特集 2023年5月22日

シュクメルリ、アチャルリハチャプリ……ジョージア料理をはじめて味わった

近所の友人が、以前ジョージア(旧グルジア)に住んでいたことを知った。

すごいね!と驚き「缶コーヒーのブランドかな」と尋ねると、それはアメリカのジョージア州だと教えられた。

わたしはジョージアという国について何も知らない。

このままではいかんなと思っていたある日、友人がジョージア料理のイベントを開催すると聞き参加した。

片道約20時間の国の、未知なる味わいを堪能したのである。

1986年生まれ佐世保在住ライター。おもに地元の文化や歴史、老舗や人物などについての取材撮影執筆、紙媒体のお手伝いなど。演劇するのも観るのも好き。猫とトムヤンクンも好きです。

前の記事:5000円あれば、老舗百貨店「佐世保玉屋」で長崎観光&時空の旅ができる

> 個人サイト ヤマモトチヒロのブログ

ジョージアン航空元ディレクターのニノさんの手料理をいただく

長崎県佐世保市にあるREPORTで開催されたイベント「1夜限りのジョージア料理レストラン」。

先述の、ジョージア在住歴があった友人の主催だ。

彼女が当時、シッターとして雇っていたNINO(ニノ)さんを日本に招待し、料理を参加者にふるまうという内容である。

1.jpg
今回のイベントでシェフを務めるニノさん(左)と、イベント主宰のせいこさん(右)。

ニノさんはジョージアン航空の元ディレクターとして、ビジネスクラス以上の機内食を7年間担当していたそうだ。

せいこさんは、現在は佐世保で空き家をリノベーションし断熱ハウスを作っている。すごい二人が出会ったものである。

ジョージアという国にピンとこなくとも、ジョージア料理と聞けば、数年前にSNSで話題になった「松屋のシュクメルリ鍋定食」が記憶に新しい。

また、わたしはなんとなく面白くてジョージア大使のTwitterをフォローしているのだった。

なのでインターネットの世界がぐっとこちら側にやってきたような気がして、ささやかな嬉しさと緊張に包まれながらお料理を待っていた。

いったん広告です

サラダにはスパイスや香菜をたくさん使う

まず一品目にいただいたのは「ジョージアンサラダ」。

2.jpg
ジョージアンサラダ。うっかり取り分け前の写真を撮り忘れてしまいました!

トマトにきゅうり、生玉ねぎ、クルミにパセリ、意外なことにパクチーが入っていた。とてもあっさりとしている。

東西を結ぶ交易路の中継地点でもあったジョージア。

その料理はヨーロッパやアジア、中東などの影響を受けて独自の文化を形成しているらしい。野菜をふんだんに、スパイスや香菜をたくさん使う。

日本では東京にレストランが数軒(ロシア料理店のメニューの1つとなっているところも)あるようだが、西端の小さな町で味わえるとは思わなかったな……。

17.jpg
淡々と、大人や子ども、スタッフ分含め21名分の料理を仕上げていくニノさん。すごい。(せいこさんより画像提供)
いったん広告です

異国の味が体に染みる

続いて、ジョージアの代表的な小麦料理のひとつ「ヒンカリ(Khinkali)」。

一口かじって、中のスープを吸ってから食べるらしい。小籠包みたいだ!

3.jpg
ヒンカリ(Khinkali)。
4.jpg
見た目は、本当に小籠包みたい。芯の部分は硬いので一般的には残すらしいが、食べても構わないらしい。
5.jpg
中にはお肉……かと思いきや、マッシュルームがごろっと!
11.jpg
細かく切ったマッシュルームと香草がたっぷり。(せいこさんより画像提供)
13.jpg
手ごねした生地に乗せて。(せいこさんより画像提供)
15.jpg
キュッと包んでいくよ!(せいこさんより画像提供)

合い挽き肉を入れて、ギョーザみたいにして作ってもおいしそう……と思ったけれど、挽き肉のヒンカリがベーシックなのだそう。

ほんとうだ、レシピを検索してみると、“ジョージアの水餃子”的なフレーズも出てくる。

せいこさん曰く、他のお料理とのバランスを考えて、今回はマッシュルームヒンカリにしてもらったそうなのだ。彼女の好物でもあるらしい。

マッシュルームオンリーだったけれど食べ応えは十分で、気がつくと一人でパクパク硬い芯まで食べていた。野菜をまるごと食べている気分である。

ヒンカリはモンゴルの統治時代に伝わったものらしく、よく見てみるとなんとなく、モンゴルのゲルみたいな形をしている。

香草好きとしては「こんなに使っていいんだ、やったー!」と前向きになれる料理だった。自宅でも作ってみたい。

ジョージアの味が体に染み込んできた。素材と向き合う味がとても肌に合っているようだった。

⏩ メインディッシュはシュクメルリ!

▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ