特集 2025年4月2日

トルコ料理の2000円モーニングビュッフェがすごかった

知っている食材の知らない料理

まるで漫画に描かれた王様の食事みたいな量と種類と盛り付けに、もうニヤニヤが止まらない。湯気をあげている出来立ての料理も多く、早い時間に来てよかったなと心から思う。

「全部トルコ料理です。トルコ料理は何百種類もあるけれど、全部は並べられないから、今日は50種類くらい。昨日の12時から仕込んでいます」

まったく名前のわからない料理を一つずつ確認しながら、この遠い異国の地で、思うような食材がなかなか手に入らない苦労を勝手に想像する。

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クルクルと巻かれている異国情緒。
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さて中になにが詰まっているでしょうか(食べなかったのでわからない)。
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トマトの強烈な赤さに、なんだか胸が熱くなってくる。
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ただの目玉焼きも、知らない味のソーセージで俄然トルコ風に。
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茹で卵もまた然り。赤い粉はパプリカなので辛くはない。
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ナスやピーマンといったお馴染みの食材も、香草とスパイスと油の使い方で馴染みのない味に。
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簡単に味を予想させない緊張感を纏ったナスの佇まいたるや。
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サラダなのかソースなのかすら判別がつかない皿に括目せよ。
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これほどまでにエキゾチックなミックスベジタブルを私は知らない。
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おひつに入った白米かの如きボリュームのチーズにスカイカフェの本気を感じる。
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トルコはチーズを食べる国だという強いメッセージを受け止めよう。乳製品の安くないこの国でこれだけの量を用意するのは大変だろうな。
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ストリングチーズ(さけるチーズ)にイチゴという、日本人にはなかなか思いつかない組み合わせ。トルコではどんなチーズが食べられているのか気になってくる。
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鳥の胸肉かと思ったらチーズだったという衝撃。どれだけチーズが好きなんだ。
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デザートだって当然ぬかりはない。
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日本人が知っているのとは違う方向の甘さを与えられたカボチャに悶絶。
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加工されたフルーツやナッツが教えてくれる食卓の広がり。
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さりげなく置かれたパンすら愛おしい。
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選択肢がありすぎて、なにを食べたらいいのかわからないという喜びをありがとう。
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「ナーンが焼けたよー!」と、インド料理店のタンドールで焼くナンとはちょっと違う、フカフカしつつカリっと香ばしく焼けたパンをいただく。
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フリードリンクのチャイはこれらしいのだが、使い方がまったくわからない。
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上に置かれたポットに濃縮チャイが入っていると教えてくれた。牛乳の入ったインドのチャイと違って、トルコのチャイはストレート。
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それを蛇口から出るお湯で薄めるという、説明してもらわないと絶対わからない作法に武者震い。こういうの大好き。
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想像した味と違う違和感こそがご馳走だ

食べたいメニューはもちろん全種類。だが食べられる量は胃袋次第。料理の情報量だけで、食べる前からお腹いっぱいになりつつある。

おかわりは自由なのだろうが、何往復もするのはちょっと恥ずかしいので、気になる料理を少しずつとっていたら、すごくちんまりとした盛り付けになってしまい、試食コーナーを回ってきた人みたいになってしまった。

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とりあえずの1ターン目。用意された料理に対する取った量の少なさよ。店員さんから渡されたナンが多いぜ。
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卓上調味料が教えてくれるトルコ味の方向性。

 

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ラッシーっぽいドリンクがあったので聞いたらアイランとのこと。小さいグラスに注ごうとしたら「ビッググラス!」と言われたのでたっぷりといただく。しっかり塩味のヨーグルトドリンク(たぶんヨーグルトと塩と水を攪拌)で驚いた。
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料理を次々出したいようだが、もう置く場所がない。
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撮影をしてくれた元バックパッカーの友人も「イスタンブールで食べた味を思い出すよ!」と大喜び。

主な食材は、トマト、ピーマン、ナス、チーズ、ヨーグルトなど。モーニングだからなのか肉類はソーセージ程度。

デザート以外はだいたいお馴染みの食材なのだが、オリーブオイル、ガーリック、ビネガー、レモン果汁、パプリカパウダー、各種ハーブといった調味料との組み合わせによって、見た目通りの味だったり、少し違った味だったり、まったくの予想外だったり。塩味や辛味よりも酸味が際立っている料理が多いようだ。

すべての料理に対して、期待と不安でいっぱいになりながら味あわせていただいた。ただおいしいだけじゃない、こういう外食がしたかったのだ。

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クリーミーな杏仁豆腐みたいな謎のスウィーツ。コンビニスウィーツの3倍くらいでかい。
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和菓子にも通じる味わいのねっとりしたお菓子で締める。ごちそうさまでした。

ゆっくりとモーニングビュッフェを堪能させてもらったが、訪れた時間が早かったこともあるのか、日本人のお客は我々だけだった。まさに異国の疑似体験。

自分がマイノリティ側になる緊張感、そして温かく迎えてくもらえた安心感のコントラスト。価値観は人それぞれだが、2000円でこれだけ楽しめれば大満足である。

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入れ替わりでトルコ人らしき方々がたくさん入っていった。

とても楽しい体験だったけど、それぞれの料理が持つ意図や本来の姿がわからなすぎた。次こそはスカイカフェの本気をしっかりと受け止められるように、もっとトルコ料理を勉強してから、また早朝に訪れたいと思う。

そしてスカイカフェの通常メニューからケバブやピデ、そして鉄板料理を攻めるという夢も忘れてはいないし、川口のAZELにも俄然訪れたくなってきた。

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まだ読めていなかった『食で巡るトルコ』という本を紐解くモチベーションが生まれた。

 

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
玉置さんがまたすごい店を見つけてきました。王の食事のようなたたずまい。
「ただおいしいだけじゃない、こういう外食がしたかったのだ。」
と書いているところに玉置さんの矜恃を感じました。
このお店、このあとどこかのテレビで取材されそうですね。(林)

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