「カルダモンコーヒー」という飲み物をご存知だろうか。
その名の通り、カルダモンのフレーバーがついたコーヒーのことだ。インドやトルコ、イスラエルあたりでは定番の飲み物だというが、日本ではなかなかお目にかかれない。しかしこれがたいへんにうまいのだ。
リモートワーク中で、家でコーヒーを淹れる方も多くいらっしゃるだろう。カルダモンコーヒーの淹れ方を4通りほど下記にまとめておいた。いつものコーヒーに飽きたタイミングで、いちど試してみていただきたい。
①筆者おすすめ「煮出し法」
そもそもカルダモンって何よ?というはなし。
カレーによく入っている、南インド原産のスパイスだ。ツンとした清涼感はあるけどほんのり甘い香りで、柑橘の皮や、スモーキーな印象もある。
これの香りがついたコーヒーはおおむねカルダモンコーヒーと呼べるが、なにせ「スパイスの女王」と呼ばれるカルダモン。香りがかなり強い。
海外のレシピにならうと、いざ飲んだときに香りに圧倒されてしまうことがあるため、筆者がおすすめするのは「煮出し法」(と筆者が勝手に名付けて呼んでいる手法)。
カルダモンの粒数は、1杯あたり1粒程度でじゅうぶん香る。朝に数杯分淹れて、一日かけて飲むぜ!という筆者と同じスタイルの方は、2〜3粒使用しても構わない。
この一手間だけで香りの立ち方が変わる。硬くて割りづらい時は、包丁などで小さく切れ込みを入れるといい。
我が家では1杯あたり200mlくらいの計算。あまり煮過ぎると、香りが飛んでしまうことがあるため要注意。
たったこれだけ!カルダモンを煮出したお湯でコーヒーを淹れる、とてもシンプルなレシピ。
いつものコーヒーにふんわりと清涼感が追加され、なんだか春めいている。コーヒーの酸味と香りが馴染むから、冷めてしまってもおいしい。
筆者の経験上、しっかり深入りの濃いコーヒーよりも、やや浅煎りめのすっきりしたコーヒーの方がカルダモンに合う。感覚としては「苦いハーブティー」だ。
いったん水で煮出すことで、カルダモンの香りをふんわりと抽出しておいて、コーヒーと合わせたときに違和感なく香る。コーヒー自体の香りと最も馴染みやすいのがこの手法と思う。
②時間がない時におすすめ「追加ドリップ法」
お湯を煮出している時間がない!というときにおすすめなのがこちら。
もうふつうにコーヒーを淹れるだけで気力が限界です…という時は丸のまま入れてしまってもいいが、やはり皮を剥いて種を露出させた方がよく香る。あとは熱湯でコーヒーを淹れるだけ。
海外のレシピでは、乳鉢と乳棒で種を砕いて、粉状にしてコーヒー粉と混ぜ合わせるものもある。その場合はカルダモンの量が多いと、コーヒーというより「カルダモン湯」になるため、加減が必要だ。
③グラインダーをいい匂いにする覚悟はOK?「ミル挽き法」
これは豆からコーヒーを挽いて淹れる場合にできるやり方。コーヒー豆と一緒にグラインダー(豆を挽く機械)やミルに入れて、カルダモン粉末入りのコーヒー粉を作ってしまう方法だ。
非常に楽ではあるが、筆者宅で試した際はミル自体にカルダモンの香りが移ってしまい、その後3日間ほど強制カルダモンコーヒーだった。
②で紹介した、乳鉢と乳棒で潰すやり方の派生で、コーヒーミルとスパイスミルを別に持っている方はそれぞれで砕いて後からブレンドすると便利であろう。
(※コーヒーミルにスパイスを入れる使用法はメーカー保証対象外に違いないので、試す際は自己責任でお願いいたします)
④S&Bがおすすめするならこれもアリじゃない!?「パウダー後入れ法」
スパイスの大手、エスビー食品が紹介するこのレシピ。なんと市販のカルダモンパウダーをコーヒーに振り入れるだけという。目から鱗である。
これなら、カルダモンホールがなかなか手に入りづらい方や、外出先でも真似できるだろう。
むしろこれがアリなら、カルダモン紅茶、カルダモンジュース、カルダモンビール、カルダモンジントニック……
夢が広がりすぎてしまうのではないか。
カルダモンの摂取量に決まりはないそうだが、たくさん摂り過ぎると胃もたれ等の原因になるため注意が必要だ。
ともあれいつものコーヒーが爽やかで美味しい一杯になるため、毎日のリモートワークや、休日のコーヒータイムに新しい異国の風を吹かせたい方、ぜひいちどご賞味あれ。