特集 2021年1月20日

ほぼ日路線図は「みんなで作るおれたちの路線図」だった

ほぼ日手帳と一緒に販売している路線図、あるじゃないですか。というか、あるんですけど、この路線図すごいんですよ。JR、私鉄、地下鉄その他が全部入ってて。

さらに、発売前に画像データを公開して一般から間違いの指摘を募集してるんですよ「ご近所の目チェック」つって。すごくないですか。いや、すごいんですよ。

というわけで、作っているひとに話を聞きに行きました。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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興奮しすぎて馴れ馴れしくなってしまった

いきなり興奮気味に畳み掛けてしまい、たいへんもうしわけありません。

さきほど述べたように、ほぼ日手帳の路線図についてです。

「ほぼ日手帳」は、「ほぼ日刊イトイ新聞」のオリジナル商品として制作・販売されている手帳で、いまや手帳といえばほぼ日、ほぼ日といえば手帳。といわれるほど、手帳の定番商品となった感があります。
その手帳と一緒に使えるように売っている「ほぼ日路線図」というものがこちら。

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数年前までは一部のサイズの手帳のみ付録だったのですが、現在は全サイズ有料で販売しています

手帳のサイズに合わせて3種類の大きさがあり、ジャバラに折りたたんであるものを広げると、札幌、仙台、東京、鎌倉、名古屋、広島、九州北部、新幹線の8つの路線図が表裏にずらりと並んでいます。

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うひゃー(たまらない)

東京を見てみると、JR、私鉄、地下鉄その他をほぼ全て網羅しているのがわかります。近づいて見てみましょう。

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この情報の細かさ!

 こみ入っている山手線内の地下鉄路線の中でも、比較的スカスカだと言われている左上のあたりでさえこのありさま。複数の地下鉄路線を縫うように描かれている都電荒川線は、もはや芸術的ともいえます。これは、日常的に使うものの造形に美を見出す。まさに用の美です。路線図も民藝品といっていいのではないか? そんな気もしてきました。

通常、各鉄道会社ごとに作られる路線図は、自社の路線だけのものが多く、JR、地下鉄、私鉄が全部入った全部入り路線図はなかなかありません。
全部入りの路線図は、時刻表の路線図、ノベルティなどに印刷されたもの、オリジナルで路線図を制作している方の作品などで見かけたことがある程度で、じつはちょっとレアな路線図ともいえます。

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みんな大好きな名古屋の鉄道路線図もしっかり詳しい

いちおう、路線図好きのはしくれとして、いろんな路線図をわりと注意深く見てきたつもりですが、普通に、気軽に購入できる「全部入り路線図」は、ほぼ日路線図ぐらいしかないような気がします。

さらに、ほぼ日路線図がユニークなのは、発売前に画像をネットで公開し、広く一般から間違いの指摘などを受け付けていることです。そんな路線図みたことない。

「最初の路線図が全部入りだった」のが運の尽き

というわけで、ほぼ日路線図はどのように誕生したのかをききに、ほぼ日の事務所までやってまいりました。

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路線図マニアの井上さんとやってきました

10年ほど前から、ほぼ日路線図を毎年買いつづけている、路線図マニアの井上さん、編集部の古賀さんにも同行してもらいました。

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ほぼ日の山川さん(左)と釣木さん(右)(以下敬称略)

対応してくださったのは、かつてほぼ日路線図の制作に携わっていた、山川さん(写真左)と、現担当の釣木さん(写真右)。山川さんは、ほぼ日路線図の初代担当です。

西村「ほぼ日路線図は、2007年からほぼ日手帳で使える付録として制作をはじめたということでしたが、そもそもなぜ路線図を自作することになったんですか」

山川「ファンの人の購入が多かったほぼ日手帳を、もっといろんな人に、一般的に選んでもらえる手帳にしたいね、と言っていた時期に、普通の手帳には路線図がついているよね……という話になって、つけることになったんです」

西村「手帳の付録で路線図は定番ですからね」

山川「で、実は最初、路線図を販売している制作会社からデータを買ったんです。その路線図がたまたま、JR、地下鉄、私鉄が全部入っている全部入りの路線図だった……っていうのが、運の尽きで……」

西村「運の尽き!……たしかに手帳の路線図って地下鉄のみとかが多いですね」

山川「そうなんです、手帳の路線図が地下鉄だけに絞ってあった理由が、後からわかったんです」

井上「(最初につけた路線図が)簡単なやつだったら、こんなことにはならなかったと」

山川「はい。最初に購入した全部入りの路線図データは、当初からデータに誤りが多くあって、修正をお願いしたら、購入された当初のもので納品完了となるので、直せませんということだったんです。そこからは自分たちで直していくしかないということになって……」

古賀「なるほど、そこからいばらの道が始まったわけですね」

山川「最初に購入したものは、こっちで修正する分は構わないということだったので、間違いがわかるところは修正したんですが、次からそれをそのまま使うわけにはいかないということで、横長の現在の形になりました」

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最初のオリジナルデザインのほぼ日路線図(2010年)

西村「この、横長のものに関しては、まったく一から作ったということですか」

山川「そうです」

西村「データを先に公開してチェックしてもらう『ご近所の目チェック』はそのときから?」

釣木「そうですね、2009年にデータを公開して、2010年版で使ったということになりますね」

当初は購入した路線図を使っていたほぼ日手帳ですが、2010年版からオリジナルの路線図 を作って、販売するようになりました。ここからほぼ日路線図の歴史が再出発したといっていいかもしれません。オリジナルのほぼ日路線図は2020年でちょうど10年ということになりそうです。

古賀「でも、2008年〜2010年ぐらいって、手帳の路線図は全部入ってないな〜、全部入ってる路線図あれば便利だなって思ってましたもん」

西村「地下鉄の路線図は駅に行けばあるんですよね。全部入りの路線図って、なかなか無いんですよ」

井上「あっても、地下鉄以外が薄いとか、全部同じレベルで描いてある路線図はやっぱり貴重ですよね」

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地下鉄路線図は駅に行けばあるうえ、カードサイズの路線図を配布しているのでそんなに必要じゃないかもしれません

 「ご近所の目チェック」でどんな指摘が来るのか

ほぼ日路線図は、日本各都市の路線図だけでなく、全国の新幹線の路線図まで入っています。時刻表以外で、新幹線の路線図が入っているものも珍しいと言えます。

山川「新幹線まで入りはじめたころから、かなり病が深くなったような気がしますね(笑)」

釣木「新幹線路線図も、ちゃんとご近所の目チェックが来るんですよ、分岐の方向が違うとか」

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ガーラ湯沢の分岐の方向が違う、これは確かに指摘したくなる

西村「あ、ほんとだ、ガーラ湯沢の向きが逆だったんだ」

釣木「やっぱり、ご近所の方は家の近くのところを見るから、なるべく忠実であってほしいというのはわかるんです。ただ、簡略化して描いているので、指摘に応えられない部分もあるんです」

路線図は、普通の地図とは違って、路線と駅がどのように繋がっているかがわかれば、東西南北の向きや、距離をわざと大きく歪めて描くことがあります。これは、まさに私達が路線図の「時空の歪み」と呼んでいる路線図鑑賞のポイントです。
しかしやはり、自分ちの近くの線路や駅があまりにも違うと、どうしてもきになってしまうのも気持ちはわかります。
ほぼ日路線図では、路線図としての情報の正確さに影響が無いものは、指摘されてもあえてそのままにしておくこともあるそうです。

釣木「乗換え駅の表記『ダンベル』って言うんですけど(形がダンベルに似てるので)、たくさんの方から指摘が来るから、おおいに悩んだ末にダンベルで繋げた……というところもあるんです」 

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乗換え駅の表現「ダンベル」

山川「新御茶ノ水駅とJR御茶ノ水駅かな。乗換え表記は長いこと採用を見送っていたんですけど、とうとう繋げたんですよ」

古賀「どういうことですか」

山川「千代田線新御茶ノ水駅とJR御茶ノ水駅は乗換え駅なんですけど、千代田線新御茶ノ水駅駅と丸ノ内線御茶ノ水駅の乗換えは非推奨、NGなんです」

釣木「でも、(JR御茶ノ水と千代田線新御茶ノ水駅は乗換え駅だという)指摘が来るので、ここは繋げたんです」

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ややこしいけどこうなってます

東京以外にお住まいの人にとってはなんのこっちゃという話ですが、もういちど説明すると……。

①JR御茶ノ水と千代田線新御茶ノ水は乗換え可。
②JR御茶ノ水と丸ノ内線御茶ノ水は乗換え可。
③丸ノ内線御茶ノ水と千代田線新御茶ノ水は乗換え不可。

丸ノ内線御茶ノ水とJR御茶ノ水は、同駅名の乗換え駅なので「御茶ノ水駅」として「小判」と呼ばれる小判型の駅名表記をする。
しかし、御茶ノ水駅を小判型で表記したうえで、御茶ノ水駅と千代田線新御茶ノ水駅をダンベルで繋げでしまうと、丸ノ内線御茶ノ水駅と千代田線新御茶ノ水駅も乗換えできるように見えてしまう……というちょっとややこしい話となります。図解するとこんな感じ。

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丸ノ内線御茶ノ水駅と千代田線新御茶ノ水駅の乗換えは、駅も近いのでできなくもないのですが、運賃を一旦精算しての乗換えになってしまうので、隣の淡路町駅・新御茶ノ水駅で乗り換えしたほうが良いです

これほどややこしさが整理できてない図解もめずらしいですが、もし地下鉄メインの路線図であれば、駅を離して描くなどすればいいわけです。しかし、全部入りの路線図は、地下鉄もJRも同じレイヤーの同じルールの下で表記しなければいけないため、こういう例外的なケーズが悩ましいのです。

釣木「ここ2、3年はやってないんですが、実際に乗換え時間を計りに行ったりもしました。例外も多いんですけど、一応ダンベルの乗換えは3分以内。とか、お互いの駅で乗換えを案内されているとか、そういう基準はあるんです」

駅がダンベルになるのか、小判駅になるのか。微妙なところはいくつもあるそうです。

釣木「京都の西院も、最初は小判駅だったんですが、読みが違うという指摘が来て、ダンベルにしたんですよ」

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小判駅だったのがダンベルに

西村「あー、なるほど。阪急の駅は西院(さいいん)ですけど、路面電車は西院(さい)なんですよね」

山川「表記も読みも同一だったら小判駅なんですけど、そうじゃないからダンベルにしないといけないわけですね」

西村「大阪なんかも大変そうですね……梅田とか」

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イレギュラーな表記となっている梅田駅周辺、阪急中津駅の表記にも注目したい

釣木「梅田は苦渋のダンベルですね……」

山川「大阪梅田に改名しちゃったからなー」

大阪駅と地下鉄の梅田駅周辺は、JR大阪駅、御堂筋線梅田駅、阪急梅田駅、四つ橋線西梅田駅、谷町線東梅田駅とがそれぞれ乗換できることになっているけれど、地下道が迷路のようになっており、それぞれが微妙に遠いという、ちょっとややこしいところです。
さらに輪をかけて、一昨年に阪急が駅名を「梅田」から「大阪梅田」に改名したため、梅田駅の上に、さらに大阪梅田を入れるというアクロバティックな変更が加えられました。すごい。神は梅田駅に試練を与えすぎです。

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最新版の梅田周辺。御堂筋線の歪み具合から「大阪梅田」の苦労の跡が伺える

山川「新駅の名前が長いと胸が痛くなるんです」

古賀「高輪ゲートウェイはどうだったんですか」

井上「高輪ゲートウェイのときに注目してたんですよ、ほぼ日路線図はどうするのかって」

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これが
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こうなった

山川「品川と大井町を近づけてスペースを作ったんです、そのせいで品川から京急がへんな感じで飛び出す形になったんです」

釣木「これが、高輪の二文字だったら……あと、とうきょうスカイツリー駅もなんでひらがなんだと……」

山川「最近はなんでも長くする傾向ありますよね、路線名もアーバンパークラインとか」

釣木「東京さくらトラムもですね」

西村「東京さくらトラムは誰も使ってないから、E電みたいになりますよ」

うっかり、不穏な予言をしてしまいましたが、いくらかっこよくても、アーバンパークラインって言うより、野田線って言う方が言いやすいですし、東京さくらトラムも、略してさくらトラムとか言うよりも、荒川線とか都電って言う方が通じやすいなあとは常々感じています。

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ご近所の目チェックの修正点リスト

釣木「ご近所の目チェックの、リストがあるんです、きた指摘を修正したのか、しなかったのか、その理由をまとめてあります」

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ご近所の目チェックのリスト

井上「おぉ、これはすごい」

西村「これはよく読むと面白いですね……」

井上「指摘がやっぱり細かいですね……副駅名導入、横浜駅横浜そごうポルタ前」

釣木「横浜駅はいろんな路線の小判駅なので、そこに、そごうポルタ前は入れられないんです」

井上「そごうポルタ前の副駅名は京急だけだから、JRとかは関係ないから入れられないんですね」

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ここに京急の副駅名を別途いれるのは無理っぽい……

井上「毎年何件ぐらいの指摘がくるんですか?」

釣木「100前後……でも年々少なくなってきてはいるんですよ」

古賀「完璧に近づいていってるんだ。理想の路線図に」

釣木「ひとりの方が情熱をもって、いくつも送ってきてくださるのもありますね、例えば、地下鉄線路の上下が気になりはじめると、全部見てくださったりとか」

山川「でも、本当にありがたいですよね、それで修正できるところがいっぱいあるから」

西村「本来だったら、お金を払って校正専門の会社にお願いしたりしなければいけないわけですよね」

山川「そうです、それでも校正の専門の会社でもわからない、現地でその鉄道を使ってなければできない指摘も来るんですよ」

井上「こういうのですね『仙台空港線は、仙台駅の案内板やアナウンスでは仙台空港アクセス線とされているので、そう表記したほうがいいです』これは行かないとわかんない指摘ですね」

西村「この資料ほんとにおもしろいですね……」

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うっかり読み込んでしまうほどおもしろい資料……

釣木「ご近所の目チェックの指摘をしてもらうために、明らかな修正点は事前にちゃんと直しておかないと、それを一個でも見逃してしまっていると、そこの指摘ばっかりになってしまうから……」

古賀「やっぱり事前にある程度完璧にしておかないとだめなんですね」

井上「この指摘もすごい……『函館本線は旭川行きになっているが、普通列車の多くは岩見沢止まり、至岩見沢と書いたほうがわかりやすい気がする』細かいですね」

山川「『至』は結構難しいんですよ……行き先をどこの地名にするのか」

西村「そうか、線路はつながっているから、至高崎でも至新潟でも間違いじゃない、どっちを書いたほうがわかりやすいかひとつずつ判断するんだ」

釣木「あと『至』の話でいうと、2年ぐらい前に、至るの字は駅名と同じ級数(大きさ)だから小さくしてはどうかという指摘があって、小さくしました」

西村「そんな指摘までくるんだ、すごい……」

釣木「駅名と同じ級数だと駅名の一部に見えちゃうんですよね」

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至の級数を少し下げた

古賀「正直、駅名の間違いとか、そういう指摘じゃなくて、デザイン上の指摘は言われても困っちゃうのかなと思ってましたけど……」

山川「でも、それで見やすくなるのであれば、ぜんぜん。こういう指摘はきもちいいですね、愛おしくなります(笑)」

古賀「(指摘をくれるひとたちが)おれたちの路線図を良くしようという、自分ごととしてるのが感じられる……」

西村「これ、みんなけんか腰じゃないのがいいですね、こうした方がいいと思いますとか」

釣木「ほぼ日に対して、一緒に作ろうという気持ちでいる方が多いのかなという気がしますね」

「行くとつなげたくなっちゃうんですよね〜」

西村「リストに「殿堂入りの×(修正しない)」ってのありますけど、なんですかこれ」

釣木「これは、JR神戸線と山陽電鉄が並走してるところですね。乗換えしようと思えばいけるんだけど、全部ダンベルにしたら、はしごみたいになっちゃうから見送ってたんです……」

山川「公式に推奨されている乗換駅というのがあるので、そこだけにしましょうということにしていたんです」

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上が古いもの、下が乗換えを増やしたもの。当初は駅がつながっているところのみを乗換駅としていました

釣木「なんですが、何度も指摘がくるので、実際に行って確認して、つなげたんです。……行くとつなげたくなっちゃうんですよね〜」

古賀「あ、行くとご近所の目になっちゃうんだ」

井上「まあ、乗換えできなくもないなぁーという気になるんですね」

古賀「情にほだされて……意外とエモーショナルですね」

(東急が)もう、大好き!

山川「私、はじめたころに感動したことがあって……カタカナの『ケ』で、〇〇ヶ丘とかありますよね、このケが、大きいのか小さいのかっていう指摘がめっちゃ多かったんですよ、『小さいヶで書いてありますけど、うちは本当は大きいケです』みたいな」

古賀「ケ、二種類ありますね」

山川「で、ケを全部チェックしようということになって」

古賀「『ケ』チェックの会!」

山川「すごく大変だったんです、ひとつずつ連絡して、ケは大きいケですか、小さいヶですかって聞くんです」

井上「大変だ……」

山川「で、いろいろ調べていると、東急さんは『ヶ』を全部ひらがなにしてるんですよ! もう、大好き! ってなりました」

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碑衾(ひぶすま)町にできた「自由ヶ丘学園」という学校にちなんで、鉄道駅の駅名に「自由ヶ丘」が採用されたため、それにつられて地名も、碑衾町から自由ヶ丘に変更されました。後に、自由ヶ丘は、駅名も地名も自由が丘に変更されて今に至ります

井上「自由が丘、梶が谷、市が尾、藤が丘……」

古賀「あー、本当だ! わたし東急沿線に住みはじめて長いですが、気が付かなかった……」

西村「統一されてるんだ。ケだけじゃなくて、ノもひらがなになってますね。溝の口も東急はひらがなだけど、JRは武蔵溝ノ口ですね」

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ケやノをひらがなにひらくこれらの改称は1966年、田園都市線が長津田まで開業した際に、合わせて改称されたものがほとんどのようです

釣木「地方の鉄道とかだと、駅の表記と路線図の表記が違ってたりするんですよ、公式でも統一されてなかったりして」

西村「東急は統一したんですねー」

古賀「うち、親会社が東急なので、東急褒めありがたい……」

西村「路線図をずーっとみていると、そういうことに気づいてくるのがおもしろいですね」

古賀「世界の解像度があがるということですよねこれ、次から電車乗ってても気になりますもんね、『が』が」

西村「これ『東急の「ケ」は、ぜんぶひらがなの「が」なんだよ〜』ってしみじみいえるの、文化の豊かさってこういうことですよ」


「生き物」の世話係

「路線図は生き物」という言葉があります(言ってるのは、ぼくと井上さんだけですが)。

まさに、路線図は日々進化し、あたらしく新陳代謝しています。

ただ、そういった進化はほっといたら勝手にそうなるわけでなく、誰かが手を入れてメンテナンスをして育てているからこそ、生きていると言えます。

ほぼ日路線図は、路線図という生き物を、みんなで育てている。おれたちの路線図……クラスみんなで面倒をみている亀のような。そんな存在なのかもしれません。

取材協力
ほぼ日刊イトイ新聞
ほぼ日の路線図2021

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