知っている食材の知らない料理
まるで漫画に描かれた王様の食事みたいな量と種類と盛り付けに、もうニヤニヤが止まらない。湯気をあげている出来立ての料理も多く、早い時間に来てよかったなと心から思う。
「全部トルコ料理です。トルコ料理は何百種類もあるけれど、全部は並べられないから、今日は50種類くらい。昨日の12時から仕込んでいます」
まったく名前のわからない料理を一つずつ確認しながら、この遠い異国の地で、思うような食材がなかなか手に入らない苦労を勝手に想像する。






















想像した味と違う違和感こそがご馳走だ
食べたいメニューはもちろん全種類。だが食べられる量は胃袋次第。料理の情報量だけで、食べる前からお腹いっぱいになりつつある。
おかわりは自由なのだろうが、何往復もするのはちょっと恥ずかしいので、気になる料理を少しずつとっていたら、すごくちんまりとした盛り付けになってしまい、試食コーナーを回ってきた人みたいになってしまった。





主な食材は、トマト、ピーマン、ナス、チーズ、ヨーグルトなど。モーニングだからなのか肉類はソーセージ程度。
デザート以外はだいたいお馴染みの食材なのだが、オリーブオイル、ガーリック、ビネガー、レモン果汁、パプリカパウダー、各種ハーブといった調味料との組み合わせによって、見た目通りの味だったり、少し違った味だったり、まったくの予想外だったり。塩味や辛味よりも酸味が際立っている料理が多いようだ。
すべての料理に対して、期待と不安でいっぱいになりながら味あわせていただいた。ただおいしいだけじゃない、こういう外食がしたかったのだ。


ゆっくりとモーニングビュッフェを堪能させてもらったが、訪れた時間が早かったこともあるのか、日本人のお客は我々だけだった。まさに異国の疑似体験。
自分がマイノリティ側になる緊張感、そして温かく迎えてくもらえた安心感のコントラスト。価値観は人それぞれだが、2000円でこれだけ楽しめれば大満足である。

とても楽しい体験だったけど、それぞれの料理が持つ意図や本来の姿がわからなすぎた。次こそはスカイカフェの本気をしっかりと受け止められるように、もっとトルコ料理を勉強してから、また早朝に訪れたいと思う。
そしてスカイカフェの通常メニューからケバブやピデ、そして鉄板料理を攻めるという夢も忘れてはいないし、川口のAZELにも俄然訪れたくなってきた。
