北海道には県境がある
北海道には県境がある。という話はたびたびしていて、当サイトでも数年前に記事化しています。
昔、北海道内にあった県境についての詳しいことは記事をごらんいただくとして、現在現役の県境として、青函トンネル内に北海道と青森の境界があると考えられています。
その、トンネル内の境界にあるというプレートが見られるところがあるのです。というわけで青森県の竜飛岬に向かいます。
レンタカーで竜飛岬を目指す
宿泊している五所川原市内からまずは十三湖を目指して北上。
十三湖をすぎると、津軽半島の西側にある竜泊ラインという道をひたすら北上します。
天気はそこそこだけれど、風がめちゃくちゃ強く、ぼんやり立っていると張り倒されるぐらいの勢いの風がボーボー吹いています。
途中七ツ滝という滝をみたりしながら、3時間。竜飛岬にある青函トンネル記念館にやってまいりました。
世界一低い場所にある鉄道駅
この青函トンネル記念館は、青函トンネルの体験坑道に行くことができる「青函トンネル竜飛斜坑線」というケーブルカーの地上駅となっており、そこから、ケーブルカーで海面下140メートルの坑道に行くことができるようになっています。
入館すると、ケーブルカーがあと5分ほどで出発しますと言われ、あわててチケットを買い、ケーブルカーに乗り込みます。
カメラもなにもかもまったく準備できず、あわてて乗ると、ケーブルカーは満員です。20人ぐらいは乗っていたでしょうか?
いちおう、このケーブルカー、鉄道事業法に基づいた鉄道ということになっているらしく、そういう意味で「鉄道」を定義してこのケーブルカーも鉄道ということにすると、この体験坑道駅は海抜マイナス140メートルにあるので「世界一低い場所にある駅」になるといわれています。
ちなみに、大江戸線六本木駅のホームは海抜マイナス10メートルなので、体験坑道駅は六本木駅の14倍の深さがあるということになります。
10分ほどまえまで、めちゃくちゃ風が強い最果てみたいな場所にいたのが、いつのまにか暗くてジメッとした無風のトンネルの中を歩いているという。リアル一寸先は闇が体験できます。
さて、さっきから体験坑道だとか青函トンネルだとか説明なして言っておりますが、実際に行ったことがない人にはなにがどうなっているのか、よくわからないかもしれません。
体験坑道内にちょうどいい図解説明がありました。
ケーブル斜坑と書いてある細めのトンネルが、さっき乗ってきたケーブルカーの斜坑です。
その下にぶっといのが横たわっていますが、これが青函トンネルの本坑と呼ばれるところで、今は新幹線がビュンビュン走っています。ちなみに「定点」というのが、かつてあった竜飛海底駅です。で、ここは現在一般人は立ち入りできません。
ぶっといトンネルの脇に作業をするための一回りサイズの小さい「作業杭」というトンネルが並行して掘ってあって、体験坑道というのが、その作業杭の一部を展示スペースとして使っているわけです。
体験坑道内には色々な展示があるわけですが、一言でいうと、異常出水との戦いでしたということにつきるかもしれません。
とくに、1976(昭和51)年5月の異常出水は毎分85トンの水がトンネル内に流れ出たと書いてありました。毎分85トン。毎分です。1分ごとに7トンの散水車約12台分の水がトンネル内に溢れ出るという、考えただけでも恐ろしい話です。