ニューヨークの屋台飯といえばこれ!ハラル・フードのトラック
お次はこちらを食べてみましょう。
ハラルがどれくらいニューヨークでは定番かと言うと、香川ではうどん、大阪ではたこやきが定番だよねっていうくらいの定番です。
しかし、ハラルって何でしょう。ハラルとはアラビア語で「許された」という意味の言葉です。つまりハラル・フードはイスラム教の特別な方法で処理された、ムスリムでも食べることが許されたお肉のことを意味します。
アメリカなのに、しかもニューヨークのなのに、イスラム文化圏の食べ物が定番なの?と驚かれる方もいるかもしれません。じつは、このハラル、ニューヨークはちょっと変わった発展を遂げ、アラブ圏では見られない独自のスタイルを築いています。それがこちらです。
これが、ニューヨーク流・ハラルです。肉・米・野菜を底の浅いアルミのお皿に入れて、そこに白と赤のソースをぶっかけたスタイル。
見てください、このビッタビッタにソースのかかったジャンキー具合。もう、食べる前から「俺はうまいぞ」と全身で威圧してきています。
ここで生まれ育った友人によれば、ハラル・フードは「ちょっと健康なイメージがある」そうですが、健康のイメージがぶっ壊れていて怖い。
それでは、いただきます。
ッッッッッマ!!!!!
うんまい。
ターメリックで甘みを引き出されたライスが、一晩漬けられてやわらか~くなったチキンと混ざり合い、舌の上で踊っている。チキンがほどけるたび、ガラムマサラ、クミン、ヨーグルトの香りがふんわりと香るのがたまりません。
このソースがやばい。なんらかの快楽物質が脳からドバドバ出ているのを感じる。ホワイトソースはまろやかで、サワークリームとレモンの風味をトロッとかもしだしています。これがチリペッパーの辛いホットソースを絶妙に中和して、いくらでもいけちゃう禁忌の味。
チキン・オーバー・ライス、うますぎる。たしかにメンタルは一気に健康になりそうな味をしております。
なぜだろう。これを食べていると猛烈に、家のソファでネットフリックスを見たくなってくる。西武ドームでメガホン鳴らしながら野球観戦したくなってくる。もしくはトラックの中で車中泊したくなってくる。
なんかそういう、臨場感がある。最大瞬間風速の味がする。風、吹いてる。過去じゃねえ。未来じゃねえ。いま、ここにある幸せ感じてんだよ!! 地元最高!!!ダチ最高!!!
食べ終わったら急に冷静になって来ました。地元ってなに?ダチってなに?怖い。やはり、チキン・オーバー・ライスからはなんらかの快楽物質が出ていたと思われます。完全に自分を失っていました。
だいぶお腹いっぱいになってきましたが、2品では「食べ放題」と言えなかろう、ということで次もいってみましょう。
見たことのないフードトラックを発見
エチオピア・エリトリア料理の店ですが、実は筆者も初めて訪れます。
大学のある地区はアフリカ系アメリカ人の方も多いため、日本ではまだまだ珍しいアフリカ料理と出会うチャンスもたくさんあるのです。
サブウェイ的な感じで、パンと具材の組み合わせを選ぶスタイルのようなので、適当に注文してみます。
注文を待っていると、にこやかなお姉さんたちに突然ルービックキューブを手渡されました。
「三分で完成させてよ!」と無邪気な無茶ぶりをされ、腰を抜かしてしまいました。こんなことある?いきなりの知性のカツアゲ。
不意打ちに戸惑っていたら、同行していた彼氏が代わりにルービックキューブを引き受け、3面を完成させたのち、景品にジュース一本もらってました。なんだこの展開。
ルービックキューブにびっくりしすぎて何を頼んだか正確には忘れてしまったのですが、なんかサブウェイとは似ても似つかないものが出てきました。
全部、おばあちゃんの家で食べたことあるような味がするのに、どれも知らない味がして、夢でも見てるのかと思いました。
左からひよこ豆、レンズ豆、ケールの炒め物になっています。味の決め手はニテルキッベという、スパイスで味付けされたバター。赤いソースはケチャップではなく、チリペッパーの味がします。
え~と、好きな人はとっても好きな味。