スイーツ=少し、を変えたい
というわけで東急沿線さんぽ、今回はスイーツです。コーヒーと一緒に読んでください。
パンケーキのおかわりをください
よく世の女性たちが「パンケーキを食べたい」と言っているのを聞くが、今までの人生で食べたことがない。私自身、甘いものは好きだがコンビニに売っているシュークリームを食べるだけで満足する人間である。パンケーキなんて、UFOや雪男などと同じぐらいの架空の食べ物とかじゃないのか。現実にあるとしたら、人生経験として食べたほうがいいと思う。
東急東横線自由が丘駅から歩いて10分ぐらいの場所にある「RusaRuka東京 自由が丘店」。もともとは福岡にあったお店が東京に進出したそうだ。
お店の外観から放たれる「おしゃれなお店でございます!」というオーラに足が震えながらも店内に入る。
パンケーキはうわさ通り、女性が好きな食べ物なのだろう。友人と男二人で来たのが浮く。気をしっかり持ってパンケーキを食べよう。
ぐりとぐらのパンケーキもいつかは食べてみたいが、注目したいのはメニューに書かれた魅力的な文字。
なんとパンケーキの食べ放題なのだ。おかわり自由なお店はご飯おかわり自由のやよい軒しか知らないので、食べ放題なんてすてきだ。
モーニングメニューの中から注文をして出てくるのを待つ。
最近、新聞を飲みながらビールを飲んでいるおじさんが多いお店にしか行ってなかったので、このおしゃれな雰囲気に負けてしまいそうである。コップの水の減るスピードが早い。
水を飲みきったので、テーブルに置いてあるボトルを手に取ったら「それ多分、メープルシロップですよ」と言われた。危なかった。メープルシロップを飲む男になるところだった。
おしゃれなお店だからこういうのに水が入っているのだと思った。だって、こういう水とうを会社に持って行く人いるじゃないか。
そんな落ち着きのない行動をしていたら注文していたパンケーキたちがやってきた。
到着したメニューはどれもインスタ映えする見栄えである。あと、横文字。
ほのかな甘みのパンケーキにレモン風味のクリーム、そして、ブラックペッパーがアクセントになっていて、これはおいしい。
あと、気づいたのはホットケーキのように厚さがないのでペロリと食べきれる。
おいしい。パンケーキは無限に食べられるかもしれない。そんなことを思っていると隣の席の女子たちがかわいいポーズで写真を撮り始めた。もしかしたら、ここはそういう空間なのかもしれない。周りを見ても写真を撮っている女の子たちが多い。郷に入っては郷に従えというので、われわれも取ってみよう。
でっかいパフェを食べに行く
続いての甘いものパフェだ。喫茶店で出てくるパフェもでかいがもっと大きなパフェを見たい。でっかいパフェを食べるべく、やってきたのは東急目黒線の武蔵小山である。
商店街を進みながら数分、洋風な古さが素敵なお店が出てきた。
ケーキのテイクアウト販売もしているが、店内ではコーヒーなどを飲める喫茶店のようなスペースもある。
全長60センチ、重さは3.5キロのパフェの王、キングパフェである。昭和60年に生まれて平成が終わるこの時代まで愛されてきた。
ジャンボパフェもあるが、これでも少し大きいので2人でわけて食べてもいいかもしれない。
そして店内に入ると数え切れないほどの有名人たちのサインが。キングパフェを目当てに取材も数多くされている。博物館ぐらい飾られているサインを見るだけでも楽しい。
異国のような雰囲気の店内でコーヒーを飲む人たち。外国に来てしまったのかと思うが、隣に座っている年配の方々が年金の話やら「あそこのおじさん最近見ないわね」「平成の次、なにになるのかしら」という話をしていたので海外に行っていた気持ち日本へと帰ってきた。
キングパフェを注文しようと店員へ聞いてみる。今までの経験上、炭水化物なら1kgぐらい余裕である。しかもスイーツなんて甘いもの、お腹にはたまらないだろう。
ただ、念のためである。一応、聞いてみる。
「すみません、キングパフェって一人でも食べきれますか?」、「いや、厳しいと思いますね。」
怖かった。残すのが怖かったんです。気づいたときには「じゃあ、ジャンボパフェで」と言ってしまっていた。こういうところが会社で昇進しない理由かもしれない。あと、隙あらばさぼろうとするからか。
しかし、負けた気持ちのままではダメだ。当たって砕けろの精神で友人と行った。リベンジである。
これは弱い自分を乗り越える物語
もう逃げない、そんな気持ちでやってきた。昨日の夜からなにも食べていないのでお腹が減って仕方がない。
テーブルにエベレストが来たのかと思ったらキングパフェだった。あまりの重さに店長自ら持ってきてくれた。
ソフトクリームなので早めに食べないと溶けてしまう。どのくらいの時間で完食できるのか。
取り皿に盛られたソフトクリームはこれ1杯で普通のパフェぐらいの量がある。こんなにソフトクリームを食べてもまだパフェを楽しめるなんて良い。
普段、コンビニやスーパーで売っているアイスは小さく、すぐに食べきってしまうが、このパフェなら満足以上の量が味わえる。ソフトクリームが上の乗っかっているだけであとはコーンフレークだけのかさ増しパフェがあるが、このパフェは下までぎっしりとソフトクリームが入っている。全然減らないとんちみたいなソフトクリームである。
食べ始めてから30分弱、ようやく山はなくなり、グラスの中を食べ進める。気づいたのは甘い物って飽きるなということである。
甘いものはだいたい塩やしょうゆで味がついた食べ物のあとに少しの量で出てくるだろう。よくできた構成である。どこでもいいのでシェフを呼んでお礼を言いたい。そして、ちょっとだけこのパフェを食べて行ってほしい。
2時間甘いものを食べ続けると頭がぼーっとする。頭が働かない。対面の席に座る友人が500メートル先にいる感じがする。
「残り少ないから食べていいよ」と遠回しに食べきってほしいアピールをしたが、温かいコーヒーを注文して黙ったので私がいただきます。
1時間あれば食べきれるだろうと思ったがスイーツだけに甘かった。満腹ではないのだが、手がパフェへのびない。休憩をしたり、コーヒーを飲んだり、ピザトーストを食べるか相談していたら2時間半ぐらいかかった。
しょっぱい料理よりも甘いものほうが同じ味に飽きるのが早いかもしれない。
今回、2人で挑戦したが、4、5人で食べる人が多く、1人で食べ切れる人もいるらしい。胃が宇宙なのか。
余談だが、武蔵小山は商店街が充実しており、そこで飲み食いしたあと、清水湯という温泉施設に行くのもおすすめです。以上、情報でした。
初めてのハニトー
最後は存在は有名だが食べたことのないものを食べたいと思う。
皆さんは「カラオケ パセラ」をご存じだろうか。
首都圏および関西圏を中心に計19店舗(wikipedia情報)があり、ご飯に力を入れているカラオケ店でもある。
そんなパセラには名物のスイーツがある。ハニートースト(通称:ハニトー)という食べ物だ。
編集部の安藤さんも食べたことがなく、食べてみたいということで一緒に食べに行った。
飲み物と一緒にハニトーも注文する。カラオケに来たのだから1曲ずつ歌ってから注文しようと思っていたが、先に注文して正解だった。
トーストが大きいために調理に時間がかかり、届くまでに30分以上かかる。鳥貴族の釜飯と同じである。行ったらすぐに注文しよう。待っている間、カラオケを満喫する。
電話では「受け付けていないんですよ」と言われて恥ずかしさを感じた。カラオケに行かなすぎてシステムがわからない。
安藤さんは以前、カラオケ大会に出ることになり、1時間ずっとラブ・イズ・オーバーを練習したそうだ。
この動画のときである。
そして、自分は音痴なので人とカラオケに行くということがない。昔、一人カラオケを趣味でやっていたが2、3年行ってない。
2曲歌っても全然来ない。カラオケに行かない人たちの持ち歌がなくなっていく。歌える曲を増やそうと安藤さんと今後のカラオケ対策を話し合った。
そして、サザンオールスターズの「愛しのエリー」を歌っているときにやってきた。ウェディングケーキが来たのかと思った。
トーストというからには6枚切りとかの薄いパンが来るかと思ったら、1斤(きん)ぐらいある。大きなトーストにたっぷりのはちみつ、そしてバニラアイスが乗っている。
このボリュームのある食べ物を食べながら歌うなんて、さては食いしん坊が来るお店だなと思ったが、多分普通の人たちは1人1斤じゃない。
安藤さんの歌が終わり、早速食べてみよう。初めてのハニトー、そのお味はいかに。
たっぷりかけられたはちみつがパンに染みこみ、そこにバニラアイスの甘さも加わる。甘いもの好きにはたまらない。疲れた脳が目覚めるほど甘い。
そして、底に行くほどはちみつが染みこみ激甘である。梅雨の時期に傘を持って歩かないぐらい甘い。
安藤さんいわく「武器になるぐらい甘い」そうだ。
食べても白いお皿はもらえないが、楽しい祭りの始まりだ。歌いながら食べよう。
ハニートーストがおいしいのは事実だ。しかし聞きたい。これを食べるタイミング、難しくないですか? パンが口の中の水分を全て奪うなかで、キン肉マンなんて歌えやしない。
さすがに2斤食べるのはきついというより、集中して食べたいときに音楽はあまり必要ないかもしれない。
安藤さんが歌う浜田省吾の音量、少し下げようかなと思った。ハニトーにロックは合わない。クラシックとか流してほしい。
このあと、甘さに負けてしまい食べきれなかったがスタッフがおいしく頂きました。
エンディングです
というわけでこれをもちまして無限に食べられる3部作はいったんおしまいです。みなさんありがとうございました。
エンディングは尾崎豊の「卒業」でお別れです。ちゃんと歌詞を書くと怒られそうなので替え歌でお送りします。それではどうぞ。
あなたの無限に食べられるものはなんですか?
そば、チャーハン、スイーツと無限に食べてきた。どれもただ大きいだけではなく、オリジナリティーのある作りでおいしかった。まだまだおいしいお店はあると思うので、見つけたらメモしておきます。無限に食べられるシリーズ、ごちそうさまでした。