本日一人あたりの予算は、フリーパスの切符代を入れても3000円くらいだろうか。これぞ大人の休日である。平日だったけど。それにしてもよしだ先輩のショーロンパー事件には笑った。今回のメンバーは生粋のしみったれというよりは、気のいい先輩という感じだったが、とにかく楽しかったことは間違いない。
ぼんやりしつつ家に帰ったら、鞄の中から生麺とスープとアンパンと焼き芋が出てきて、あれは夢じゃなかったんだなと思った。
人生を振り返ってみると、基本的にはケチで金勘定に厳しいけれど、気が向くと張り切っておごりたがる先輩(ただし安い店限定で)がいなかっただろうか。
ケチだけどおごりたがり。そんな相反する要素を持ち合わせた、愛すべきしみったれの先輩になっておごったり、万年金欠の後輩としておごられたりするツアーというのを以前やってみた(こちら)。
あれから丸4年以上が立った今、景気もサッパリよくならないので、そろそろ第2回しみったれツアーを開催しようじゃないか。
前回のしみったれツアーは最高に面白かったのだが、私がエリアの指定をしなかったため、巡った場所がバラバラとなり、移動時間と交通費が結構かかってしまったという反省がある。
だからといって、狭い場所で無理にしみったれられる店を探すというのも厳しい話。ならばと東急電鉄が一日乗り放題となる「東急ワンデーオープンチケット」を各自が購入し、その範囲内の店で先輩面するルールとした。
東急電鉄の範囲で遊ぶとなれば、その沿線に住んでいる人が詳しいはずだろうということで、今回のメンバーはハンダづけに詳しいよしだともふみ(こちら)、ガッツポーズが得意なキンマサタカ(こちら)、リアクションが大きい古賀及子(こちら)、そして一人だけ東武沿線の私である。
メンバー紹介が呼び捨てで始まったのは、最初の先輩役が私だからだ。このしみったれツアーでは、先輩は絶対的にえらいのである。
まずは各自が買っておいたワンデーチケットを、一番しっかりしていそうな古賀に全員分あずからせた。各自で持っていると、ついついICカードでピッっとやってしまいそうになるからだ。
この企画に置いて、そんな無駄遣いは絶対に許されない。
平日の午後1時という、多くの社会人が真面目に働いている時間にのほほんと集まったのは、東急多摩川線の鵜の木駅だ。
玉置先輩:「どうせ腹を空かせているんだろう? 鵜の木で一番、いや東急沿線で一番といってもいい麺料理の名店に連れて行ってやるよ!」
そう後輩たちに次げると、私は普段よりつま先の角度を広げきみにして先頭を歩きだした。なぜなら先輩だからだ。
この店を知っているのと知らないのとでは、鵜の木の印象が丸っきり変わってくるぞとやってきたのは、駅の近くにある「めん類専門店」とひさしに書かれた早川製麺所だ。
古賀:「あれ、ここは麺の持ち帰りの店ですよね」
よしだ:「ここで買って先輩のボロ…いや高級アパートで食べるんですか?」
キン:「えー、もう今すぐ食べたいんですけど」
玉置先輩:「そう思うだろう? ところがどっこいというやつだ。その路地を入ると、店の裏にここで製麺した麺を出す立ち食い蕎麦屋があるんだよ(ニヤリ)」
玉置先輩:「おっと、勘違いはするな。別に金が惜しくて立ち食い蕎麦屋に連れて来たんじゃない。ここの麺がうまいから、そして立ち食いそば文化を愛しているからこの店にしたんだぞ。そこんところを間違えてくれるなよ」
なるべくお金を使わない理由を正当化して熱く語る玉置先輩。こういうプレイこそがこのツアーの醍醐味である。
本当のところは前から気になっていたけれど一度も来たことのない店であり、鵜の木という駅を降りたことすら初めてだったりする。
店内は壁を向いた左右のカウンター席と中央のテーブル席のみ。もちろんイスなど一脚もない。休むための店ではない、ただ食べるための店なのだ。
玉置先輩:「ほら、なんでも好きなものを注文していいから。オススメはもちろん麺の味が一番わかる『かけ』だけどな」
後輩:「うぃーす(こいつ安いのを勧めているぞ)」
古賀:「わたし、コロッケそば!」
玉置先輩:「260円か。なんだ、そんなんでいいのか?」
よしだ:「ぼく、味が想像つかない牛肉ラーメンをいってみます」
玉置先輩:「お、420円ね。きっと文明開化の味がするぞ」
キン:「先輩、俺こういう店のカレーが大好きで。カツカレーいいっすか」
玉置先輩:「570円のか! お、おう、好きなものを食えばいいんだよ」
キン:「それに生卵をお願いします!」
玉置先輩:「おまえ、遠慮ってもんは……しなくていいんだよ」
そしてこの店の常連(という設定)である私が頼んだのは、あえてのあんかけ焼きそばだ。
うっかり写真を撮り忘れるほどお品書きが壁の端っこに貼られている、知る人ぞ知る的なメニューである(たぶん)。
玉置先輩:「おまえら、東急沿線に住んでいるならこれを知っておいて損はないぞ。わかるか、この深い色合いをした麺。食べればカリカリでゴワゴワの特製蒸し麺だ。ある情報筋によると、自家製麺を二回深蒸しして、たっぷりの油で焼きつけて作るからこそ生まれる食感なんだよ。こんなの本格中華料理店にいってもなかなか食べられないぞ」
キン:「……え?すみません、聞いてませんでした」
玉置先輩:「いいからとにかく一口食べてみろ!」
数あるメニューの中で、自分が選んだものをチヤホヤしてもらえる快感たるや。これぞ先輩の特権だ。
お会計は全部合わせて1680円だった。この金額でビュウビュウと先輩風を吹かせられるなら安いものである。
もうすっかりお腹はいっぱいである。このまま帰ってよかったのだが、せっかくこの店に来たのだから、お土産を買ってやることも先輩としてはやぶさかではない。
なぜなら立ち食い以上に安いからだ。
玉置先輩:「ほら、麺はもちろん、濃縮スープも駄菓子みたいな値段でいろいろ売っているだろ。好みの麺とスープを組み合せれば、自分だけのオリジナルヌードルが作れるぞ!」
後輩一同:「ありがとうございます!」
こういった買い物は空腹だとたくさん買ってしまうので、満腹にさせてから選ばせるのがしみったれのコツである。
これにて私の先輩ターンは終了。一気に肩の荷が下りた感じだ。先輩役はなかなか難しいのである。
次の目的地へと向かう際、うっかりICカードで改札を通過しそうになったが、古賀さんに止められてムダ金を使わずにすんだのだった。
次の先輩役は古賀さんである。やってきたのは多摩川線と池上線を結ぶ蒲田駅。果たしてどこへ連れて行ってくれるのだろうか。
ちなみにこの企画は、どこの店に連れて行くかの事前発表をしない、ガチのミステリーツアー方式。私も本当に先が読めないのだ。
それでは古賀先輩、よろしくお願いします!
古賀先輩:「オッス、ワシが先輩の古賀じゃー。この街にどうしても食べさせたいものがあるから、おまえら黙ってついてこい!」
古賀先輩はそういうと、肩で風を切りながら商店街を突き進んでいった。上記の口調はちょっと誇張しすぎた。
よしだ:「もしかして、そこの富士そばじゃないでしょうね」
古賀先輩:「そんな訳ないだろ!パーカーのフードに飲み終わったペットボトル入れてやろうか!」
キン:「はなまるうどんはやめてくださいね。もう麺類は禁止の方向で」
古賀先輩:「だ、大丈夫だって!余計なことを言わないで、その丸メガネでも磨いてろ!」
愉快な会話のコスプレキャッチボールをしながら付いていった先は、なかなか意外な店だった。
山田うどんといえば、埼玉が誇るロードサイドのうどん屋さん。鵜の木の立ち食い蕎麦屋で腹一杯になったばかりなので、できれば避けたい店である。
玉置:「すみません、うどんはちょっと……。安いところでいいんで、軽く飲める店とかにしませんか?」
古賀先輩:「ふっふっふ、蒲田の山田うどんは、なんと『呑める山田うどん』なんだよ!」
サイゼリアやバーミヤンを利用したファミレス飲みが一般化した今、あえての山田うどんで昼酒という渋いセレクト。さすが我らの古賀先輩だ。
古賀先輩:「注文は私が全部するから。あんたはパンチセットね。飲み物は赤玉パンチでダブルパンチ。バンバーン!」
玉置:「は、はい」
古賀先輩:「キンは痛風気味だから、ハイボールで枝豆と豆腐のおつまみセットね。ちょっとは体に気を遣いなよ!よしだはビールでいいな!」
4人分の酒とつまみをパパパっと素早く注文したところで、じっくりとメニューを見返した古賀先輩の顔色がわかりやすく変わった。
古賀先輩:「あれーーーー!モチがな~い!」
キン:「モチ? 力うどんのことっすか」
古賀先輩:「いやいやいや、つまみに単品でモチがあるって昨日ネットでみたんだよ……」
実は山田うどんに来ること自体が初めてだという古賀先輩。しみったれとか関係なく、どうやら本当にモチが食べたかったらしい。なぜモチ。
古賀先輩:「へー、山田うどんって定食とかデザートもあるのか。なんでもある山田うどんにないものはなーんだ?」
後輩一同:「モチ」
古賀先輩:「正解だ、ちっくしょう!」
ドリンクを持ってきてくれた店員さんに確認したところ、去年までは確かにモチの単品を出していたそうだが、現在はメニューにないとのこと。人気がなかったんですかね。
先輩、残念でした!
モチが無かったことに関しては残念だったが(古賀先輩以外はピンと来ていないが)、山田呑みはツマミも酒も安く、ファミレスよりも落ち着いた感じで、軽く昼酒を飲むには最適の店だった。ほら椅子もあるし。
「意外とイケる、山田呑み」か。なるほど確かに。パンチ、うまいよね。
この日から、古賀先輩は後輩一同から古賀及子あらため古賀モチ子と呼ばれることになった。
きっとホワイトデーには、まいっちんぐモチ子先輩に3人全員が競うようにモチをあげることだろう。
私の立ち食い蕎麦屋も、古賀さんの山田うどんも、常連客の振りをしつつも実は今までに来たことが無かった店。
このツアーはしみったれた先輩という役割を利用することで、わざわざ電車に乗って行くほどでもないけど、ちょっと気になっていた店にいくきっかけ作りになっているようだ。それもまた良し。
さあ、次の先輩は誰かな。
3人目の先輩は、これまで歴代の先輩方よりもなんだか毛並みのよい感じがする、東横線の駅に在住のよしださんである。
普段からこだわりのあるちょっとお高い店を選んでいそうなイメージだが、果たしてしみったれた先輩として、どこに連れて行ってくれるのだろうか。
よしだ先輩、よろしくお願いします!
よしだ先輩:「みんなそんなにお腹は空いてないんでしょ? 戸越銀座の商店街で軽く買い食いなんでどうかな」
後輩一同:「反対の反対でーす!」
テレビなどではよく見るけれど、実際に来たことはなかった戸越銀座の商店街。東急沿線でも屈指の買い食い天国である。よしだ先輩のことだから、きっととっておきの店に連れて行ってくれることだろう。
商店街にはよしだ先輩を歓迎するかのように、ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」のジャズアレンジが流れていた。
それにしてもさすがは戸越銀座の商店街、買い食いし甲斐のある店が無限にあり、どこの店で買うべきか大いに迷ってしまう。
よしだ先輩の貯金残高は無限だとしても、悲しいことに我々の胃袋は有限だ。買い食いを楽しめるのは一品だろう。
果たしてよしだ先輩は、ビシッとしみったれられるのだろうか。
よしだ先輩:「よし、ここにしよう!」
何を買うべきか意外にもノーアイデアだったよしだ先輩。商店街をいったりきたりして、ようやく決めたのは焼き小龍包だ。噂には聞いたことがあるけれど、私は実物を見るのは初めての食べ物である。さすが先輩、絶妙なセレクトだ。
店頭のテーブルや店内でも食べられるようだが、あえて持ち帰りにして別の場所で食べるようだ。
よしだ先輩:「最近流行りのIPAビールって知ってる?焼き小龍包には苦味のあるIPAが合うんだよ。そのためには持ち帰りじゃないとね」
玉置:「IPAって発泡酒の3倍くらいするやつじゃないですか!さっすが先輩!」
キン:「IPA!IPA!IPA!」
よしだ先輩:「IPAビールは、近くのキシフォートで買っていこうか。お、たまたま安売りしているじゃないか。なんだか悪いなぁ」
古賀:「すごい、半額以下じゃないですか!」
このファインプレーには裏話があって、さっき蒲田のキシフォートで128円のIPAビールを見かけたよしだ先輩が、きっと戸越銀座にもあるだろうと予測していたのだ。
まさに計算ずくのしみったれである。
焼き小龍包と瓶ビールをぶら下げてやってきたのは、商店街からちょっと外れた場所にある小さな公園だ。
よしだ先輩:「さあ、焼き小龍包とIPAビールで最高の宴をはじめようぜ!」
そうはいったものの、残念ながら瓶ビールを開けるための栓抜きを誰も持ち合わせていなかった。
キン:「ちょっと先輩、責任もって栓抜きを買ってきてください!」
古賀:「もー、よしだ先輩、抜けてるんだから~」
玉置:「栓抜きがないのに、抜けているとは、これ如何に」
よしだ先輩:「いやー、焦った焦った。さあ、あらためて熱いうちに俺のおごりで小龍包を食べようじゃないか。分かってると思うけど、スープが出るから気をつけろよ」
後輩一同:「はーい!」
この場所が人通りの多い商店街ではなく、公園で本当によかった。もし私が通りがかりの女性に熱い肉汁をかけたら即逮捕だろう。きっとよしだ先輩はそこまで計算していたのだ。
焼き小龍包を食べると肉汁が溢れる。知識としてはもちろん知っていたのだが、まさかここまで溢れるとは。経験することの大切さを学ばせていただきました。
お時間ある方は動画でどうぞ。お気に入りのパーカーをエリザベスカラー呼ばわりされるよしだ先輩。おちゃめだなぁ。
あー、笑った。誰だよ、ショーロンパーよしだって。
よしだ先輩って、いつもオシャレで会話が知的でカメラがライカ(高い)で、ちょっと近寄りがたい雰囲気があったんだけど、まさか小龍包一つでここまで笑わせてくれる人だったとは。
先輩、楽しい時間をありがとうございました!
最後に登場する先輩は、幼少期から東急沿線で育ち、東急沿線に家を買った男、キンさんである。これまで甘え上手の後輩を演じてきた彼は、一体どんな先輩へと成長するのだろうか。
次の目的地は西小山。戸越銀座からなら池上線で旗の台へ行き、大井町線で大岡山へ、そこから目黒線に乗り換えるルートとなるが、キン先輩の選択肢は徒歩移動だった。
キン先輩:「東急沿線は近代的な都市交通網の先駆け的存在。平行して走る路線の間隔が近いから、意外と歩けちゃうんだよ」
東武沿線出身の私としては、東上線と伊勢崎線の間を歩こうとは絶対に思わないので、ちょっと驚いてしまう感覚だ。
せっかくフリーパスの切符があるんだから素直に電車で行きましょうよとも思ったが、地元民の案内で街の歴史や都市伝説を聞きながらの散歩はやっぱり楽しい。
ずんずんと歩いて武蔵小山駅の近くまでくると、古賀がパン屋さんに反応をした。
古賀:「あー、ここアンパンが有名なこみねですよね! 私、ぎっしり詰まったアンパンが大好きなんですよ」
キン:「わかったわかった、この財布で好きなだけ買いなさい!」
どうやら先輩への階段を登れたことで、すっかり気が大きくなっているようだ。しみったれの設定はどうした。
キン:「ここらでちょっと甘いものでも食べないか?」
さっきアンパンを食べたばかりだが、先輩のいうことは絶対である。やってきたのは当サイトで以前ライターのトルーさんが無茶なお願いをしていた(こちら)ヤオヤプラスという八百屋さん。店主とキンさんはツーカーの仲だ。
ちなみにキンさんはここまでに、すれ違った知り合い5人くらいと挨拶をしている。この街でどれだけ顔が広いんだ。
なにか珍しい果物の試食でもあるのかと思ったら、なんと店頭の焼き芋を買ってくれるというのだ。これには焼き芋担当を自負する古賀も大喜びだ。
キン:「西小山において300円で買えるスウィーツの最高傑作が、ここの焼き芋なんだよ。すごく甘いから1本でいいな。この店に前、はるかちゃんっていう店員がいて、それにちなんでの『紅はるか』だから」
なんでも熟成させることで最大限に甘みを出した芋をじっくりと焼いてあるそうで、その甘さはまさに衝撃的だった。
サツマイモってここまでノビシロがあったのかという驚き。どうしてこんなに甘いのかよ~と、「孫」のメロディで一節歌いたくなってしまう味なのである。
キン先輩:「このイモは俺の誠意だから!」
お土産に自腹で買おうとしたのだが、キン先輩があるだけ全部買って、みんなに持たせてくれた。誠意ってなんですかね。
それにしてもうまい焼き芋だった。西小山近隣の焼き芋好きなら、ぜひ食べるべき芋だろう。その際は「キン先輩の紹介です」っていうと、キン先輩がすっごく喜ぶと思います。
そんなこんなで四時半過ぎ。そろそろお別れの時間である。1時集合の5時解散って小学生みたいだな。
キン先輩は本日最後となる店を目指して、西小山駅前の区界を超えて、品川区から目黒区へと突入した。
キン先輩:「我々に足りないのは、西アジア料理です!」
酒飲みのキン先輩のことだから、渋いモツ焼き屋あたりに連れて行ってくれるのかと思ったら、向かった先はなんとケバブ屋さんだった。
ケバブっていうと平たいパンみたいなやつに肉とか野菜がたっぷりと挟まったやつでしょ。いやいやいや、さすがにそれは食べられないですよ。もうお腹いっぱいっす。
キン先輩:「いいから任せろって。すみません、ケバブつまみの大盛りを辛いソースで。あとアルーコアチャルも」
ちょっと味が濃いものをつまみながら、ゆっくりと会話ができればいいかな、できれば椅子のある店で。そんな気分の我々にピッタリの店が、まさかケバブ屋さんだったとはと膝を打つ。
ケバブつまみが1000円って、しみったれとしてはちょっと高い印象だけど、4人で食べたら一人250円である。そしてSKYと書かれた缶ビールもウーロン茶も100円という激安なのだ。これはもう十分合格だろう。よ、しみったれ!
キンさんはこの店の常連で、たまに一杯やってから家へと帰るらしい。オーソドックスな立ち飲み屋もいいけれど、こういう変化球を選べる懐の広さに憧れてしまう。
本当は立ち食い蕎麦屋で締めることを考えていたそうだが、一軒目の立喰はや川、二軒目の山田うどんとコンセプトがかぶったので、急遽この店に変えたとか。臨機応変にしみったれる男、それがキン先輩。
ということでしみったれツアーは無事終了。なんだか全体的に夢っぽい一日だった。役割を演じるから演劇のワークショップっぽさもあった気がする。
それにしても鵜の木で立ち食い蕎麦にいったのが、2か月前の出来事みたいに感じる。先輩も後輩もお疲れ様でした。
本日一人あたりの予算は、フリーパスの切符代を入れても3000円くらいだろうか。これぞ大人の休日である。平日だったけど。それにしてもよしだ先輩のショーロンパー事件には笑った。今回のメンバーは生粋のしみったれというよりは、気のいい先輩という感じだったが、とにかく楽しかったことは間違いない。
ぼんやりしつつ家に帰ったら、鞄の中から生麺とスープとアンパンと焼き芋が出てきて、あれは夢じゃなかったんだなと思った。
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