楽しみつつ、ホットサンドだって好きなときに食べられるんだ! やった~。ラッキー。

 

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