猫を作る
いったいどういう思いつきなのか。簡単な仕組みである。
袋の中から声がするというので、スピーカーと袋は必須である。持ったときのやわらかさ(今回の最大限の生き物らしさ)を担保するためにタオルも用意した。
Bluetoothスピーカーは予めPCと繋げておいて、動物の鳴き声が出るようにセッティングしてある。
つまり動物の鳴き声がする袋がここに出来上がったわけである。
これがうまくいけば、ペットが飼えない事情があるご家庭の福音になることうけあいだ。
実際に試してみる
さて実際に試してみよう。
中から動物の鳴き声がすることは伏せて、編集部の石川と安藤に頼んでみた。
まず初めにカラスの鳴き声を流してみる。袋にカラス。はじめからバイオハザードっぽくなってしまった。
ありがたい同僚である。袋がカラスだということを認識してくれて、少なくとも「?」ということにはならなかった。
代わって安藤に袋を持ってもらう。今度は本命の猫の鳴き声だ。
だいじな仔猫ちゃんだと認識が変わるやいなや、袋の持ち方が自然と変わった。いま、この袋はほとんど猫になっている。
戯れに今度は鳴き声を犬にしてみる。
鳴き声と袋のサイズは大いに関係あるようだ。大型犬がほしい方は大きな袋を用意しよう。
小さな生き物ではどうか。セミである。
鳴き声と袋だけでそこにセミはいることになった。いないのに。
いや、二人がいると言っているのだからいないというのは野暮なのかもしれない。犬は怪しいが仔猫もいる。サンタもいれば神もいる。
信じる気持ちがいちばん大切なのだ。その気持さえあれば、きっとぼくらはどこにだって行ける。