パーツの縮尺とディテールのめりはりに苦心
前回と同様、安い安いハイヒールを取り寄せた。作品とはいえ、本当はこんな9cmヒールなど履くのはつらいのだけど、そうしないと鳥の足の長さをかせげないのだから仕方がない、と自分に言い聞かせる。
同じ鳥類でも、ハトとアヒルとでは体型やディテールがかなり違う。アヒルの場合は羽根は体に溶け込んだ感じで強調せず、胸からお腹がぽってり、といったたたずまい。そんなわけでハトのときのノウハウを駆使しつつ、新たな解釈も必要だった。
だめだ、こうやって「新たな解釈」なんて書いても、記述がひとりよがりになりそうだ。やはりここは、できあがった本人たちに登場いただき、お話をさせていただければと思うがよろしいか。
それではアヒールさんたち、お入りください。
(聞いてない…)
そして羽根はこんな風に、「羊毛」のほうを刺せば自然な流れの毛並みになるかなと。
こうやって力の限り刺しまくる一方、足やくちばしなども作り込まねばならない。ハトのときよりも存在感の大きいパーツだ。
くちばしは、のちのち、石粉粘土が良かったかなと思わせられる出来事が発生します、お楽しみに。
そして、仕上がるに連れてそのデカさにおののいたアヒールの完成形が、これだ!
これ以上大きいと、「私が」歩けないと思いましてね。
そのかわり、くちばしが妙に大きくなってしまいました。これものちのち、もうちょい小さいほうが良かったかなと思わせられる出来事が発生します、お楽しみに。
歩き方矯正具としての未来
アヒールでおでかけすべく、不忍池にやってきた。
締め切りギリギリにできあがったので、恐ろしいことにここで初めて履くのである。
と、ここで通りすがりの方が、足元をじっと見て近づいて来られた。
これはいいよ、とてもいいものを見た、としきりに感心してくださった。アヒールです、と作品名を言うと「お、そう言っちゃいますか」という感じで、こっちまでうれしくなるような笑顔。
さて例の、くちばしに関する話。余談になるが書き留めておこう。
さて再び、ボート乗り場へ。履いたまま歩いてみるか。
次はアヒルのターン。
その様子を収めたGIF動画がこちら。
スワンボートを目当てにアヒールとここに来たが、アヒルじゃなくスワンだし結局ほぼ使役されていたわけだし、非常に悪いことをした。
でもこのヒールに振り返る人も多く、作っただけでもひとまずは満足だ。
ハトヒールで調子に乗って作ってみたアヒールだが、靴だということをすっかり忘れていた。ハトに輪をかけて履きづらい。くちばしが致命的だ。しかも白いので汚れも目立つだろう。実用には欠点だらけである。
しかしそれを凌ぐくらい、自分的にはかわいいもんになった。これはなるべく履かずに、ぬい撮りとかさせよう。
【告知】
1)19日の「第4回ウェブメディアびっくりセール」に「乙幡啓子@妄想工作所」として出展します。お恥ずかしいですが初の自作写真絵本を作りました。
ハトヒールにももっとしゃべらせたくて、まあ、今回の会話パートみたいな感じです。
他、デザインしたゆるキャラ「トリィネコ」グッズやオリジナルブローチなど持ってまいります。
2)2月10日、立体物の販売イベント「ワンダーフェスティバル」に出展します。ブース名「寒河江弘」にて、たいがー・りーさんと居候させていただきます。無謀にも「ベアリングマ」縮小版の販売を目論んでます。