基本的には、サーモス1択
真空断熱タンブラーも色々あるけど、やっぱり真空断熱の老舗であるサーモス(THERMOS)のタンブラーが最高です。
特にこのJDIシリーズは持ちやすいし大きさも各種揃っていて使いやすい。
JDI-400。数字は容量を意味します。400ml入って181g。高さは16cm。
JDI-350。個人的には容量と大きさがちょうどよく、使いやすい。
こっちは300ml入るJDI-300。高さ12.5cm。400より3.5cm低い。やや小さい。
JDIシリーズよりだいぶ背が小さく安定していて、湯呑みっぽいフォルムのJDHシリーズも可愛い。
JDH-280C。光沢のある塗装が施されており、非常に可愛いし手のなじみも良い。
この手の真空断熱タンブラーはさぞかし値段も高いのだろうと思っていたのだけど、実際は700円とか高くてせいぜい1,000円程度だったりするのです。安い、安すぎる。真空断熱タンブラー。(埼玉銘菓み)
保冷性能が特にすごい
魔法瓶は真空断熱と放射熱を反射する加工と、断熱材を入れた蓋で保温(保冷)する。一方、タンブラーには蓋がないため魔法瓶ほどの保温力はない。
例えば95℃のお湯を入れても1時間で56℃くらいまで冷めてしまいます。
熱いものは湯気の発散により熱を奪われやすく、長時間は保温できない。
だけど、冷たいものは重い冷気がタンブラーの内側に溜まるため結構長く保冷できる。
ガラスのコップと比較してみた。
ガラスのコップと真空断熱タンブラーに氷を入れて3時間後、コップの方はすっかり溶けてしまった。結露もすごい。
氷は水になりました。この水は筆者がおいしく飲み干しました。
一方、5時間たっても真空断熱タンブラーの氷は残っているし結露もしない。やっぱ魔法みたいだ。
蓋をしてなくても保冷性能は高いのです。
保温力を上げてみることにした
保冷だけでなく保温性能も上がると色々便利かなってことで、蓋をこさえることにした。作る方法は毎度おなじみ、今やどこのご家庭にもある3Dプリンターでございます。
蓋です。ちょいとCADでデザインしてプリンターに送って待ってれば正確なサイズで作れます。超便利。
JDI-400用の蓋。0.1mm単位の調整をしたので超ぴったり。
重さは17g。材料費的には40円くらいです。
保温性能爆上がり
蓋の性能たるや。蓋なしなら1時間で56℃まで下がるお湯の温度が82.3℃を保てた。すごいじゃない。
95℃のお湯を入れて1時間、まだ82.3℃を保っております。すごい。
湯気が熱を拡散しないだけで、これほど保温性能が上がるとは。蓋は偉大なのでどんどん作っていきましょう。
JDH-280用の蓋。
本体の色と合わせてみました。
パックご飯をお茶漬けにするのが捗る
この蓋を使うと、真空断熱タンブラーでお茶漬けを食べられます(無くてもOKな気がしなくもないけど)。
用意するのは真空断熱タンブラー、パックご飯、お茶漬けの素
パックご飯は『越後製菓 日本のごはん』がいい。趣味で続けてる登山に持っていく時に嵩張らないからだ。
小さい鍋でも温めやすいしゴミも少ない。
ご飯とお茶漬けの素、お湯を入れて3分くらい待つと完成。
はい、お茶漬けです。
分かってる分かってる、電子レンジがあれば真空断熱タンブラーなんか使わずにご飯を温めて普通の器で食べられる。
でも、そういうのが自由に使えない環境もあるのだ。お湯を沸かすことしか出来ないとか、 寒くて速攻で冷めちゃう、-20℃の雪山みたいな。
こういうところでは保温性能が超大事。
お粥にもなる
3分で食べずに30分程度置いておくとご飯がお湯を吸って量が増えます。ダイエット中はこういうのがよい。
2倍くらいに増えたご飯。
真空断熱温泉たまご
みんな大好き、温泉たまごも真空断熱タンブラーで作れる。
冷蔵庫から出したばかりの生卵。
冷蔵庫から出したばかりの生卵をJDI-400に入れて熱湯を150ml~200ml注ぐ。柔らかめが良ければ150mlくらいで、固くしたいなら200ml。
タンブラーに入れてお湯を入れて待つだけ。
僕は蓋を使うけど、蓋がない場合はラップをすればそこそこ保温できるのでラップでもOK。
みんなもこの蓋を持ってれば、あるいはプリント出来ればいいんですけどね。
蓋をしていれば、冷たい生卵を入れてなお、30分経っても71℃を保ちます。
これくらいの温度だといい感じの温泉たまごになります。
はい、みんな大好き温泉たまごが出来ました。
ちょうどよいトロミ。
ラップだとどうなるのか検証してみた
どこのご家庭にもあると言っても、本当に3Dプリンターが日本の全世帯にあるわけではありません。たぶん。
そこで、タンブラーの口をラップで覆ったらどの程度保温できるか検証してみた。蓋ほどの性能は出なくても、多少は保温できるはず。
熱湯200mlと生卵を入れて30分放置。
保温性能の差を鑑みて、さっき150ml入れた熱湯を200mlにしてみました。
30分後、完成。
温泉たまごっていうか、むしろゆで卵に近い?
ちょっと思ったより固い仕上がりになりました。『もしかして:ラップでも十分保温できる?』
固めの黄身はネットリしておいしかった。
思ったよりやるじゃないか。薄いラップ1枚でここまで保温できるとは思ってなかったな。ラップを舐めてたね、SAY、HO、HO。(ラップ違い)
同じ条件で比較
温泉たまごは条件がバラバラだったので、今度はちゃんと同じ量のお湯で同時に検証してみることにした。
99℃のお湯を300ml入れて1時間。ラップ1枚と3Dプリンターで作った蓋の保温性能を比較します。
沸騰したお湯を300ml入れて1時間放置。左がラップ、右が自作の蓋。
1時間後。
3Dプリンター製の蓋で保温した方は81℃。
で、ラップ1枚で保温した方は。
80℃。
はい、解散。かいさーん!3Dプリンター無くてもOK!
ラップ1枚で十分保温できたし温泉たまご作れた!3Dプリンターチームは解散!
(言い訳:でもあれです、しっかりした蓋をしてれば倒しても中身がこぼれにくいし、登山の荷物でパッキングするときタンブラーになんか入れて蓋出来るので便利だし、蓋は蓋で、あれば便利なんです!いいんです!)
結論:温泉たまごを作るための保温はラップで十分。
袋ラーメン作ってみる
はい。
もうちょっと調理っぽい事をしてみたいので、熱湯と真空断熱タンブラーで袋麺を作ってみます。作るのはコチラ、中華三昧。
ノンフライ麺は茹で時間が少し長いので難度が高い。
直径7cm強の口は乾麺を入れるには狭いので割って入れました。
麺がかなり短くなってしまいます。
お湯も、そもそも容量が400mlだし麺も入れたので既定の500mlが入るわけもなく、250mlがせいぜいでしょう。スープは少し余らせるくらいにしないと味が濃くなってしまいます。
はい、もう分かってます。これはダメだ。
スープの素は少し少な目に入れました。
でもって、一応出来ました。
一応食べられる感じではあるが、味はイマイチ。
どういう失敗かと言うと、麺が短すぎてラーメンっぽくないし、もう一歩火が通ってない感じがあります。あと、タンブラーが縦長すぎて食べにくい。
ちょっと容量が足らなかった
400mlの真空断熱タンブラーで袋麺を作るのは無理があったので、真空断熱フードコンテナを使ってみることにしました(タイトルからの逸脱)。
スケーターのSTLB1。おかずコンテナを外して使います。
うちにある真空断熱フードコンテナで最大の容量を持つ、スケーターのSTLB1。容量は600mlあるので規定通り500mlのお湯と麺が入ります。
ちなみに蓋に書いてある英語は『今日は素晴らしい収穫祝い。母なる地球に感謝。自然からの贈り物』という感じ。なんか日本語ラップの歌詞みたいですね。
「今日は収穫、母なる地球に深く感謝、悠久の自然からの送りモノ、依然素晴らしい、この星、HUー』みたいな。
僕はサッポロ一番塩らーめんに感謝をささげる。
収穫に感謝しつつ熱湯500mlを注ぐ。
はい、ジャバー。
3分待ってる間にフライパンで、具の野菜炒めを作る。
そもそもの趣旨から外れる気もしたが野菜炒めを作った。
麺が柔らかくなったのでスープを溶かして野菜炒めをトッピング。
そりゃ鍋で作った方が簡単だしおいしいのだけど、敢えて鍋を使わずに袋麺を作る試みをしたっていいじゃないですか。
はい出来たー。
フライ麺はノンフライ麺より圧倒的に戻しやすく、真空断熱フードコンテナも容量ジャストで使いやすかったです。
意味とかは考えない。
話を戻して真空断熱タンブラー
タンブラーに戻しましょう。
他にも、例えばレトルトカレーを温めるというのも便利です。
JDI-400にレトルトカレーのパックと熱湯を入れて待つだけ。ここでは意地で自作の蓋を使ってますが、ラップでもOKみたいだし蓋の事は忘れてもらっていいです。
どうしても鍋が一つしか使えなくて、カレーをタンブラーで温めないといけない事ってあるじゃないですか、そういう時に使えます。
炊飯で鍋を使っちゃった時はタンブラーでカレーを温められると良い。
で、やっぱ気になったので蓋を工夫した
さっき解散した3Dプリンターチームですが、やっぱり薄いラップ1枚に負けるのはなんだか納得いかないので工夫してみることにしました。
蓋とお湯の間にアルミホイルを挟んでみるとどうなるか。
多分、赤外線とか反射すると思うので放射熱を閉じ込められるはず。
アルミホイルの上から3Dプリンター製の蓋を被せます。
ちったぁ保温力が上がるに違いない。
300mlの熱湯を入れて1時間後。
アルミホイル+蓋の方は82℃。
ラップ1枚の方は78℃。
おお、割と顕著な差が出ました。
更に1時間後。
72℃。
67.3℃。
これは蓋とアルミホイルの効果があったということでどうでしょうか。もうちょっと自分でもなにやってるのかよく分からないですが、今回はこの辺で。
さよなら、さよなら、さよなら。
何をしてたのかと言うと
登山の時に食べ物を温めるのに使えないかなって事をずっと調べていたわけです。
登山では使える鍋(コッヘル)の数や用途に制限があったり、同時に使える火器(ガスコンロ)は大抵一つなので、複数の食べ物を同時に温かくするのが難しいんですね。
冬山はさみーのよ。
そこで、真空断熱タンブラーとか真空断熱フードコンテナ、スープジャーを使うといいんじゃないかと。気温も-20℃とか普通になるので、あらゆる食べ物があっという間に冷めます。
同時に温かく、食べている間も冷めないような工夫、それが真空断熱の活用だったのです。今後も研究していきます。特に、蓋。
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