チャーハンは永遠(とわ)





というわけで今回は魅力的なお店が集う東急線沿線でチャーハンを無限に食べてきました。チャーハンよ、永遠なれ。
1.5キロの大盛りチャーハン
お店ではたまに半チャーハンなどが置いてあるが、なに甘いことを言っているのだと思う。大盛りのチャーハンを食べたい、いや無限に食べたい。
そんなことを思って探していたら東急田園都市線の高津駅に願いをかなえてくれるチャーハンがあった。

歩いて10分ほどで大通り沿いにそのお店はある。「長崎ちゃんぽん」という名前だ。

その名の通り、長崎ちゃんぽんをメインに皿うどんや丼ぶりや定食を提供しているお店である。近所に住む常連さんや働き盛りの人で人気のお店だ。
メニューを見ると、ちゃんぽんや皿うどんの名物が並ぶ中、違和感がある食べ物が。

ほとんどのメニューが1000円以下なのに、チャーハン大盛だけが1200円。キャビアとかトリュフが乗っていたら焦る。どんなものが出てくるのか期待に胸を躍らせながら早速注文する。


鍋とお玉が一定のスピードで振られており、カンカンと心地よい音が厨房から聞こえる。クラブとかで流したら盛り上がるし、お腹も減ると思う。
そして、10分ほどでチャーハン大盛がやってきた。


お米だけで1.2キロ、具材と会わせたら1.5キロあるそうだ。わかりやすく説明するとお茶椀8杯ぐらいである。末広がりで縁起がいい。

具材はかまぼこ、ネギ、たまご、細切れのチャーシュー、そして味付けも塩味というシンプルなチャーハンだ。
よく茶色のチャーハンがあるが、オイスターソースや醤油を使っているのでお米に色がつく。しかし、塩をメインに隠し味で仕上げたこちらのチャーハンは白く、さっぱりとした中にも奥深い味がある。
そして、もちもち感とパラパラ感が絶妙である。よくパラパラを売りしているチャーハンがあるが、それよりも少ししっとりしている、家庭でつくったような雰囲気のあるチャーハンだ。絶品のチャーハンである、無限に食べられるぐらいおいしい。
あまりのおいしさに「どうやって作っているんですか?」と聞いたら、「ダメだよ兄ちゃん!企業秘密だよ!!」と気さくな人柄の店長に笑いながら秘密にされた。

チャーハンと言えば、一緒についてくる中華スープである。ラーメンのスープであったり、鶏ガラスープだったりと様々だが、チャーハンには欠かせない存在だ。特にチャーハンの量が多いと絶対に必要である。
口の中を一度リセットするのに、またはスープチャーハンにして、お茶漬けのようにさらさらを口の中へかっ込んだりするのにいつでも横にいてほしい。

休憩中の店長にチャーハンについて聞いてみた。「この量が出てくるのを知らないで注文してしまう人もいて、持ち帰りをする人もいるね。兄ちゃんも無理しないでいいからね。あ、でも食べきるな、すごいね、頑張れ!」と声援をもらい、「俺も負けられない」と自分のまかないを急いで食べ始めた。


「また来てよ!」と店長に声をかけてもらいながらお店を出る。素敵なお店だった。
そして、知ったことはチャーハンは1.5キロぐらいが満腹になる。自分の限界を知ることができてよかった。このあとも無限にチャーハンが出てきます。
フライドチキンが乗ったチャーハン
カニチャーハン、あんかけチャーハンなど色々な種類があるが、もっとチャーハンには無限の可能性があるのではないか。そんなことを感じさせるチャーハンがある。



興奮しているのか、急な坂を登ったせいかはわからないが、息を荒くしながら歩くと見えてくるのか、新しい世界と書いて「ラーメン新世」である。


普通盛りと大盛りがあったが、いつだって大盛りを選ぶ人生でありたい。大盛りでお願いします。
メニュー表を見るとラーメンもおいしそうである。

チャーハンの量が少なかったら追加でラーメンを頼もうとしていた。しかし、やってきたチャーハンを見て考えが変わる。


チャーハンが見えないほどの大きなフライドチキンが3つも乗っている。こんなワイルドなチャーハン見たことがない。
ちなみに普通盛りでご飯だけが500グラム、大盛りにすると700グラムだが、フライドチキンのおかげでもっと大盛に見える。


注文する人の多くは、家族や友人たちと分け合って、ラーメンと一緒に食べるらしい。確かに分け合って食べる人が多く、一人で食べようとしている人がいない。でも、チャーハンに対して全力でぶつかっていきたいので、一人で食べさせて頂きます。



フライドチキンは胸肉を揚げたもので、サクサクした衣に濃いめの味付けなのに対して、チャーハンはさっぱりとした味。ちょうどいいバランスで飽きずに食べられる。
ご飯がパラパラとしていてチャーハン単品でもかなりおいしい。家の近くにあったら通いたい。
おいしい。それは間違いのない真実なのだが、フライドチキンってお腹にたまるな。




量で言うと先ほどの「長崎ちゃんぽん」のお店ほどではないのだが、気持ちを強く持たないと満腹になってしまう。もし、お腹いっぱいになりたかったらフライドチキンとチャーハンを一緒に食べることをおすすめします。

もうすぐ完食であるが、普通ならこれで1人前ぐらいの量である。そう思うと笑ってしまう。友人に「食べたいならあげるよ」と聞いたが「大丈夫です」と敬語で言われたので自分で食べる。


途中「まだフライドチキンが1枚まるまる残っているな」と思ったときは完食を諦めかけたが無事に食べ切れて安心した。この経験を自信につなげていつか何かしらで優勝できるように頑張ります。


渋谷にある町の中華屋
最後は若者の街、渋谷で愛される中華料理屋である。大盛りのチャーハンがそこにはあるらしい。


ラーメンやチャーハンはもちろんのこと、とんかつやカレーなど町の中華料理屋っぽいメニューが並ぶ。


手際の良さが厨房から聞こえてくる音で伝わってくる。どんなチャーハンが出てくるのかを楽しみにしながら周りを見ると男性しかいない。
大皿のレバニラ定食や中華丼を食べている。それもおいしそうだ。あとから入ってきた若者(男)は嬉しそうに「からあげ食べちゃおうかな~」って言っていた。




チャーハンがやってきた。僕らの町にチャーハンがやってきた!そんなテンションにもなる。なぜなら2日間、ごはんを抜いてきたから。でも、あまりの空腹にお昼に雑炊を食べた。



黄金色で輝いているチャーハン。たっぷりの卵と、チャーシューから出る甘みや抜群の塩加減が空腹の胃袋をわしづかみしてくる。男性が好きな味である。

「普通盛りのチャーハンと餃子でちょうどいい」「味もちょうどよくて、家でたまにできるうまくいったチャーハンの味」「ここまた来よう」と太鼓判である。


今まで2店に比べると量が少ない(それでも一般的なお店よりも多い)ので気持ちに余裕を持って食べられる。気持ちに余裕があると、ご飯は2倍おいしいし、世界が楽しく感じられる。


食べた結果、腹5分目ぐらいだった。これぐらいの量なら全然大丈夫だろう。せっかく来たのだから、2杯目に行ってみようじゃないか。
大盛りチャーハンが牙をむく


そのとき、思いも寄らない注文に厨房から笑い声が聞こえた。あいつ、まだ食うのかと思われたのかもしれないがこっちは1.5キロ食べた男だぞ。どんと来い。
そして、注文して10分もかからないうちに五目チャーハンがやってきた。

びっくりするぐらいの量が来た。1.3キロぐらいありそうである。思い返すと、先ほどのチャーシューチャーハンは「たいしたことがないな」と思っていたが、あれは試されていたのかもしれない。
女将、店主たちの「冗談みたいな注文をする奴は許さない」という強い気持ちが五目チャーハンに込められている気がする。その挑戦、受けようじゃないか。しかし、見た瞬間に5割だった満腹度が、8割になった。視覚だけで満腹になれるチャーハンだ。



ほぼお腹いっぱいになったときにチャーハンを食べたことがあるだろうか。全然減らないのだ。本当に無限にあるのでは思うぐらい減らない。誰か見てないすきに足している気がする。


空腹の時だったら15分あれば4分の1ぐらいは余裕で食べられるだろう。だが、大盛りを食べたあとは進まない。そして、限界が近くなってきた。こういう大盛りを売りにしているお店では「残った分はお持ち帰り」ができるお店が多い。
確認していないが、きっとできるだろう。

「持ち帰って家でもチャーハンを食べたらずっとチャーハンを食べなきゃいけないですね」と談笑していた。
その場で食べきらないのはなんとなく負けた気がするが、無理をするのも良くない。思い切って「持ち帰れますか?」と聞いた。

しかし、女将から意図しない衝撃的な返ってきた。
「うちは持ち帰りはやってないです。」

もしかしたら「無限に食べられる」という言葉を安易に使い過ぎていたのかもしれない。そして、1.5キロ食べられたということに慢心していたと思う。チャーハンが牙を剥いた瞬間だった。無間地獄チャーハンの始まりである。

持って帰れないという事態に絶対に食べきらないと行けない状況が生まれてしまった。ご飯ってのびのび食べるものだろう。なんだ、この緊張感と絶望感漂う食事は。
そして減らないのだ。どんなに食べても減らない。あと少しだろうと思うが、その少しが全然減らない。本当に無限のチャーハンがそこにはあった。
減ったようにみせるために、一部分だけを集中的に食べて、お皿の底が多く見えるように食べたりした。お皿の白い部分が多く見えると、「減ってきたな」と心の安心感を生む。工夫をしないとこの量は食べきれない。

いつもなら1分もかからない量が15分ぐらいかかる。「近くのシェアオフィスに誰か編集部の人っていないですか?食べてもらえないですかね」と安藤さんに聞いたら苦い顔をしていた。






料理を食べきった達成感に満ちあふれている。チャレンジメニューでもないので賞金などは出ないがこのうれしさは普段の食事では味わえない。餃子を食べなければ余裕で食べきれた可能性もある。そういう強がりをしていきたい。

安藤さんから感想をもらった。
「帰りに横浜駅で電車が止まったが、立っていると体がぼんやりと重く、熱い。なんだろう、消化している感じがしない。胃があきらめた感じがする。帰りにガリガリくん買って食べながら歩いて帰りました」
僕は1時間歩いて帰りました。お腹は全然減りませんでした。
中華料理屋のメニューをずっと読んでいたい
