まずは練習をしてみる
ルールとしては以下のとおりだ。
・目隠しした状態でにおいをかぐ
・正解だと思う料理を作ってみる
いきなり料理を作って失敗するのも怖いので、最初は買って来てもらった料理を買ってくることにした。
好きな人も多いマクドナルドのポテト。「マクドナルドのメニューは独特の油のにおいがするので、わかりやすいかもと思って買ってきました」と友人の中では簡単な問題らしい。
食べたら正解する自信があるが、においだけでわかるのか。
かいでみて感じたのは「あげものにおいがする」「チキンラーメンのような味の濃いにおい?」だった。
答えを知ったあとに「ホクホクがあったかもしれない」と思ったが、においにホクホクなんてあるのか。じゃがいものにおいが頭の中で「ホクホクしている!」と思わせたのかもしれない。
写真だとかいでからわかるまで数秒のできごとだが、実際にやってみるとにおいで記憶を呼び起こすにはかなり時間がかかる。ポテトのにおいを10分近くかいでいた。食べる頃にはちょっと冷めていた。
もう1品、練習をする
出だしから不正解である。不安なのでもう1つだけ練習させて下さい。
これなら正解できるだろうと簡単な問題を出してもらった。発酵した食品独特のにおいがポイントである。
酸っぱいにおいがヒント?
ここからが本番である。においだけで料理を作ってみよう。今のところ1勝1敗。まず1品目、買ってきてもらったのは意外な品だった。
買って来たのはウインナーを焼いたものである。料理?食べたかったの?など色々な疑問はあるでしょうか、そういう気持ちはグッとこらえて仕事や勉強の活力にしてください。
かいで感じたのは以下の通りだ。
・コンビニのホットスナックから漂うにおいに似ている
・酸っぱい?
なにかわからないが、とりあえず調理してみよう。
パンにソーセージ、マスタードそして、ケチャップである。早速調理を開始。
油を買い忘れたので、ソーセージをゆでたあとにお湯でいためることにした。ソーセージのお湯いためである。平野レミさんでもやってないと思う。新しい料理が誕生したのでクックパッドに載せたい。
すっぱいのがマスタードだと思ったが正解だった。ただ、料理というものにとらわれすぎて食材が多くなってしまった。嗅覚の情報はひとつの情報をふくらませてしまうので複雑な料理になってしまう。シンプルな食べ物を当てるのが難しいかもしれない。
次は皆さんもお考え下さい。
・町の中華料理屋のにおいがする
これはかなり難しかった。かげばかぐほど「これはあれかな?いやこっちか?」と色々な料理の匂いがする。
説明しよう、ピンポイントノーズ作戦とは鼻へにおいを集中させることで、凝縮したにおいをかぐことができるのだ。ただ、全然わからない。ピンポイントノーズ作戦失敗である。
15分ぐらいにおいをかいでいると、ふとカニ玉が頭をよぎった。すっぱいにおいがしないので甘酢ではなく、塩ダレのやつである。
だが、状況は一変する。「料理を温めたレンジの中ににおいが残ってますよ。温かさがあるのできっとわかりやすいかもしれないです」と友人がアドバイスをくれたが、この言葉で現場(というより自分が)混乱することになる。
さきほどまでいた「カニ玉」がいなくなり、牛乳のような乳製品のにおいが電子レンジに残っていた。
あまりの違いに「うわー!!!」と叫ぶ。あとで飲み物を買いに行ったら新聞を読んでいたおじいさんたちが凝視してきたが、多分この声が漏れていたな。
悩んだ。悩んだが最後の電子レンジにあった乳製品のにおいをヒントとして、料理を作ることにした。
できあがるまで作るものは謎のままにしようと思ったが、答えが缶に書かれているので発表するが、グラタンを作ろうとしている。乳製品の食べ物として思い浮かんだのが、ホワイトソースとチーズを使った熱々のグラタンだった。果たして正解なのか、と言うより作れるのか?サイゼリヤでは何度も食べたことがあるが作ったことはない。
よく「あめ色になるまで玉ねぎをいためて下さい」と料理番組で聞くが、自分が生きているうちにあめ色にならないのではと思うぐらい色がつかない。
色がついたと思い、友人に聞いたら「焦げてますね」と言われた。でも、食べられるので大丈夫ということにして次の行程へ進む。
四苦八苦どころが、百苦千苦ぐらいしてなんとか完成した初めてのグラタンは2時間かかった。1品2時間。サイゼリヤでグラタンを注文して2時間も待ったらドリンクバーの水、飲みつくすと思う。
会心のできである。電子レンジでかいだにおいとほぼ同じような、違うような。でも、自信がある。果たして正解は何だったのか。
チャーハンだった。最初に「たまごを使ったようなにおい」「町の中華料理屋でかいだことのあるようなにおい」と思ったのが正解だった。電子レンジのあの乳製品のにおいは何だったのか。
改めてかいでみると、油のにおいが少し乳製品のにおいに似ている気がする。これで間違えたのかもしれない。
練習も含めると2勝2敗の引き分けだった。もっとカレーや照り焼きなどにおいの強いものなら作れるかもしれない。
においと今まで食べたことのある食べ物を結びつける作業が普段使わない脳の部分を刺激するので、脳のトレーニングをしたい方にもおすすめです。