特集 2024年6月19日

沖縄「花笠食堂」のゴーヤチャンプルーには赤飯が付いてくる

写真の中に説明が必要な箇所が2か所あります。

沖縄にある「花笠食堂」でゴーヤチャンプルーを注文したところ、赤飯とそばとぜんざいが付いてきたので解説したいと思います。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

変わりゆく沖縄にて

数年ぶりに沖縄に行く機会があった。

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しばらく来ないうちにモノレールが延伸していたり昔ながらの市場が様変わりしていたりと変化の速さに驚いた。

観光の中心である国際通りを歩いてみても、前に来た時から多くのお店が入れ替わっていて、なんだか知らない場所を歩いているみたいである。

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花笠食堂

そんな中、まったく変わっていない場所もあった。

たとえば花笠食堂である。

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花笠食堂

花笠食堂はDEEokinawaにも登場しているので読んでみてほしい(沖縄の食堂にある「煮付け」とはどんなメニューなのか)。

僕が初めて沖縄に来たのは20年くらい前だと思うのだけれど、花笠食堂は当時もたしかこの場所で、いまと同じ佇まいで営業されていたような気がする。この場所でこのディスプレーを前に(沖縄すげえ)と言葉を失ったのが昨日のことのように思い出される。

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沖縄でお店をやろうとした場合、スペシャルランチと名乗るからにはこのくらいやらないといけなくなるのだ。どうだ恐ろしいだろう
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ポーク定食の主語はどこなのか
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ナス

沖縄で暮らすことを決め、家を探しに来た時、この近くのゲストハウスでしばらく暮らしていた。

そのゲストハウスはなぜか夜になると泡盛が飲み放題だったので、同じ宿に寝泊まりしていたお客が買ってきた総菜とか弁当なんかをつまみに、泡盛を飲みながら夜中までぐだぐだしたものである。滞在中には相撲大会もあった。

もう疲れるから若いころに戻りたいとかそういう気持ちはほとんどないのだが、あの期間に限ってならば、ちょっと戻りたいかもしれない。

その時に花笠食堂でゴーヤチャンプルーを食べたような気がするのだ。というか当時は沖縄料理といえばゴーヤチャンプルーか沖縄そばくらいしか知らなかったので、どこへ行ってもどちらかを食べていた。

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お店自体は路地を入った裏手にあります。
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店内も変わっていないと思う。

お昼をすこし過ぎた時間帯だったのだけれど、テーブルは地元の人らしきお客でほぼ埋まっていた。

壁の向こうに厨房があり、小さな小窓を通してオーダーと出来上がった食事とをやり取りする。

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お冷は恒例のよく冷えたアイスティーである。もうこの時点で最高に美味しい。
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メニューは多言語化されていた。値段は忘れてしまったが、修正した形跡があるから少しは値上がりしたのかもしれない。それでも内容から考えると破格といえる。

20年前に戻った気分でゴーヤチャンプルーを注文した。

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沖縄のゴーヤチャンプルーとは

ここで説明しておかないといけないが、たとえば東京の沖縄居酒屋なんかでゴーヤチャンプルーを注文するとゴーヤチャンプルーが出てくるだろう。

いまあたりまえのこと言ったように聞こえたかもしれないが、沖縄ではそれは間違いである。

ゴーヤチャンプルーを注文すると、たいていいろいろついてくるのだ。花笠食堂の場合、赤飯とそばと冷やしぜんざいが付いてくる。

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サンプルの時点で器からこぼれているのもいい。

そんなバカなと思うかもしれないが、実際にゴーヤチャンプルーを注文した僕の前に提供されたのがこちらである。

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ゴーヤチャンプルー。

ひとつずつ説明しよう。

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まず目立つのがフルサイズの赤飯である。これは白米か玄米も選べるが、せっかくなら赤飯の方がめでたいだろうと思いこれにした。
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次にそば。沖縄そばは単品でも供されるが、こうして定食(正確にはゴーヤチャンプルーしか注文していないわけだが)に付属する汁物として付いてくるケースも多い。これがまたしっかりと美味い。
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メインのゴーヤチャンプルーがなんだか申し訳なさそうにすら見えるが、十分に胸を張っていいボリュームである。
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さらに小鉢が付く。今回はもずくかぜんざいから選ぶことができた。もずくも太すぎてびっくりするから見てもらいたかったが、それよりも沖縄ぜんざいが食べたくてこっちにした。

以上が花笠食堂におけるゴーヤチャンプルーである。850円。

どうだ住みたくなっただろう、当時の僕はなったし、なんなら今も住みたくなってる。

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しかも愕然とするくらい美味い。
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食後に沖縄ぜんざいを食べると生きててよかったなと思う。

花笠食堂、最高だった。

僕が食事をしている途中でお店に電話がかかってきた。

「あい、あい、予約?それはできないから、みんなでお店に来てもらってね、あい、よろしくお願いします。」

電話を置いたお店のおばちゃんは、同僚に自分ちの息子の自慢話をしていた。花笠食堂はいつもここにあるので予約とかいらないのだ。

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花笠食堂の入口。ずっと残ってほしい。
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変わりゆく沖縄、変わらない沖縄

最初にも書いたが、沖縄はいますごい速度で変化しているように思う。愛知にある僕の実家のあたりなんて、30年くらい景色が不変なのに、沖縄は来るたびに新しくなっているのだ。

ただ、花笠食堂みたいにずっと変わらないものももちろんある。こういう「流れ」とそれにあらがう「石」みたいなものを毎回感じられるのも沖縄の好きなところかもしれない。

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うまく説明できないけど市場のこういう感じは沖縄だなーと思う。
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弁当が異様に安いのも相変わらずだ。
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木が活き活きしているのも沖縄ならではだし、ファッションではないガチの石敢當や井戸、お祈りスポットが点在しているのもいい。
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きがるにかりてね、傘ステーション。沖縄は急な雨が多いのだ
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ローソンではスパム祭がとりおこなわれていた。
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どうだ見たことないだろう、こんなローソン。
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アイスだって沖縄限定だ。

今回は時間の都合で近くをさっと歩くだけの沖縄滞在だったが、いつ来ても沖縄は懐かしいしエキサイティングだし美味しいし面白いのである。

次に花笠食堂に行ったらスペシャルランチを食べようと思います。

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