特集 2020年2月7日

沖縄の食堂にある「煮付け」とはどんなメニューなのか

沖縄の食堂にある謎メニューであり人気メニューのひとつ、煮付け。「魚の煮付け」とかではなく、ただ純粋に「煮付け(につけ)」として提供されるのが特徴だ。煮付けとは一体何なのか。沖縄県内8箇所の食堂やそば屋の煮付けを集めてみた。

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煮付けとはなんぞや

沖縄の食堂でよく見かけるけど謎に包まれた「沖縄の食堂の不思議メニュー」というのがある。
たとえば冒頭のメニューの写真で言えば、「おかず」や「チャンポン」「ポークたまご」などだろうか。
チャンポンは麺の長崎ちゃんぽんだろうと思うかもしれないが、沖縄のちゃんぽんはごはんである。
謎メニューの詳しくはこのあたりを。

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今回スポットライトを当てたいのは「煮付け」である。
煮付けというものも全国的にあるが、沖縄の煮付けは豚肉が入っており、だしも豚ベースの出汁が使われているものが多い。そして食堂ではその煮付けがメインのおかずとして多くの食堂で供されているのだ。

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煮付けを頼んだら出てきた

ところでこの煮付け、お店によってかなりバリエーションに富んでおり、具材も島豆腐なのか厚揚げなのか、三枚肉なのかてびちなのかなどなど様々な具材が入っている。

というわけで煮付けの全貌を解明すべく、食べ歩いてみた。

まきし食堂(那覇市)

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まずは那覇市の国際通りに面したビルの3階に入っている「まきし食堂」。

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入り口は喫茶店のような佇まい。

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店内も食堂らしからぬ、なんだか一昔前のモダンな感じ。

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食券制なのだが、食券を買う前に控えているおばちゃんに「何にするの?」と聞かれるので事前にオーダーしてから食券を買うというシステム。めちゃめちゃメニューがあるので煮付けを探すのに一苦労。

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煮付け定食(780円)
これがまきし食堂の煮付け定食である。
ごはん味噌汁以外にポーク卵と刺身が付いてきた。豪勢だ。

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煮つけに入っているものは

・厚揚げ
・三枚肉
・ソーキ
・てびち
・昆布
・こんにゃく
・大根
・人参
・かまぼこ
・エンドウ豆

一皿に三枚肉・ソーキ・てびちと肉のバリエーションが多い。
味付けはかなりあっさり目でさらっといける感じ。

名護そば まきし食堂
沖縄県那覇市牧志3-1-6 勉強堂ビル 3F
営業時間:9:00〜25:00

花笠食堂(那覇市)

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お次は国際通りから分岐されているアーケード街である平和通りの花笠食堂。
このディスプレイがひときわ目立つ食堂だ。

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沖縄の定番料理は一通りそろっている。

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もちろん煮付けも。

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お店はディスプレイのある場所から路地を少し奥に入ったところにある。

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店内はテーブル席がメインで、奥には座敷も。

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メニューが新しくなっていて、日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語対応になっていた。すごい。
店内も少し前は地元の人か日本人観光客だけだったイメージがあるのだが、今回は英語やら中国語やら、沖縄方言やらいろんな言葉が飛び交ってた。

ちなみに定食は汁物が「中身汁、イナムドゥチ、みそ汁、ソーメン汁、沖縄そば」の5種類から、ごはんも「白ご飯、赤飯、玄米」の3種類から選べるようになっています。
イナムドゥチはお祝いの席で食べる豚肉を入れた具沢山の甘い白味噌で作った味噌汁なのだが、これを沖縄のおばちゃんが外国人にどう説明しているのか気になる。

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煮付定食(900円)
選択はイナムドゥチと赤飯にしてもらった。

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煮付けに入っているのは

・三枚肉
・大根
・人参
・じゃがいも
・昆布
・揚げ豆腐
・こんにゃく
・エビフライ
・キャベツの千切り

じっくり煮込まれていて優しい味の野菜と三枚肉に、なぜか急にエビフライとキャベツの千切りがついている。
運ばれてきた瞬間は違和感があるエビフライだが、食べていると揚げたてでサクッとしているエビフライが食感のアクセントになってとても美味しかった。

花笠食堂
沖縄県那覇市牧志3-2-48
営業時間:11:00 ~ 21:00
定休日:なし(お盆・新旧正月)
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ふくや(那覇市)

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那覇市古島にある食堂ふくや。

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入り口の日替わりランチの表示も

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店内の様子も、ザ・食堂という佇まい。こういう食堂は落ち着く。

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メニューはそばが中心だが、煮付とてびち煮付があった。

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煮付(800円)
ごはんとそば、漬けものが付いてきた。

煮付けに入っているのは

・厚揚げ
・三枚肉
・ソーキ
・大根
・かまぼこ
・レタス

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一口食べて、おっと思ったのだが、他のお店に比べてふくやの煮付はかなり濃いめに味付けられている。厚揚げは衣がプルプルになるまで煮込まれており、これがまたうまい。

味が濃いので、ご飯がすごく進む煮付けだった。

お食事処 ふくや
沖縄県那覇市古島2-1-7 1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:日曜日  

琉球料理ふみや(南風原町)

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南風原(はえばる)町にあるふみや。
那覇市前島に本店があり、フーチバージューシーの元祖の店として有名。

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店内はテーブル席と広めの座敷。

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煮付定食(850円)
煮付けの他に、お味噌汁、ひじきの煮物、キムチ、そしてフーチバジューシーがついていた。

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煮付けの具材は

・ソーキ肉
・三枚肉
・厚揚げ
・こんにゃく
・にんじん
・昆布
・かまぼこ
・ごぼう

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味付けはしっかり醤油が効いた濃いめ。ごはんが進む。
お肉も野菜も柔らかくて食べやすい。濃い味なので、箸休めという意味でもキムチがすごく美味しかったりも。

琉球料理ふみや南風原店
沖縄県島尻郡南風原町字宮平251
営業時間:11:00 ~ 23:00
定休日:なし(旧盆・年末年始)
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宮良そば(浦添市)

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浦添市にある八重山そばのお店「宮良そば」。

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煮付定食は910円。
これは煮付けあるあるなのだが、普通のメニューよりも結構高めの価格設定である。注文時に肉を「三枚肉」「ソーキ」「てびち」から選ぶことが可能で今回は三枚肉をチョイスした。

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煮付定食(910円)
ごはんとそばが付き。

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煮つけに入っているものは

・島豆腐
・三枚肉
・大根
・人参
・かまぼこ
・こんにゃく
・レタス
・昆布
・しめじ
・謎の葉っぱ

全体的に甘めの味付けで、レタスの照りがすごいのはみりんだろうか。何気にしめじの存在感がすごい。

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気になるのは謎の葉っぱ。全然クセがなく食べられたのだが、後で聞いてみたところ「雲南百菜かツルムラサキ」とのことだった。聞いても謎がはっきり解けないところが沖縄的だ。

ボリューム感もすごいし、ごはんがものすごく進む。そして、さすがそば屋。付け合わせのそばも美味しかった。

宮良そば
沖縄県浦添市当山1-7-17
営業時間:平日11:00~20:00
定休日:第1火曜日

三角食堂(宜野湾市)

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宜野湾市普天間にある三角食堂。名前のとおり、三角形の土地に建っている情緒ある佇まいの食堂。

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建物の隣に植えられている緋寒桜の花は1月下旬から2月はじめ頃に咲く。

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こぢんまりとした店内だが、奥に畳敷きの座敷席があり、テーブル席も4つほど。赤いチェックのテーブルクロスがたまらない。

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メニューは沖縄そばや丼ものをはじめ、定食系などがずらり。昔ながらの黄色いカレーライスも。

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煮付(600円)

ごはん、スープ、おしんこ付きでこの値段は煮付けではかなり安い部類である。
ワンカップのお水のコップが泣かせます。

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煮付けに入っているのは

・豚肉
・大根
・厚揚げ
・にんじん
・じゃがいも
・ちくわ
・ピーマン
・なす

色合いからも見て分かるように、味付けはかなりあっさり系。
かといって味が薄いとかではなく、しみじみ美味しい上品なだしの風味が楽しる。うまい。

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わりとスタンダードな具材の中でひときわ異彩を放っていたのがナスなのだが、これがだし染み染みでめちゃくちゃ美味しかった。もっと食べたい。
豚肉も脂身が少なく噛めば噛むほど旨味が染み出してくる美味しい豚肉だった。アラフォーになると、こってりした三枚肉よりもこういう赤肉のほうが嬉しかったりする。

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量も多すぎないので、女性でも難なく完食。
食べたあとは「あー身体に良いもの食べた!」という気持ちで満たされた。
そういえば煮付けって若者よりお年寄りが食べている印象が強いのだが、その理由がだんだんわかってきた気がする。

三角食堂
沖縄県宜野湾市普天間2-41-1
営業時間:11:00 ~ 11:30 頃 (日によって開店時間が若干違います)〜17:00頃(食材がなくなり次第閉店すること有り)
定休日:日曜日
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みどり屋食堂(宜野湾市)

同じく宜野湾市の宜野湾市立図書館の目の前にあるみどり屋食堂。

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こちらも地元で人気の老舗食堂。駐車場も広くて停めやすいので、お昼時ともなると近くで働くサラリーマンやガテン系の方たちで賑わっている印象。

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元気なおばちゃんがフロアを一手に仕切っており、店内は活気がある。

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メニューはとんかつやカレーライス、沖縄そばをはじめ、おかずや味噌汁、ちゃんぽんなど沖縄の昔ながらのメニューも並ぶ。ちなみにこちらも昔なつかしの黄色いカレーで、みどり屋食堂といえば黄色いカレーというぐらいの名物となっています。(実際、滞在中に注文している人も多かった)

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煮つけ(650円)

お値段の安さもさることながら、運ばれてきた煮付けの具材の多さに驚愕!

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煮付けに入っているのは

・三枚肉
・大根
・厚揚げ
・にんじん
・じゃがいも
・こんぶ
・こんにゃく
・ごぼう
・ピーマン
・サバ
・てんぷら
・ポーク
・卵焼き

数えてみると、なんと13種類
このボリューム、もはやキングオブ煮付けといっても過言ではない。
変わり種の具材としては、サバ、てんぷら、ポーク、卵焼き。煮汁の色からも分かる通り、味付けは甘めの濃いめ。かといってしつこくはなく、ごはんがもりもり進んでしまう美味しさである。ちなみにみどり屋食堂はごはんの炊き加減も最高!

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汁物はスープか味噌汁かと思いきや沖縄そば。白濁したこってり甘めのだしで美味しい。

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食べた感じでは、サバやてんぷら、卵焼きあたりは一緒に煮込んでいるわけではなく、最後にさっと煮汁をかけたり、卵焼きは別で作ったものを最後に添えて仕上げているよう。手間暇かかっててこの安さでいいのか。

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かなりボリュームがあるが、具材のバリエーションも食感も豊富なので飽きずに最後まで美味しく味わえた。ただ、チャレンジするにはしっかりとおなかを空かせる必要がある。

みどり屋食堂
沖縄県宜野湾市我如古3-4-8
営業時間:10:30~17:00
定休日:日曜日

まとめ

というわけで、県内中南部の8店舗の煮付けを食べ歩いてみた。
豚肉、大根、にんじん、厚揚げあたりを基本として、店によって個性的な具材が加えられていたり、味付けもこってり系だったりあっさり系だったりと、かなり振り幅の広いメニューであることがわかった。
そして値段も、600円台から800円台後半〜900円台と、手軽なものから豪華なものに二極化しているように感じた。

どちらかというと沖縄本島南部の食堂で出しているメニューである煮付け。
「おかず」と並んで、絶滅危惧種メニューでもあるので、なくなる前にまた食べ歩きたい。

くわっちーさびたん(ごちそうさまでした)。

 

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