デジタルリマスター 2022年7月13日

いろんなものを一筆書き(デジタルリマスター)

一筆書きといえば、紙の上でやる迷路あそびの一つだ。

ただ、その起源ともいうべきものは、ロシアのプレーゲル川という川の中洲にかかるいくつかの橋を順番に回れるか、というものであったらしい。

紙の上だけでなく、実際の土地を迷路にみたてて一筆書きをすることができるか。いろいろためしてみました。

2006年6月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:渋谷川の源流をさがす(デジタルリマスター)

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

問1 次の図を一筆書きせよ

toi1_photos_v2_x2.jpg

とはいえ、一筆書きといえばまずはこういうやつだろう。最初はちゃんと基本を押さえておきたい。

知っている方もおおいと思うけど、一筆書きには簡単なコツがある。点から線が奇数本のびているようなところを探せば、そこが必ず書き始めか書き終わりになる。

そのセオリーどおりに書き進めていったのが、下の図。

toi1_kotae_photos_v2_x2.jpg

この場合、線が奇数本のびているような点(奇点)は、いちばん下のふたつだ。どっちから書き始めてもよくて、行きづまらないようにてきとうに書いていくと、それが自然と答えになっている。

つぎの問題へ

といった要領で一筆書きをこなしていこう。

次の問題からは、外に出ていきます。

問2 自宅近くのサミットを一筆書きせよ

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サミット外観
toi2_photos_v2_x2.jpg
サミット内部

上の写真は、家のちかくにあるサミットというスーパーのもの。

このスーパー、なんと入口と出口が別々に作られている。

toi2_tobira_photos_v2_x2.jpg
ほらね

しかも入口から出ることはできず、出口から入ることはできないという、ドンキホーテみたいな仕組みになっているのだ。

これはもう、入口から出口まで通路を一筆書きで回って買い物をせよという挑戦にちがいないのです。

経路を検討してみる

さて、やみくもに突入してしまう前に、一筆書きをすることが本当にできるのかどうか、調べてみよう。

toi2_dame_photos_v2_x2.jpg
サミット通路図

お店の中の通路を線で、交差点を点であらわした模式図が左のもの。右下が出入口で、左側にレジが並んでいる。

セオリーどおり、前のページで奇点と呼んだ場所を調べてみると、左の図で赤く示したとおり、ぜんぶ10個もみつかる。

じつは、一筆書きができるのは奇点が0個または2個の場合だけということが知られている。つまりこの通路を一筆書きすることはできないのだ。

代わりにハミルトン経路で

とはいえ、嘆くのは早い。

一筆書きには、通路をぜんぶ通ることを目的とするふつうの意味の一筆書きの他に、交差点をぜんぶ辿ることを目的する変種があって、そういう歩き方のことはハミルトン経路と呼ばれている。

すなわち、こう。「同じ交差点を二度通ることなく、すべての交差点を辿ることができるか?」

こっちを採用することにしてみると、次のように歩けばOKなのだ。

toi2_hamilton_photos_v2_x2.jpg
こう行けばOK

 

lead (1)_photos_v2_x2.jpg
すなわちこう

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やってみた

以上の準備をもとに、サミットの通路をハミルトン経路でたどってみたのがこちら。

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入り口直後。左にもいけるが、まっすぐ向こうへすすむ。

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toi2_anime.gif
奥はジグザグと(マウスオーバーで歩きます)。

 

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シリアルの棚ではフルーツグラノーラを買うのを忘れない。

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レジを通れば、

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ぶじ出口にゴール

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大丈夫かな

やってるときは楽しかったけど、書きながらだんだん不安になってきた。ぼくだけじゃないのか、これ。

心の内の正直な声には耳を閉ざし、次なる舞台へすすみます。

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問3 首都高を一筆書きせよ

toi3_photos_v2_x2.jpg
むちゃくちゃ簡略化した首都高環状線

つぎは一気に縮尺を大きくして、首都高速道路を一筆書きしてみよう。

といっても、首都高全体は次の図のようにとても広い。

PA.jpg
首都高全体図(「首都高PA巡り」より)

なので今回は、その中からまんなかの一部だけ、首都高環状線とよばれる部分にしぼって一筆書きをしてみたい。

するどい方はもうお分かりのように、上の図もやっぱり奇点が2個以上あるので、ふつうの意味の一筆書きはできない。なので、上の図で点にあたる部分、各ジャンクションを一回ずつめぐるハミルトン経路を走ってみることにしよう。

やっぱりタクシーで

とかいいつつ、ぼくは運転は初心者だ。

首都高は枝分かれがいっぱいあって正しい方向に進むのはとてもむずかしい。こういう場合はやはりプロに頼るのがよさそうだ。

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「首都高までお願いします。」

タクシーをつかまえて、運転手さんに事情を説明する。

ちなみにこのとき、深夜2時だ(昼間の渋滞を避けるため)。怪訝な顔をされるか怒られるかだろうと思っていたら、

「大丈夫ですよ」とあっさり。

なんでも、以前も同じようなお客さんが何人かいたらしく、「またか」くらいに思ったらしい。世のなか一筆書きブームなのか。

toi3_taxi2_photos_v2_x2.jpg
「分かりました。」

コースの設定は運転手さんにおまかせしてしまった。

以下、車内からのようすを。実際に通ったコースを最後に書きますので、我こそは湾岸ミッドナイトという方は経路を推測してみてください。

taxi022_photos_v2_x2.jpg
まずは護国寺から飯田橋方面へ(まだ環状線じゃないです)。
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いよいよ環状線に入り、
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どこかの料金所を通過。
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トンネルをくぐり、
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東京タワーを見上げ、
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大きなビルの谷間を抜けると、
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呉服橋につきました

といっても分かるわけないですよね。

正解はこうでした。

toi3_kotae_photos_v2_x2.jpg

汐留より先で通っているところは東京高速道路といって本当は首都高ではないのですが、せっかく通れるので通っておいたのでした。


友達のつながりとかも一筆書きできる

友達どうしがつながるソーシャルネットワークサービスの場合でも、ハミルトン経路を見つけることができる。つまり、友達を交差点に置き換え、つながっている友達どうしの間に線をひく。

同じ人に二度めぐりあわずに、つながりだけを辿ってすべての自分の友達をめぐることができれば、それがハミルトン経路になっている。こんなふうに、何かがつながっている関係がある場合、いつでも一筆書きを考えることができます。

だからどうしたって話ですけどね。

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