ちょっと聞いてよ 2023年1月8日

第1回「函館そっくりさん」選手権

これにそっくりな場所をさがします

函館みたいな場所、函館以外にもありそうだなと思ったので、グーグルマップを使って調べてみました。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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函館みたいな場所とは?

函館の函館山展望台から市街を眺めた風景は、皆さんご存知かと思います。グーグルで「函館」を画像検索すると、函館山からみた函館市内の夜景写真がズラズラっと出てきます。「函館の地形」と言って、ピンとこないひとはぜひ検索してみてください。

函館の町は、いわゆる陸繋砂州のトンボロに、市街地が形成されてできました。陸繋砂州とは、海に浮かぶ島に向かって、砂が細長く堆積し、トンボロという陸地で島と陸がつながったものがそれです。

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陸繋砂州とトンボロ

江ノ島やモンサンミッシェルなどが有名ですが、砂浜だけでなく、出来たトンボロの上にかなりデカイ町が発達しているのが、函館の地形の特徴です。

トンボロの上に町があれば、函館っぽいくみえるのではないか。

そんなふうにおもったので、グーグルマップでいろいろと調べてマイマップにまとめてみました。

このなかから、面白そうなものをいくつかしょうかいします。

優勝候補の函館そっくりさん4つ

いきなり優勝候補から紹介しましょう。まずは山口県の瀬戸内海側、光市の室積です。

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山口県光市室積 ©Google(https://goo.gl/maps/73FVF3so6zSUxYgp9)

左側に港がある感じ、右側の砂浜がまっすぐ伸びている感じ。これはなかなかいい感じで函館に肉薄しているのではないでしょうか。上空からみると、右側にさらに小さい砂嘴(象鼻ヶ岬)があるのもなかなか可愛らしくポイント高いです。 

室積は、江戸時代から開けた港町で、瀬戸内海交通の要衝だったようです。港町として栄えるというのは、陸繋砂州に発達した町の宿命でしょうか。

山口県からもうひとつ、今度は日本海側にある萩市越ケ浜です。

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山口県萩市越ケ浜 ©Google(https://goo.gl/maps/Cxtv7MvaTc1J4CKW9)

石州瓦のオレンジ色がいかにも中国地方といった雰囲気が出てて好感が持てますね。規模はちいさいものの、シュッとまとまった陸繋砂州っぷりは、なかなか好もしいものがあります。

手前にある山の笠山は、標高112メートルの小さな山ですが、直径30メートル、深さ30メートルの噴火口を持つ火山です。山の麓にある明神池は、海水が入り込んでおり、タイやボラなど海の魚が泳ぐ珍しい池だそうです。 

越ケ浜の地名は、反対の浜まで船を容易に引いて持っていくことが出来たからと言われています。このように、陸地が狭まっている場所には船越だとか、越ケ浜といった「越」の付く地名がよくあります。

日本海側からもうひとつ、島根県大田市五十猛もなかなかの函館っぷりです。

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島根県大田市五十猛 ©Google(https://goo.gl/maps/9UgUJUWx4x7ea97m8)

さきほどの越ケ浜同様に、石州瓦のオレンジ色が美しいですね。サイズは小さいものの、形の函館っぷりは様になっています。左側の砂浜が防波堤の影響でギザギザになってるのもなんだかおもしろいです。 

五十猛、初見で読める人少ないとおもいますが「いそたけ」と読むそうです。素戔嗚命(すさのおのみこと)の息子、五十猛命(いそたけるのみこと)が、父とともに上陸した場所だからというのが由来だそうです。

なぜか、中国地方に集中している函館そっくり地形ですが、それ以外にもいい函館そっくりさんがいるんです。鹿児島の甑島(こしきしま)列島の上甑(かみこしき)島です。

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鹿児島県薩摩川内市上甑島 ©Google(https://goo.gl/maps/QxQsF8toQKsYwAjr8)

これ、すごくないですか? 真ん中の町は、里町里(さとちょうさと)という、山本山みたいななまえの集落ですが、市町村合併前は里村という地名でした。北側から里村を見た姿は、左側の港といい、右側の砂浜といい、ほんとうに函館みが濃厚です。 

実は、南側の山には「トンボロビュースポット」という場所があり、このトンボロを一望できる場所があるのです。ネット検索してみると、そこからの眺めもかなり函館感があることがわかります。今年は、ここにトンボロを見に行くのが目標です。

以上、いきなり優勝候補を4つ紹介してしまいました。

以下に本物の函館を混ぜて適当に写真を配置してみますが、どれがホントの函館かわかりますでしょうか?

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©Google(https://goo.gl/maps/9UgUJUWx4x7ea97m8)
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©Google(https://goo.gl/maps/73FVF3so6zSUxYgp9)
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©Google(https://goo.gl/maps/iFo7SQUq48SEu8Zj8)
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©Google(https://goo.gl/maps/QxQsF8toQKsYwAjr8)
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©Google(https://goo.gl/maps/Cxtv7MvaTc1J4CKW9)

どうでしょう。

さすがに函館はどれかとなると、バレバレですね。街の大きさですぐわかりますね。トンボロの上に形成された町に25万もの人が暮らすのは、世界でも珍しいのではという気がします。

有名なあそこも、実は函館そっくり地形だった

上で紹介した優勝候補の函館そっくり地形ですが、さすがに人口25万の函館と比べてしまうと、いずれも街の規模が若干小さめなのが気になります。こんどはトンボロにある街の規模が大きめ、という場所をいくつかみてみましょう。

本州の最南端、潮岬はみなさんご存知だと思いますが、その潮岬も実は函館そっくり地形でした。

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和歌山県東牟婁郡串本町 ©Google(https://goo.gl/maps/EhcZWwZCkAogASRu6)

串本の町ですね。串本町は人口1.6万ほどですが、街の規模感はかなり近いのではないかという気がします。

ただ、潮岬の島や紀伊大島などは地形が複雑なので、引いてみると、函館っぽさはかなり薄れます。 

いったん広告です

続いては、室蘭。

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北海道室蘭市 ©Google(https://goo.gl/maps/V2fHpFeg9u6YCCwX7)

室蘭は、製鉄や石油化学工業などで栄えた人口8.8万の大きな町です。

この街の市街地や工場などがある絵鞆半島は、地形を見てみるとたぶん陸繋砂州だと思いますが、埋め立てがされており、ちょっと函館のような雰囲気はなくなっています。

最近、徐々に人気が出ている室蘭の工場夜景などは、函館の夜景に迫るものがあります。

 

最後に渡島(おしま)半島を見ておきましょう。

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渡島半島 ©Google(https://goo.gl/maps/6t1F6g3dJ4c9S2Fd7)

よく「函館の細長いところと勘違いしている人が多い」と話題になる渡島半島。
勘違いしている人にとっては「渡島半島」という名称も知らない可能性が高いわけですが、実際グーグルマップでみてみると、全然違うことがわかりますね。
海岸線の雰囲気などは似ていると言えなくもないですが、やっぱりサイズが違いすぎる。

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フラクタル構造みのある渡島半島と函館

昨年『水曜日のダウンタウン』でもやっていましたが「渡島半島が函館だと思っている人」は意外と多くて、青森県在住のぼくの親戚は、ぼくが指摘するまで、そう思っていたようです。
函館対岸の青森に60年以上住んでいる人でさえそう思っている人がいるぐらいなので、他にもかなりの数いるでしょう。


優勝は……投票で決めます

というわけで、タイトルで「選手権」と名乗ってしまった以上、優勝を決めなければいけません。が、私が独断で決めるのもなんなので、Twitterのアンケートで決めることにしました。以下のTwitterアカウントで投票うけつけいたします。

@tokyo26

優勝候補としてエントリーした4つの地形(山口県光市室積、山口県萩市越ケ浜、島根県大田市五十猛、鹿児島県薩摩川内市上甑島)のうち、いちばん函館にそっくりだと思ったところに投票してください。

それではよろしくおねがいします。

 
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