特集 2022年5月26日

新緑の植木畑を見に行こう!

私が住む神奈川県綾瀬市の南部から藤沢市の北西部にかけて、植木の生産・販売業者が集まっている。

その周囲には様々な木々を栽培する植木畑が広がっており、実にユニークな景観を作り出している。特に新緑の季節には新芽が彩りを添え、色鮮やかな植木鑑賞を楽しむことができるのだ。

1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。(動画インタビュー)

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通学路沿いにあった植木畑

私と植木畑との関りは中学時代にまで遡る。中学校までの通学路沿いに、植木を育てている畑があったのだ。

これまでは身近すぎて当たり前の存在と思っていた植木畑であるが、最近になって、よくよく考えてみると他の地域ではあまり見られない、独特の光景なのではないかと思うようになった。

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畑の奥にこんもりとした木々が見える(右奥の建物は私が通っていた中学校)
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植木を育てている畑である。ここは背の高い針葉樹が多い
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これなど特に形が整っており、濃い緑色に新芽の明るい色が映えている
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なんか丸っこくてかわいいやつが一列に並んでたりもする

植木畑は現在もまったく変わっておらず、今もなお庭木を育て続けている。むしろ私が中学生だった25年前より、植木畑の面積が増えているような気さえする。

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ここは昔は普通の畑だったように記憶しているが、現在は立派な植木畑だ
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膝ぐらいの高さの苗木が多く、フォルムも色合いもかわいらしい
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同じ苗木が並んでいるように見えるが、よく見るとビミョーに色が違う
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ぶっちゃけ草木の知識はまったくなく、種類とかは分からないのだが――
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新緑の季節ならではの、明るい色の葉を見るのは心癒されるものがある

どうだろう。植木やその苗木が整然と並ぶだけではあるが、なんだか不思議でおもしろい光景ではないだろうか。特に新芽が出て色鮮やかな植木畑を見ていると心がうきうきしてくるものだ。新緑の季節は植木畑を観賞するのに適したシーズンなのである。

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藤沢市葛原の植木畑

先ほど見た通学路沿いの植木畑は綾瀬市であるが、市境を跨いだ藤沢市の葛原(くずはら)地区にはさらに広大な植木畑が存在する。

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この通りの両側すべてが植木畑だ
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先ほどのような整然と並ぶ植木畑と違い、様々な種類が混在している
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これはこれでナチュラルな森林風の趣きがある
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とはいえ偏りがないワケではなく、まぁ、適宜空いている所に植えているのだろう
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出荷前の、掘り出された木があって興味深かった。こうやって梱包するのか
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腕を伸ばしたような松が並ぶ植木畑
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このような竹の枠を添え木とし、意図した形状に育てているようだ

植木の栽培はただ苗木を植えて育てれば良いというものではなく、より美しい見た目になるよう整えるのも必須の技術なのだろう。商品として購入してもらえるよう、ニーズのある姿に育て上げるのが植木生産業者の仕事なのだ。

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刈り込みがおもしろい植木畑

植木の形状を整える方法としては、成長中の添え木のみならず、成長後に葉を刈り込む方法がある。

同じく藤沢市葛原にある植木畑であるが、こちらは植木が様々な形状に刈り込まれていておもしろい。

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車道に沿って広がる植木畑には――
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様々な形状に刈り込まれた植木が並んでいる
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熊だろうか、ぬいぐるみのようで子供が喜びそうな形状だ
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これは鳥だろうか。思いのほか細やかな表現もできるものである
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こっちは飛ぶように走る犬。躍動感のある造形である
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……が、新芽が伸びて輪郭が少々曖昧だ。これからまた刈り込むのだろう
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動物以外のものも、ファンシーな形状の刈込が多い
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なんとスパイラルしているものも。なんていうか、ウン……いやなんでもない

いやはや、なんとも遊び心のある刈り込みではないか。子供のいる家の庭木とか、児童公園や幼稚園向けなのだろうか。それにしてもこれほど複雑な形状にできるというのは、相当に高度な技術なのではないだろうか。

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刈り込み植木群の隣にはヤシが並んでおり、とても南国っぽい
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こっちはバナナ​​​​……ではなくバショウか
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盆栽のような、趣深い枝っぷりの木もあった
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やたらごつい根の木だがこれも商品なのだろうか、掘り返せるのだろうか
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ちなみに、これらの植木畑は東海道新幹線沿いに位置している
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例の謎看板の裏側にも植木畑が広がっているので、車窓からも見えるはずだ
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植木農家は庭木も凄い

植木畑が存在するということは、当然ながらそれを育てている農家が存在する。植木農家の集落は、どのお宅も非常に立派な庭木を構えているものだ。

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葛原の植木農家がある集落。巨木が路地に陰を落としていて良い雰囲気
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植木の生産地らしく、どの家も立派な庭木を配している
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通りから庭木を眺めながら歩くだけでも見応えがあって楽しい
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古い石碑もあったりして、集落の歴史が感じられる
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こちらは藤沢市の宮原。やはり植木の生産・販売業者が集まる地区である
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物凄く巨大かつ四角く刈り込まれた城門のような植木に驚かされた

このような植木農家の集落を見ていると、植木に対する並々ならぬ思いが感じ取れる。「うちはこんなスゴイ植木を育てているんだぜ」という 、自負を篭めた看板代わりなのだろう。

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再び葛原の植木生産地区のたたずまい。この辺りは集落と畑の境が曖昧だ
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最近庭木としてよく見る、レモンなどの柑橘類も栽培している
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庭園に使用する石材や灯篭などが集められた一角があった
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別の植木生産業者も、やはり良い感じの石を集めている
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宮原地区には敷地一杯に石造物を並べている会社があった

植木の生産業者は造園を手掛けているところも多いようで、このように植木のみならず庭石もストックしている。様々なニーズに対応できるよう、多種多様な植木、石材を用意しているところに企業の努力がうかがえるというものである。


新緑の植木畑を堪能しよう

というワケで、今回は植木畑および植木生産集落の景色を鑑賞した。新緑の時期ということもあってどの植木畑も鮮やかな色合いを呈しており、清々しい散策ができたと思う。

植木というと昔ながらの日本庭園、あるいはリッチなお宅の庭木というイメージがあるが、マンションの周囲や公園など、意外と身近なところにもあるものだ。

特に近年は敷地面積の何割を緑化しなければいけないという緑化条例を制定する自治体が増えている。地球温暖化防止の取り組みが求められる昨今において、植木生産は将来有望な業種であり、植木畑は今後も増えていくのではないかと思う。

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緑化条例により、工場の敷地にも多くの植木が使われている
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