いよいよ年越し
そんなにぎやかな改札前をあとにし、地上にあがったのが23時45分。そこでは、行き来する人たちが立ち止まって駅の写真を撮っていた。
途絶えることなく常に1〜2組。
友だちどうしやカップルで来ている方も多く、駅をバックに自撮りをしたり、みんな楽しそう。辰巳駅はちょっとした記念スポットになっていた。
ただ、都心方面に向かう終電が0時03分だったためか、すこしずつ人は少なくなっていく。
みんな辰巳での年越しに関心はあるものの、さすがに終電を無視するほどではないようだ。
そんな人の流れを見ていたらいよいよ0時。
辰巳駅前の年越しの瞬間がこちら。
カウントダウンが起こることもなければ、花火があがることもない。日常の延長のような年越しだ。
駅前には5〜6人の方が残っていて、写真を撮ったり踊ったり、それぞれで年越しの瞬間を楽しんでいた。
声をかけあうことはないものの、この時間まで残り、きっと心の中でカウントダウンをしていたであろう皆さん。居酒屋の閉店時間に居あわせた人たちのような、ちょっとした親近感を感じた。
そして何より、12年ごしに辰巳で年越しをむかえられたことがうれしい。
地元の人は家で年越ししている
その後、都心とは逆方面の終電が近づく0時20分ごろになると、駅前からは誰もいなくなった。
やはり辰巳での年越しを駅前でむかえていたのは、僕も含めて外から来た人たちだったようだ。
でも、この年越しは地元の人にとってこそ一大イベントだろう。ここに住んでいる方々の盛り上がりをさがしたい。
そう思い、辰巳の町を歩いてみたのだけど、
とにかく人が歩いていないし、車もほとんど走ってない。
かろうじて、高速道路を走る車の音だけが遠くから聞こえてくるが、それがなかったら怖くなってきちゃうほどの静けさと人気のなさだ。
町中での乾杯も、龍やヘビのおみこしが練り歩くこともない。地元のみなさんはお家でおだやかに新年をむかえていた。そりゃそうか。