サービスエリアとその街を堪能した
サービスエリアへ一般道から入るという普段とは違ったアプローチも良かったし、街歩き自体も面白い。思った以上に楽しんだ。
あまり遠出がしにくい時代ではあるので、近くにサービスエリアがある場合はそこで遠方のお土産を買うだけでも旅行気分が味わえそうだ。
今度は家から近いサービスエリアを一般道から目指してみようと思う。

高速道路のサービスエリアは長距離ドライブの休憩だけでなく、お土産を物色したりと楽しいところだ。
そんなサービスエリアに一般道から入れることを知った。
「サービスエリアがある街」という以外はまったく知らない街には何があるんだろう。とっても気になるじゃないか。
せっかくだから、サービスエリアの最寄り駅から徒歩で行ってみよう。
以前にサービスエリアで休憩中にうろうろ散歩していたところ、一般道からの入り口が用意されていることにたまたま気が付いた。
すみっこにあったので全然気が付かなかった。
あとで調べてみると、NEXCO東日本は「ウォークインゲート」、NEXCO中日本は「ぷらっとパーク」、NEXCO西日本は「ウェルカムゲート」という名称でそれぞれ一般道からの入り口を用意していたことがわかった。
なるほど、地元の人からしたら色々なところのお土産が買えるし、フードコートもあるので便利なのかもしれない。
サービスエリアは高速道路を走っているときに寄る特殊なところ、というのは思いこみだったのか。
なんだか面白そうなので一般道の入り口から入ってみようじゃないか。
やってきたのは埼玉県、宇都宮線の蓮田駅だ。
ここの近くにある東北自動車道の蓮田サービスエリア(上り)は、NEXCO東日本最大級の規模らしい。
東北自動車道はあまり走ったことがないので馴染みはなかったのだが、最大級というワードに惹かれて訪れることにした。
街の見どころにサービスエリアが入るのか。
高速道路に付属するもの、という認識が勝手ながらあったのでなんだか新鮮に感じる。
宇都宮線にも初めて乗った。
蓮田にお住まいの方には申し訳ないが、なかなか来る機会がないところではある。
ちょっと歩いただけでもうわかった。蓮田、のどかでいいところだな。
餃子の満州もあるしシャトレーゼもあった。
予想以上に車が止まっている。
写真を撮っている間も車が入ってくるし、徒歩で来るおばあちゃんもやってくる。
地元の人はかなり訪れるスポットのようだ。
早速中に入って、高速道路側へ出てみよう。
サービスエリアに来ているのだから、「サービスエリアだな」という感想はおかしい。
だけど、一般道から来ているからか実感がないのだ。
サービスエリアにいることを象徴する存在のように思う。
普段なら渋滞が起きていないかしっかり確認するが、今回は全然関係がない。へ~という感じだ。なぜなら徒歩で来ているから。
さすがにNEXCO東日本最大級だけあって、お土産が充実している。
東北自動車道が通る様々な地域のお土産が並んでいるが、買うには至らなかった。
なにしろ仙台にも郡山にも八戸にも行っていないのだ。なんならここ蓮田へ旅行しに来ていると言えるだろう。
おお、このお土産も売っているのか!と思っても、「いや実際には行ってないしな……!」となぜかブレーキをかけてしまった。
これはまさに蓮田土産と言えるだろう。安心して買うことが出来た。
サービスエリアに広報誌が置いてあるのはあまり見た記憶がない。
蓮田市もここのサービスエリアを重要拠点と考えているのだろうか。
ちなみに巻頭特集は「令和3年度予算」だった。高速道路の道中で読むにはなかなかソリッドな話題である。
他にもTシャツ屋が入っていたり、小さいながらもスーパーが入っているなど、他ではなかなか見ないテナントがあり面白い。
地元の人はここのスーパーに買い物へ来ているのかもしれないな。
一般道から行くサービスエリア、これはなかなか面白いぞと思いながら後にする。
のぼりにイチゴ大福と書いてある。イチゴ農園で大福を作ってるのか……?
気になって思わず寄り道してみると、
1つお願いしたら、「じゃあイチゴ取ってきますね~」とその場でイチゴ畑から取ってきてくれた。
な、なんだその夢のシステムは……!
思わぬ出会いに顔がほころんだ。大福は冷凍されているので、食べられるまで時間がかかるのであとで食べよう。
サービスエリアへ簡単に行けたのか。蓮田市の気合いの入りっぷりがすごくないか。
周辺に住んでいれば、気軽にサービスエリアへ行って東北のお土産を買うことが出来るし、フードコートで食事も出来る。
個人的には、のどかな雰囲気の元荒川沿いを歩けたので徒歩でも満足だ。
次の目的地は、関越自動車道の高坂サービスエリアだ。
冬場にスキー場へ行くときによく使っていたのでとても馴染み深い。
ただ、高坂という街自体には何があるのかさっぱりわからない。
東武東上線の高坂駅を目指そう。
ここへも一般道で行けるのだが、距離的には1つ手前の北坂戸駅の方が近いようだ。
だが、あの高坂に来られるんだから高坂駅に行くしかないだろう。
高速道路でしか知らない地名が鉄道駅として出てくるのがなぜか不思議に思ってしまう。
モータリゼーションのど真ん中に電車が突撃してくる違和感がある。
歩き始めると大学生と思しき若者が多く歩いていた。
初めて知ったが、大東文化大学や東京電機大学など、ここ高坂には大学がいくつかある。
学生向けのアパートもちらほら見かけるし、大学行きのバスがたくさん走っていた。
高坂、そういうところだったのか。
駅前の地図にあった高坂ニュータウンというところが気になるので、少し遠回りだけど経由して歩いていこう。
高坂ニュータウンの辺りは台地になっているようで、上り坂が多い。
住宅地内でも高低差が激しいので、遊歩道が整備されていた。
遊歩道へ入ると、ちょうど小学生が帰るタイミングらしく保護者のお母さんたちが付き添いで集団下校していた。いい環境だな!
関越道の上にこんな遊歩道があるとは知らなかったな。
本当に近くにサービスエリアがあるのだろうか、と思うような住宅地を進んでいく。
先ほどの蓮田サービスエリアと比べると少ないが、こちらの一般道用の駐車場もそこそこ車が停まっていた。
蓮田の入り口が立派すぎるだけで、通常はむしろこういったサイズが普通なのかもしれない。
久しぶりの高坂サービスエリア、満喫してしまった。
ところで数時間前に買ったイチゴ大福がちょうどいい頃合いのはずなので食べよう。
徒歩で疲れた体に染み渡る甘さだ。
蓮田で買ったイチゴ大福を高坂で食べている。圏央道も通っていないのに変な感じだ。
キッチンカーで牛タン串を売っていて、毎回買おうか迷ってしまっていた。
串物は運転中に食べるのは危なそうだし、早く帰らないと渋滞に巻き込まれてしまう!といつも断念していた。
だが、今回は徒歩で来ているので気兼ねなく食べられる。
期せずして夢が叶った。
気にせずサービスエリアグルメを楽しめるのは特権なのかもしれない。
サービスエリアへ一般道から入るという普段とは違ったアプローチも良かったし、街歩き自体も面白い。思った以上に楽しんだ。
あまり遠出がしにくい時代ではあるので、近くにサービスエリアがある場合はそこで遠方のお土産を買うだけでも旅行気分が味わえそうだ。
今度は家から近いサービスエリアを一般道から目指してみようと思う。
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